建築防災工学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築防災工学
科目番号 55107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「地震と建築防災工学」小野徹郎 編著(理工図書)/「防災工学」石井一郎 編著(森北出版),プリント
担当教員 今岡 克也

到達目標

(ア)地震のタイプとその発生メカニズムや特徴を説明できる。
(イ)明治以降の日本の被害地震の概要と,耐震設計法に与えた影響を説明できる。
(ウ)鉄骨系やコンクリート系建物の地震被害の特徴を説明できる。
(エ)木造系建物の地震被害の特徴を説明できる。
(オ)火山噴火の発生メカニズムと被害の軽減方法を説明できる。
(カ)津波の発生メカニズムと被害の軽減方法を説明できる。
(キ)台風や竜巻の発生メカニズムと被害の軽減方法を説明できる。
(ク)建物火災の発生メカニズムと被害の軽減方法を説明できる。
(ケ)延焼火災の原因と防止方法を説明できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)地震のタイプと発生メカニズムを説明することができ、マグニチュードを求めることができる地震のタイプと発生メカニズムを説明することができる地震のタイプと発生メカニズムを説明することができない
評価項目(イ)鉄骨・RC・木造の建物の主な地震被害と耐震設計法について説明することができる鉄骨・RC・木造の建物の主な地震被害について説明することができる鉄骨・RC・木造の建物の主な地震被害について説明することができない
評価項目(ウ)建物火災や煙に対する建物や内装、設備などの被害軽減の方法を説明することができる建物火災に対する建物や内装、設備などの被害軽減の方法を説明することができる建物火災に対する建物や内装、設備などの被害軽減の方法を説明することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 建築分野の必要な基礎的知識や技術を修得する。
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
この授業では,地震・火災・津波・風水害・火山噴火などの①災害の発生メカニズムや②過去の災害例と被害の特徴,③建物や都市をそれらの災害から守り,被害を軽減する方法について学ぶ。前半は教科書である「地震と建築防災工学」に沿って,地震を取り上げて,地震動に伴う建築物の被害と,津波や液状化などの災害について学ぶ。後半は,参考書である「防災工学」を用いて,火山噴火による災害,台風や竜巻などによる災害,建物火災や都市火災による災害について学ぶ。
授業の進め方・方法:
この授業は,はじめに教科書に沿って概要を説明し,次に例題の問題を黒板に書きながら説明して解き,最後に課題を受講学生に配布して解いてもらう。
注意点:
授業後に必ず復習し,学習内容の理解を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 地震の発生と地震波 :断層,アスペリティ,マグニチュード,震度,地震波,増幅効果 地震のタイプと発生メカニズムを説明することができ、マグニチュードを求めることができる
2週 地震の発生と地震波 :断層,アスペリティ,マグニチュード,震度,地震波,増幅効果 地震波の種類と特徴について説明することができ、震源距離などを求めることができる
3週 建物の耐震設計法 :耐震規定の歴史,許容応力度設計,限界耐力設計 過去の主な地震被害と建物の耐震設計法との関係について説明することができる
4週 建物の耐震設計法 :耐震規定の歴史,許容応力度設計,限界耐力設計 建物の耐震設計法で、許容応力度設計法と限界耐力設計法の違いを説明することができる
5週 鉄骨系建物の地震被害と耐震設計 :接合部,座屈,塑性 鉄骨系建物の主な地震被害と耐震設計法について説明することができる
6週 コンクリート系建物の地震被害と耐震設計 :ピロティ,せん断破壊,ねじれ振動 コンクリート系建物の主な地震被害と耐震設計法について説明することができる
7週 木質系建物の地震被害と耐震設計 :有効壁長さ,壁充足率,ねじれ振動 木質系建物の主な地震被害と耐震設計法について説明することができる
8週 基礎構造の地震被害と耐震設計 :杭基礎,液状化,斜面崩壊 基礎構造の主な地震被害と耐震設計法について説明することができる
2ndQ
9週 津波による被害 :伝播速度,津波警報,避難場所 津波の発生メカニズムと主な被害軽減の方法を説明することができる
10週 火山噴火による被害 :噴火種別,噴火予知 火山噴火の発生メカニズムと主な被害軽減の方法を説明することができる
11週 台風や竜巻による被害 :強風,高潮,洪水 台風の発生メカニズムと主な被害軽減の方法を説明することができる
12週 台風や竜巻による被害 :強風,高潮,洪水 竜巻の発生メカニズムと主な被害軽減の方法を説明することができる
13週 火災による被害 :フラッシュオーバー,防火材料,防火設備,耐火構造,防火地域,防火区画 建物火災の進展過程と、主な消火や避難の方法を説明することができる
14週 火災による被害 :フラッシュオーバー,防火材料,防火設備,耐火構造,防火地域,防火区画 建物火災による煙の拡散過程と、主な排煙や避難の方法を説明することができる
15週 まとめ 建物火災に対する建物や内装、設備などの被害軽減の方法を説明することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3前1,前2
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。3前5,前6,前7,前8

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100