建築振動学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築振動学
科目番号 55202 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「建築の振動」 西川孝夫ほか著(朝倉書店)
担当教員 今岡 克也

到達目標

(ア)1質点系と2質点系の運動方程式を作成することができる。
(イ)平均加速度法を使って1質点系の時刻歴応答波形をエクセルで求めることができる。
(ウ)1質点系の自由振動による応答波形から固有周期と減衰定数が算定できる。
(エ)地震応答スペクトルを用いて1質点系の最大応答が算定できる。
(オ)2質点系の固有周期と固有モード,正規化モードを求めることができる。
(カ)モーダルアナリシスと地震応答スペクトルから2質点系の最大応答が算定できる。
(キ)ねじれ振動を伴う1層建物の固有周期と固有モードを求めることができる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)2質点系の運動方程式が理解でき、自由振動波形を求めることができる1質点系の運動方程式が理解でき、自由振動波形を求めることができる1質点系の運動方程式を立てて、自由振動波形を求めることができない
評価項目(イ)地動加振による2質点系の応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができる地動加振による1質点系の応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができる地動加振による1質点系の応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができない
評価項目(ウ)ねじれを伴う1質点系の偏心率と運動方程式が理解でき、自由振動波形を求めることができるねじれを伴う1質点系の偏心率と運動方程式を求めることができるねじれを伴う1質点系の偏心率と運動方程式を求めることができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 建築分野の実社会に必要で役立つ知識や技術を応用して問題を解決する能力を修得する。
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
地震活動度が高い地域に建物を設計する場合には,地震に対する安全性能を明確にして,建築主や利用者に説明する義務が生じる。この授業では,地震時に建物はどのように揺れて,変位や加速度の最大値はどのようになるかを中心に学ぶ。前半では1質点系を対象として,固有振動数や減衰定数の算定方法を学び,次に運動方程式とその解法である平均加速度法について学び,地震応答スペクトルの特徴と利用方法について学ぶ。後半では,多層建物やねじれ振動へと発展させ,固有振動数や固有モードの算定方法について学び,モーダルアナリシスを用いて地震時に作用する変位や加速度などの最大応答の算定方法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
この授業は,はじめに教科書に沿って概要を説明し,次に例題の問題を黒板に書きながら説明して解き,最後に課題を受講学生に配布して解いてもらう。
注意点:
本校の専攻科に進学する学生は,この授業で学んだ内容が「建築学計測実験」(専攻科2年の必修科目)で用いられるので,必ず受講してください。授業後に必ず復習し、授業内容の理解を深めること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修5

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 非減衰の1質点系の運動方程式:微分方程式,慣性力,復元力
課題として、1質点系の振動の演習問題を解いてもらう。
非減衰の1質点系の運動方程式が理解でき、自由振動波形を求めることができる
2週 減衰を考慮した1質点系の運動方程式:微分方程式,減衰力
課題として、1質点系の振動の演習問題を解いてもらう。
速度比例減衰を考慮した1質点系の運動方程式が理解でき、自由振動波形を求めることができる
3週 直接積分法による1質点系の自由振動:テーラー展開
課題として、エクセルで1質点系の自由振動波形を求める
平均加速度法を用いて、1質点系の自由振動波形を求めることができる
4週 直接積分法による1質点系の地震応答:地震動データ
課題として、エクセルで1質点系の地震動応答を求める
平均加速度法を用いて、1質点系の地震動による応答波形を求めることができる
5週 起振器加振による1質点系の定常振動:共振現象,固有周期
課題として、1質点系の定常振動の演習問題を解いてもらう。
起振器加振による1質点系の定常応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができる
6週 地動加振による1質点系の定常振動:共振現象,固有周期
課題として、1質点系の定常振動の演習問題を解いてもらう。
地動加振による1質点系の応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができる
7週 地震動の応答スペクトル:変位応答,速度応答,加速度応答
課題として、エクセルで地震波の応答スペクトルを求める
平均加速度法を用いて、任意の地震波の応答スペクトルを求めることができる
8週 2質点系の固有周期と固有モード:行列式,固有値解析
課題として、2質点系の振動の演習問題を解いてもらう。
非減衰の2質点系の運動方程式が理解でき、固有周期と固有モードを求めることができる
4thQ
9週 2質点系の自由振動波形:正規化モード,刺激係数
課題として、エクセルで2質点系の自由振動波形を求める
速度比例減衰を考慮した2質点系の運動方程式が理解でき、自由振動波形を求めることができる
10週 2質点系の地動定常応答:正規化モード,刺激係数
課題として、エクセルで2質点系の地震応答波形を求める
速度比例減衰を考慮した2質点系の応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができる
11週 2質点系のモーダルアナリシス:応答スペクトル,
課題として、エクセルで2質点系の最大地震応答を求める
モーダルアナリシスを用いて、2質点系の応答倍率曲線と位相差曲線を求めることができる
12週 多層建物の固有振動数と固有モード :ホルツァー法,重力式
課題として、多層建物の固有振動数と固有モードを求める
ホルツァー法を用いて多層建物の固有振動数と固有モードを求めることができる
13週 偏心率とねじれ振動:重心と剛心,偏心距離
課題として、偏心率の演習問題を解いてもらう。
ねじれを伴う1質点系の偏心距離や偏心率を求めることができる
14週 ねじれを伴う1層建物の固有周期と固有モード:固有値解析
課題として、ねじれを伴う1層建物の固有周期を求める
ねじれを伴う1質点系の運動方程式が理解でき、固有周期と固有モードを求めることができる
15週 ねじれを伴う1層建物の固有周期と固有モード:固有値解析
課題として、ねじれを伴う1層建物の地震応答を求める
直接積分法によりエクセルを用いて、ねじれを伴う1質点系の地震動による応答波形を求めることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100