鉄筋コンクリート構造Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 鉄筋コンクリート構造Ⅱ
科目番号 55204 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「新しい鉄筋コンクリート構造」島津孝之ほか編著(森北出版)/適宜,プリントを配付
担当教員 今岡 克也

到達目標

(ア)鉄筋コンクリート造建物の構造設計の手順を理解している。
(イ)簡単な建物の偏心率と剛性率を求めることができる。
(ウ)構造設計で用いる荷重の種類と求め方を知っている。
(エ)固定法を用いて鉛直荷重の応力図を求めることができる
(オ)D値法を用いて地震荷重の応力図を求めることができる
(カ)応力図から梁や柱などの断面算定ができる。
(キ)断面算定の結果から梁や柱などの配筋図を描くことができる。
(ク)節点振り分け法により保有水平耐力を求めることができる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)構造計算の手順と1次設計・2次設計について説明することができる構造計算の手順と1次設計について説明することができる構造計算の手順や1次設計について説明することができない
評価項目(イ)固定法を用いて、ラーメンの曲げモーメントを求めることができ応力図を描くことができる固定法を用いて、ラーメンの曲げモーメントを求めることができる固定法を用いて、ラーメンの曲げモーメントを求めることができない
評価項目(ウ)D値法を用いて、柱に作用する地震力を求めることができ、応力図を描くことができるD値法を用いて、柱に作用する地震力を求めることができるD値法を用いて、柱に作用する地震力を求めることができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 建築分野の実社会に必要で役立つ知識や技術を応用して問題を解決する能力を修得する。
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
建物の安全性を確保するには,自重や積載物,地震などの外力によって構造部材に作用する応力度を材料の許容値以下に押さえる必要がある。鉄筋コンクリート構造は,主に鉄筋が引張力を受け持ち,コンクリートが圧縮力を受け持つ複合構造であり,鉄筋とコンクリートでヤング係数が異なるために応力度の算定が複雑になる。この授業では,鉄筋コンクリート構造Iで学んだことを,実際の建物の設計例に適応させて,荷重や応力度などを具体的な数値で計算しながら理解を深めることを目標にしている。
授業の進め方・方法:
この授業は,はじめに教科書に沿って概要を説明し,次に構造計算書の計算例を黒板に書きながら説明して解き,最後に問題を受講学生に解いてもらう。
注意点:
建築構造力学Ⅰ~Ⅲと鉄筋コンクリート構造Ⅰで学習した内容は理解しているものとして授業を進める。授業後に課題を行いながら復習しておくこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修6

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 構造計算の手順と設計法 :1次設計,2次設計 構造計算の手順と1次設計・2次設計について理解する
2週 構造計算の手順と設計法 :1次設計,2次設計 構造計算する建物の材料ごとの許容応力度を算出することができる
3週 建物に作用させる荷重と外力 :固定荷重,積載荷重,地震荷重 建物に作用させる固定・積載・地震荷重を算出することができる
4週 耐震性の検討方法    :偏心率,剛性率 構造計算の方針と2次設計で必要な偏心率・剛性率について理解する
5週 建物概要と仮定断面 建物の部材毎の仮定断面の方法と柱と梁の剛比を算出することができる
6週 鉛直荷重の算定     :CMQ 柱に作用する鉛直荷重を算出することができる
7週 鉛直荷重の算定     :CMQ 梁に作用する鉛直荷重によるCMQを算出することができる
8週 長期荷重による応力計算 :固定法 固定法を用いて長期荷重時のラーメンの応力図を求めることができる
4thQ
9週 長期荷重による応力計算 :固定法 固定法を用いて、長期荷重時の壁付きラーメンの応力図を求めることができる
10週 地震力による応力計算  :D値法 各階に作用する地震力を求めることができる
11週 地震力による応力計算  :D値法 D値法を用いて、柱に作用する地震力を求めることができる
12週 断面算定と配筋図 大梁の断面算定を行って配筋図を描くことができる
13週 断面算定と配筋図 柱の断面算定を行って配筋図を描くことができる
14週 2次設計   :層間変形角、偏心率、剛心率 層間変形角、偏心率、剛心率を求めて、基準値と比較することができる
15週 保有水平耐力の検討   :節点振り分け法 節点振り分け法を用いて、純ラーメンの階の保有水平耐力を求めることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造構造計算の設計ルートについて説明できる。4後1,後2
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。4後1,後2,後4,後14,後15

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合306010100
専門的能力306010100