建築学ゼミナール

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 建築学ゼミナール
科目番号 54231 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 1級建築士スピード学習帳(エクスナレッジ)ISBN:978-4767829524
担当教員 鈴木 健次,山田 耕司,竹下 純治,前田 博子,亀屋 惠三子,森上 伸也,白田 太,縄田 諒

到達目標

(ア)多角的なものの見方と、批判的思考力を身につけることができる。
(イ)明確な問題意識を持つことができる。また、それを文章として要約し、説明できる。
(ウ)自ら資料を収集・勉強し、文章や図表などを用いてまとめることができる。
(エ)論文の書き方を理解する。
(オ)学習内容をまとめて口頭で説明し、質疑に答えることができる。
(カ)発表内容について質問することができる。
(キ)指導教員との対話することにより、ゼミでの作業内容を向上させることができる。
(ク)ゼミでの作業を計画的に進めることができる。
(ケ)企業活動を理解し,技術者倫理の基礎知識を説明できる。
(コ)建築の基礎知識を説明できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)(イ)多角的なものの見方と明確な問題意識を持つことができる。また、それを文章として要約し、説明できる。多角的なものの見方と明確な問題意識を持つことができる。多角的なものの見方と明確な問題意識を持つことができない。
評価項目(ウ)(エ)(キ)(ク)指導教員の指導下で、自ら資料を収集・勉強し、文章や図表などを用いてまとめることができる。指導教員の指導下で、自ら資料を収集・勉強することができる。指導教員の指導下で、自ら資料を収集・勉強することができない。
評価項目(オ)(カ)学習内容をまとめて口頭で説明し、質疑に答えることができる。学習内容をまとめて口頭で説明できる。学習内容をまとめて口頭で説明できない。
評価項目(ケ)企業活動を理解し,技術者倫理の基礎知識を説明できる。企業活動を理解し,技術者倫理の基礎知識を知っている。企業活動を理解し,技術者倫理の基礎知識を知らない。
評価項目(コ)建築の基礎知識を説明できる。建築の基礎知識を知っている。建築の基礎知識を知らない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 社会の変化・要請を捉えて、問題を分析・抽出し,様々な条件の下,専門知識・技術を用いて,問題を解決するもしくは新たな提案を発する能力を修得する。
学習・教育到達度目標 D1 日本語により論理的な記述、口頭発表、討議等ができる。
JABEE e 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE f 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
JABEE g 自主的、継続的に学習する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力
本校教育目標 ④ コミュニケーション能力

教育方法等

概要:
5年次の卒業研究の準備段階に位置づけられる科目である。卒業研究および卒業設計に備えて、研究(設計)の進め方、資料の収集方法、実験の基本的手法、DX基礎技術、論文の書き方などを習得し、各人の研究テーマおよび設計テーマを決める。テーマの決定の際には、社会の変化や要請を的確に捉え、その状況に問題意識を持って取り組むことが求められる。自ら興味を持ってそのテーマと取り組み、5年次に卒業研究に入った際、戸惑わないための基礎的な創造力と実践力の育成を目的とする。
授業の進め方・方法:
受講生は,担当者より指導を受け,自ら主体的に各自の研究テーマに取り組む。研究成果は,概要集にまとめ,さらに教職員ならびに学生の前で研究成果を発表する。(授業内容・方法は以下を参照)
注意点:

