技術者倫理

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 90013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻M 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 黒田・戸田山・伊勢田(編)『誇り高い技術者になろう [第二版]』(名古屋大学出版会)ISBN:978-4-8158-0706-1/直江・盛永(編)『理系のための科学技術者倫理』(丸善出版)ISBN:978-4-6210-8946-0他
担当教員 北野 孝志

到達目標

(ア)技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
(イ)技術者として信用失墜の禁止と公益の確保を考慮しつつ、技術者の社会的責任について説明できる。
(ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
(エ)科学技術が環境に及ぼす影響を理解し、環境問題に配慮しつつ、技術者がどのように対処すべきかを考えることができる。
(オ)技術者が組織の一員として働く上で直面する問題を理解し、その解決のあり方を検討することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)社会における技術者の役割と責任を理解し、現実的な問題に当てはめて考えることができる。 社会における技術者の役割と責任を理解し、説明できる。社会における技術者の役割と責任を理解し、説明できない。
評価項目(イ)技術者の行動に関する基本的事項を理解し、現実的な問題に当てはめて考えることができる。技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できない。
評価項目(ウ)技術者が組織の一員として働く上で直面する問題を理解し、その解決のあり方を主体的に検討することができる。技術者が組織の一員として働く上で直面する問題を理解し、説明できる。技術者が組織の一員として働く上で直面する問題を理解し、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A2 技術が,社会・文化との関わりの中でどのように発展してきたか理解している。
学習・教育到達度目標 E2 機械工学技術者として実践の場面で倫理的価値判断ができる。また,工学的問題の解決策が,文化や環境に与える影響を理解している。
JABEE a 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
JABEE b 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対して負っている責任
本校教育目標 ⑤ 技術者倫理

教育方法等

概要:
科学技術の進歩は我々の生活環境や社会に大きな影響を及ぼし、物質的な豊かさをもたらした反面、数々の問題も引き起こしている。そして、近年科学技術を背景とする様々な事故や不祥事が表面化するにつれ、技術者自身の責任や判断に対する自覚が求められるようになってきた。そこで、この授業では技術者が直面する倫理的問題について、具体的な事例を取り上げつつ考察し、技術者としていかにあるべきかを追究していく。
授業の進め方・方法:
それぞれの授業内容についてパワー・ポイントを使って説明し、技術士一次試験適性科目過去問などを通して理解度を確認する。過去の事例のビデオや資料なども適宜利用し、倫理的な問題点や解決策についてグループで考えたりといったことも行う。
注意点:
継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 技術者倫理とは:その背景と取り組み(予習:教科書の指定箇所) (ア)技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
2週 技術者の責任:プロフェッションとしての技術者の特徴とその責任(復習:技術士一次試験適性科目過去問) (ア)技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
3週 技術者の責任:法的責任と倫理的責任、責任ある技術者(課題:事例研究に関する課題の完成) (ア)技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
4週 法的責任と倫理的責任:法の限界と倫理、倫理綱領とその意義(復習:配布資料,技術士一次試験適性科目過去問) (ア)技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
5週 倫理問題の解決策(復習:配布資料,技術士一次試験適性科目過去問) (イ)技術者として信用失墜の禁止と公益の確保を考慮しつつ、技術者の社会的責任について説明できる。
6週 安全性とリスク:リスク概念の導入、本質安全と制御安全(復習:技術士一次試験適性科目過去問,予習:教科書の指定箇所) (ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
7週 安全性とリスク:受け入れ可能なリスクと技術的逸脱の標準化(復習:技術士一次試験適性科目過去問) (ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
8週 安全性とリスク:リスク評価、安全性と設計(課題:事例研究に関する課題の完成) (ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
2ndQ
9週 安全性とリスク:ヒューマンエラーと集団思考(復習:配布資料,技術士一次試験適性科目過去問) (ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
10週 技術と環境:公害と公害輸出(復習:技術士一次試験適性科目過去問) (エ)科学技術が環境に及ぼす影響を理解し、環境問題に配慮しつつ、技術者がどのように対処すべきかを考えることができる。
11週 技術と環境:地球環境問題、環境と設計(復習:配布資料) (エ)科学技術が環境に及ぼす影響を理解し、環境問題に配慮しつつ、技術者がどのように対処すべきかを考えることができる。
12週 消費者保護の視点:不法行為法と製造物責任法(復習:技術士一次試験適性科目過去問,予習:教科書の指定箇所) (ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
13週 消費者保護の視点:説明責任(復習:技術士一次試験適性科目過去問,予習:教科書の指定箇所) (ウ)説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
14週 組織の一員としての技術者:職務発明と守秘義務、内部告発と公益通報者保護法(復習:配布資料,技術士一次試験適性科目過去問) (オ)技術者が組織の一員として働く上で直面する問題を理解し、その解決のあり方を検討することができる。
15週 授業のまとめ (イ)技術者として信用失墜の禁止と公益の確保を考慮しつつ、技術者の社会的責任について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合5050100
分野横断的能力5050100