基礎構造

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎構造
科目番号 55108 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新版 建築基礎構造」畑中宗憲・加倉井正昭・鈴木比呂子著(東洋書店新社)
担当教員 今岡 克也

到達目標

(ア)土粒子の粒径により粒径加積曲線が描け,土の分類ができる。
(イ)土の基本的性質である湿潤密度,飽和度,含水比,間隙比などの関係を説明できる。
(ウ)ボイリングや盤ぶくれなどの用語を説明できる。
(エ)土の間隙比や圧縮指数などを用いて,地盤の圧密沈下量が推定できる。
(オ)擁壁に作用する主働土圧を算定でき,逆T型擁壁の安定性を判定できる。
(カ)直線斜面のすべり破壊に対する安全率を計算できる。
(キ)直接基礎の極限鉛直支持力を算定できる。
(ク)杭の極限鉛直支持力を算定できる。
(ケ)戸建住宅の布基礎や浅層軟弱地盤の改良設計ができる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)採取した土の含水比、間隙比、飽和度などの基本量を理解して、算定する手順を説明できる採取した土の含水比、間隙比、飽和度などの基本量について理解している採取した土の含水比、間隙比、飽和度などの基本量について理解していない
評価項目(イ)直接基礎の極限支持力と即時沈下量について理解し、算定する手順を説明できる直接基礎の極限支持力と即時沈下量について理解している直接基礎の極限支持力と即時沈下量について理解していない
評価項目(ウ)杭基礎の先端支持力と周面摩擦力について理解し、算定する手順を説明できる杭基礎の先端支持力と周面摩擦力について理解している杭基礎の先端支持力と周面摩擦力について理解していない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 建築分野の実社会に必要で役立つ知識や技術を応用して問題を解決する能力を修得する。
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
基礎構造は,建物の鉛直荷重を安定した支持地盤へ伝えるとともに,地震時にも建物を安全に保つという重要な役割がある。近年,わが国では,海岸や河川流域など軟弱な地盤上に構造物が建てられる場合が増えており,地盤沈下や液状化などに対する検討が必要な場合が多い。 この授業の前半は土質力学の分野であり,土の分類や基本的な性質について学んだ後に,地中の応力や圧密沈下量などの算定法を学ぶ。後半は建築物の基礎構造として,直接基礎と杭基礎,地盤改良工法などについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
この授業は,はじめに教科書に沿って概要を説明し,次に例題の問題を黒板に書きながら説明して解き,最後に演習問題を受講学生に解いてもらう。
注意点:
授業の前に、教科書を読んで、演習問題の簡単なものには回答しておくこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修6

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎と地盤の役割と地盤の生成
課題として、地盤の生成の演習問題を解いてもらう。
地球の歴史と地質について説明でき、沖積層と洪積層,第三紀層以前の地層の区別ができる
2週 土の基本的性質と分類:土の分類,含水比と間隙比
課題として、土の基本的性質の演習問題を解いてもらう。
粒径による土の分類ができ,含水比、間隙比、飽和度などの土の基本量の算定手順を理解している
3週 土の基本的性質と分類:土質試験とN値,砂質土と粘性土
課題として、土の基本的性質の演習問題を解いてもらう。
砂質土と粘性土の違いと、それぞれの基本的性質を説明できる
4週 地盤内の応力:土被り圧の算定,等分布荷重による地中応力
課題として、地盤内の応力の演習問題を解いてもらう。
成層地盤による土被り圧と有効応力の違いを説明でき、算定手順を理解している
5週 地盤内の応力:土被り圧の算定,等分布荷重による地中応力
課題として、地盤内の増加応力の演習問題を解いてもらう。
地表面上に等分布荷重が作用した時の任意地点の地中内応力を算定する手順を理解している
6週 土中の水の流れ:土の透水性とダルシーの法則
課題として、地盤内の浸透圧の演習問題を解いてもらう。
土の種類による透水性の違いを説明でき、ダルシーの法則を用いて,水の流速を計算できる
7週 粘土の圧密:圧密現象と圧密試験,圧密沈下量の算定
課題として、粘土の圧密現象の演習問題を解いてもらう。
粘土の圧密現象について説明ができ、圧密試験の結果などを用いて圧密沈下量を算定できる
8週 土のせん断強さ:クーロンの式,一軸及び三軸圧縮試験
課題として、三軸圧縮試験の演習問題を解いてもらう。
一軸と三軸圧縮試験の違いを説明でき、クーロンの式を用いて土のせん断強さを算定できる
2ndQ
9週 地震時の砂の液状化:地震時せん断力,液状化現象
課題として、地震時液状化安全率の演習問題を解いてもらう。
地震時の砂の液状化現象が発生するメカニズムを理解している
10週 土圧:主働土圧,静止土圧,受働土圧
課題として、擁壁に作用する土圧の演習問題を解いてもらう。
擁壁に作用する主働土圧と受働土圧の違いを説明できる
11週 逆T型擁壁の設計:主働土圧,静止土圧,受働土圧,内部摩擦
課題として、逆T型擁壁の演習問題を解いてもらう。
逆T型擁壁の安定性を検討する手順を理解している
12週 杭基礎の設計:杭の支持力,周面摩擦力,杭の曲げモーメント
課題として、杭基礎の許容支持力の演習問題を解いてもらう。
杭基礎の種類を説明でき、先端支持力と周面摩擦力を算定する手順を理解している
13週 斜面の安定:すべり面,傾斜角,内部摩擦角,すべり破壊
課題として、斜面の安定の演習問題を解いてもらう。
斜面の安定性に対する地下水の影響を説明でき、傾斜角と内部摩擦角との関係を説明できる
14週 直接基礎の設計:布基礎,べた基礎,極限支持力と許容支持力
課題として、直接基礎の許容支持力の演習問題を解いてもら
直接基礎の極限支持力と即時沈下量を算定する手順を理解している
15週 杭基礎の設計:杭の支持力,周面摩擦力,杭の曲げモーメント
課題として、杭基礎の許容支持力の演習問題を解いてもらう。
杭基礎の種類を説明でき、先端支持力と周面摩擦力を算定する手順を理解している
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造基礎形式(直接、杭)の分類ができる。4前2,前3,前4,前5,前7
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。4前11,前12
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。4
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。4

評価割合

中間試験定期試験合計
総合評価割合4060100
専門的能力4060100