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 技術者倫理,環境倫理,国際貢献・地域貢献,知的財産,法令順守,技術史,持続可能性
研究のすすめかた:研究および設計の必要性・重要性への意識を喚起
上記(ア)(イ)(ケ)
2週 建築計画の基礎知識(寸法体系,居住系施設,教育・福祉系施設,文化・交流系施設,医療・業務系施設,建築計画・設計,近現代史,西洋建築史,日本建築史)
研究(設計)テーマの検討:各研究室の過去の研究テーマの提示と輪読
上記(ア)(イ)(エ)(コ)
3週 建築計画の基礎知識(都市計画,近現代都市計画史,都市交通と街路計画,市街地の開発・再開発・規制,地区計画)
資料の集め方・論文の組立て方:幅広い学問領域の中での研究テーマの位置づけ
上記(ア)-(エ),(コ)
4週 建築環境・設備の基礎知識(環境計画,屋外環境,都市環境,日照・日射環境)
資料の集め方・論文の組立て方:幅広い学問領域の中での研究テーマの位置づけ
上記(ア)-(エ),(コ)
5週 建築環境・設備の基礎知識(光環境,色彩環境,熱環境,湿度,空気環境,音環境)
テーマに関する基本的学習:興味を持てる研究テーマを各自選択し組立てる
上記(ア)-(ク),(コ)
6週 建築環境・設備の基礎知識(給排水衛生設備,空気調和・換気設備,電気設備,防災設備,エネルギー,設備計画)
テーマに関する基本的学習:興味を持てる研究テーマを各自選択し組立てる
上記(ア)-(ク),(コ)
7週 建築構造・材料の基礎知識(建築材料概論,木材,セメント・コンクリート,金属材料,内外装材料,コンクリート工事,鉄筋工事)
テーマに関する基本的学習:興味を持てる研究テーマを各自選択し組立てる
上記(ア)-(ク),(コ)
8週 建築構造・材料の基礎知識(力のつり合い,断面の性質,応力とひずみ,トラス,梁の力学,柱の力学,ラーメン,仕事、エネルギー法,不静定構造物)
テーマに関する基本的学習:興味を持てる研究テーマを各自選択し組立てる
上記(ア)-(ク),(コ)
4thQ
9週 建築構造・材料の基礎知識(建築構造設計の概要,荷重,木構造,鋼構造の概要・部材設計・継手・仕口・柱脚,鉄筋コンクリート構造の概要・部材設計,基礎構造,地震現象)
テーマに関する基本的学習:興味を持てる研究テーマを各自選択し組立てる
上記(ア)-(ク),(コ)
10週 テーマに関する基本的学習:興味を持てる研究テーマをDX基礎技術を用いながら、各自選択し組立てる 上記(ア)-(ク)
11週 発表および討論:自分の考えをまとめ、プレゼンテーション・発表し、質疑に答える 上記(ア)-(ク)
12週 発表および討論:自分の考えをまとめ、プレゼンテーション・発表し、質疑に答える 上記(ア)-(ク)
13週 発表および討論:自分の考えをまとめ、プレゼンテーション・発表し、質疑に答える 上記(ア)-(ク)
14週 発表および討論:自分の考えをまとめ、プレゼンテーション・発表し、質疑に答える 上記(ア)-(ク)
15週 発表および討論:自分の考えをまとめ、プレゼンテーション・発表し、質疑に答える 上記(ア)-(ク)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3後1
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3後1
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3後1
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3後1
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後1
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後1
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3後1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3後1
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3後1
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後1
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後1
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3後1
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3後1
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3後1
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。4後7
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4後7
木材の種類について説明できる。4後7
傷(節など)について説明できる。4後7
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。4後7
耐火性について説明できる。4後7
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。4後7
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。4後7
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。4後7
セメントの種類・特徴について説明できる。4後7
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。4後7
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。4後7
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。4後7
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4後7
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4後7
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。4後7
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。4後7
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4後7
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4後7
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4後7
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。4後7
