建築環境・構造実験

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 建築環境・構造実験
科目番号 54301 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 建築系学生のための卒業論文の書き方(井上書院)/配布プリント,貸与テキスト「建築環境工学実験用教材Ⅰ環境測定演習編」日本建築学会編(丸善)
担当教員 鈴木 健次,山田 耕司

到達目標

(ア)照度、輝度、昼光率の測定ができる。
(イ)照度、輝度、昼光率を利用して室内の人工照明・採光性能を評価できる。
(ウ)騒音レベル・残響時間の測定ができる。
(エ)騒音レベル・残響時間を利用して室内の音環境を評価できる。
(オ)温熱4要素の測定および換気量測定ができる。
(カ)温熱評価指標による室内温熱環境評価および室内空気質評価ができる。
(キ)工学系の実験報告書が作成できる。
(ク)測定課題に対して,適切な実験計画を立案することができる。
(ケ)トランシットを設置でき,レベルを設置して計測できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア~カ)実験により建築を取り巻く環境(光、音、温熱環境)の実験方法を説明でき、実験により把握できる実験により建築を取り巻く環境(光、音、温熱環境)を実験により把握できる実験により建築を取り巻く環境(光、音、温熱環境)を実験により把握できない
評価項目(キ)(ク)工学系の実験計画を立案でき、実験報告書が作成できる工学系の実験報告書が作成できる工学系の実験報告書が作成できない
評価項目(ケ)測量器具を指定時間内に設置できる測量器具をなんとか使用できる測量器具を使用できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 建築分野の実社会に必要で役立つ知識や技術を応用して問題を解決する能力を修得する。
学習・教育到達度目標 C1 実験・実習を通して、計測技術やデータ分析法、報告書作成能力を修得する。
JABEE c 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE h 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
JABEE i チームで仕事をするための能力
本校教育目標 ② 基礎学力
本校教育目標 ③ 問題解決能力

教育方法等

概要:
実験実習には、実際にものに接することにより物事の理解が助けられる長所がある。このため、本科目では、建築環境工学、建築構造力学で学ぶ内容をよりいっそう理解することを目的として実験を行い、講義内容の深化を図る。環境工学関係では、光・音・空気(熱・空気質)の3分野に関して測定課題を与え、実験計画の立案から報告書の作成まで実施する。構造力学関係では、歪,応力,変位計算,座屈,測量器具の取り扱い法を扱う。
授業の進め方・方法:
注意点:
本科目は、「建築材料実験」と同時間に開講し、受講者を2班に分けて、半期毎に2科目をローテーションして受講する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄骨梁の曲げ試験による荷重-たわみ関係,ひずみの計測 実験計画を作成できる
2週 鉄骨梁の曲げ試験による荷重-たわみ関係,ひずみの計測 実験結果を分析し,レポートを作成できる
3週 鉄骨梁の曲げ試験による荷重-たわみ関係,ひずみの計測 実験レポートを作成できる
4週 模型実験による基礎固定度およびブレースの層剛性への影響の検討 実験結果を分析できる
5週 模型実験による基礎固定度およびブレースの層剛性への影響の検討 実験レポートを作成できる
6週 トランシット、レベルの使用方法 レベルを使用できる
7週 トランシット、レベルの使用方法 トランシットを設置できる
8週 環境工学実験計画の基本:実験条件設定,事前調査,実験計画立案演習,データ解析演習 環境工学実験計画の立案方法を説明できる
2ndQ
9週 室内光環境の理論・測定計画:測光量および昼光率の計算演習,人工照明の設計演習,光環境測定計画 照度、輝度、昼光率の測定・評価方法を説明できる
10週 室内光環境の測定・評価:照度,輝度,昼光率の測定と評価 照度、輝度、昼光率を測定でき、測定結果の評価ができる
11週 室内音環境の理論・測定計画:音圧レベルの計算演習,残響時間計算演習,騒音評価方法,音環境測定計画 騒音レベル、残響時間の測定・評価方法を説明できる
12週 室内音環境の測定・評価:騒音,残響時間の測定と評価 騒音レベル、残響時間の測定ができ、測定結果の評価ができる
13週 室内温熱環境の理論・測定計画:温熱環境指標の計算演習 温熱4要素の測定・評価方法を説明できる
14週 室内温熱環境の測定・評価:温熱4要素の測定と温熱環境指標評価 温熱4要素の測定ができ、温熱環境指標で評価ができる
15週 まとめ 工学系の実験報告書の書き方を説明できる
16週
後期
3rdQ
1週 鉄骨梁の曲げ試験による荷重-たわみ関係,ひずみの計測 実験計画を作成できる
2週 鉄骨梁の曲げ試験による荷重-たわみ関係,ひずみの計測 実験結果を分析し,レポートを作成できる
3週 鉄骨梁の曲げ試験による荷重-たわみ関係,ひずみの計測 実験レポートを作成できる
4週 模型実験による基礎固定度およびブレースの層剛性への影響の検討 実験結果を分析できる
5週 模型実験による基礎固定度およびブレースの層剛性への影響の検討 実験レポートを作成できる
6週 トランシット、レベルの使用方法 レベルを使用できる
7週 トランシット、レベルの使用方法 トランシットを設置できる
8週 環境工学実験計画の基本:実験条件設定,事前調査,実験計画立案演習,データ解析演習 環境工学実験計画の立案方法を説明できる
4thQ
9週 室内光環境の理論・測定計画:測光量および昼光率の計算演習,人工照明の設計演習,光環境測定計画 照度、輝度、昼光率の測定・評価方法を説明できる
10週 室内光環境の測定・評価:照度,輝度,昼光率の測定と評価 照度、輝度、昼光率を測定でき、測定結果の評価ができる
11週 室内音環境の理論・測定計画:音圧レベルの計算演習,残響時間計算演習,騒音評価方法,音環境測定計画 騒音レベル、残響時間の測定・評価方法を説明できる
12週 室内音環境の測定・評価:騒音,残響時間の測定と評価 騒音レベル、残響時間の測定ができ、測定結果の評価ができる
13週 室内温熱環境の理論・測定計画:温熱環境指標の計算演習 温熱4要素の測定・評価方法を説明できる
14週 室内温熱環境の測定・評価:温熱4要素の測定と温熱環境指標評価 温熱4要素の測定ができ、温熱環境指標で評価ができる
15週 まとめ 工学系の実験報告書の書き方を説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前15
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前15,後15
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前15,後15
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前15,後15
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前15,後15
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前15,後15
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3前15,後15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3前15,後15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。3前7,後1
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。3前1,前4,後5
実験結果を整理し、考察できる。3
実験の目的と方法を説明できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験結果を整理し、考察できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。3前6,前7,後6,後7
測量の結果を整理できる。3前6,前7,後6,後7

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100