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。4後7
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。4後7
石材の種類・性質について説明できる。4後7
石材の使用方法について説明できる。4後7
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。4後7
タイルの種類、特徴をあげることができる。4後7
ガラスの製法、種類をあげることができる。4後7
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。4後7
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。4後7
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。4後7
内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる。4後7
環境・設備風土と建築について説明できる。4後4
気候、気象について説明できる。4後4
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4後4
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4後4
ヒートアイランドの現象について説明できる。4後4
大気汚染の歴史と現象について説明できる。4後4
都市環境における緑の役割について説明できる。4後4
建設地と太陽位置について説明できる。4後4
日照および日射の調節方法について説明できる。4後4
日照時間および日照時間図について説明できる。4後4
日照と日射の使い分けについて説明できる。4後4
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。4後4
視覚と光の関係について説明できる。4後5
明視、グレアの現象について説明できる。4後5
採光および採光計画について説明できる。4後5
人工照明について説明できる。4後5
照明計画および照度の計算ができる。4後5
表色系について説明できる。4後5
色彩計画の概念を知っている。4後5
伝熱の基礎について説明できる。4後5
熱貫流について説明できる。4後5
室温の形成について理解している。4後5
温熱環境要素について説明できる。4後5
温熱環境指標について説明できる。4後5
湿り空気、空気線図について説明できる。4後5
結露現象について説明できる。4後5
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。4後5
必要換気量について計算できる。4後5
自然換気と機械換気について説明ができる。4後5
音の単位について説明できる。4後5
聴覚の仕組みについて説明できる。4後5
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。4後5
吸音と遮音、残響について説明できる。4後5
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。4後5
給水方式について説明できる。4後6
使用水量について把握できる。4後6
給排水管の管径の決定方法について知っている。4後6
給湯方式について説明できる。4後6
敷地内外の分流式・合流式排水方式について説明できる。4後6
浄化槽について説明できる。4後6
衛生器具について説明できる。4後6
室内環境基準について説明できる。4後6
熱負荷計算法、空気線図、空気の状態値について説明できる。4後6
空気調和方式について説明できる。4後6
熱源方式について説明できる。4後6
必要換気量について計算できる。4後6
受変電・幹線設備について説明できる。4後6
動力設備について説明できる。4後6
照明・コンセント設備について説明できる。4後6
情報・通信設備について説明できる。4後6
消火設備について説明できる。4後6
排煙設備について説明できる。4後6
火災報知設備について説明できる。4後6
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。4後4
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。4後4
省エネルギー(コジェネレーション等を含む)について説明できる。4後6
建築設備(配線・管、配線・管スペース、施工法など)を、設備(自然環境・電気・空調・給排水の分野)計画に適用できる。4後6
計画・歴史現代社会における都市計画の課題の位置づけについて説明できる。4後3
近現代都市の特質と課題について説明できる。4後3
近代の都市計画論について説明できる。4後3
現代にいたる都市計画論について説明できる。4後3
市街地形成と都市交通のあり方について説明できる。4後3
街路計画の手法と理念について説明できる。4後3
方法・制度の変遷について説明できる。4後3
景観形成・風景計画、用途・形態規制の仕組みについて説明できる。4後3
市街地を開発する仕組みについて説明できる。4後3
土地区画整理事業について説明できる。4後3
市街地再開発事業について説明できる。4後3
地区計画制度について説明できる。4後3
建築協定・緑化協定などの住民参加・協働のまちづくりの体制について説明できる。4後3
モデュールについて説明できる。4後2
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。4後2
居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。4後2
教育や福祉系の施設(例えば、小学校、保育所、幼稚園、中・高・大学など)あるいは類似施設の計画について説明できる。4後2
文化・交流系の施設(例えば、美術館、博物館、図書館など)あるいは類似施設の計画について説明できる。4後2
医療・業務系の施設(例えば、オフィスビル、病院、オーディトリアム、宿泊施設等)あるいは類似施設の計画について説明できる。4後2
建築計画・設計の手法一般について説明できる。4後2
都市と農村の計画について説明できる。4後2
古代(例えば、エジプト、オリエント、エーゲ海、ギリシャ、ローマなど)の特徴について説明できる。4後2
中世(例えば、ビザンチン、イスラム、ロマネスク、ゴシックなど)の特徴について説明できる。4後2
近世(例えば、ルネサンス、マニエリスム、バロック、ロココなど)の特徴について説明できる。4後2
施工・法規定着の仕様とメカニズムについて説明できる。4後9
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4後9
使用材料の試験・管理値について説明できる。4後9
生コンの発注について説明できる。4後9
養生の必要性について説明できる。4後9
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。3後1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後1

評価割合

課題課題発表合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100