情報システム工学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報システム工学
科目番号 92014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻M 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「ソフトウェア工学の基礎」玉井哲雄著(岩波オンデマンドブックス),ISBN:978-4-00-730457-6/「情報工学レクチャーシリーズ ソフトウェア工学」高橋直久・丸山勝久共著(森北出版社),ISBN978-4627810617,「ユースケース駆動開発実践ガイド」ダグ・ローゼンバーグ他(翔泳社)、「かんたんUML」オージス総研(翔泳社)、「Java言語で学ぶデザインパターン」結城浩(ソフトバンク)
担当教員 小松 弘和

到達目標

(ア)大規模ソフトウェア開発の課題について説明できる。
(イ)開発を管理するための様々なプロセスモデルの特徴について説明できる。
(ウ)要求分析の目的と手法について説明できる。
(エ)構造化分析、オブジェクト指向分析における手法を用いて、ソフトウェアのモデル図が描ける。
(オ)モジュール設計の目的を理解し、構造化手法やオブジェクト設計による効率的なソフトウェア設計仕様が描ける。
(カ)オブジェクト指向の特徴を理解し、クラス図やシーケンス図などの技法を使って、ソフトウェア設計仕様が描ける。
(キ)プロジェクト管理やテストおよび検証で用いられる手法を理解し、説明できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(可)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)大規模ソフトウェア開発の課題について正確に説明できる。大規模ソフトウェア開発の課題について説明できる。大規模ソフトウェア開発の課題について説明できない。
評価項目(イ)開発を管理するための様々なプロセスモデルの特徴について正確に説明できる。開発を管理するための様々なプロセスモデルの特徴について説明できる。開発を管理するための様々なプロセスモデルの特徴について説明できない。
評価項目(ウ)要求分析の目的と手法について正確に説明できる。要求分析の目的と手法について説明できる。要求分析の目的と手法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2-3 情報技術に関する知識とその工学的応用力の修得
学習・教育到達度目標 C2-4 「情報と計測・制御」に関する専門知識の修得
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
情報システムは社会生活にとって欠かせないものであり,人間による活動の写像であるといえる。このため社会生活の変更に対する情報システムの仕様変更が適切でなければ,円滑な社会生活を妨げるばかりかシステムを提供する企業に不利益を及ぼしかねない。そこで,将来技術者として情報システムを構築する際に,仕様変更が容易で高い品質を維持でき,かつ効率的なシステムの構築手法を学ぶことが重要である。本講義では,開発初期段階でシステムの要求仕様を誤りなく把握し,変更に対して頑健な情報システムの分析・設計手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業中の演習および課外の課題を通して,ソフトウェア開発ライフサイクルの各プロセスの特徴,構造化分析およびオブジェクト指向分析・設計手法の習得を目指す。なお受講者数が10人未満の場合は、教科書を利用したゼミ形式(輪講形式)を実施し、より深い理解を目指す。
注意点:
C言語などのモジュール構造を有したプログラミング経験があることを前提とする。(自学自習内容)授業内容に該当する項目について必ず復習し,学習内容の理解を深めること。また与えられた自習課題は確実に解いておくこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 大規模ソフトウェア開発の課題
(復習:ソフトウェア開発とソフトウェア工学)
大規模ソフトウェア開発の課題とソフトウェア工学による問題解決と、ソフトウェア開発ライフサイクルに応じたモジュール化の必要性を理解できる。
2週 ソフトウェアの開発工程
(復習:ソフトウェア開発ライフサイクルと開発プロセス)
大規模ソフトウェア開発の特徴について理解し、様々なソフトウェア開発プロセスを理解できる。
3週 プロジェクト管理および品質管理の指針
(復習:プロジェクト管理による開発工数の見積もり)
プロジェクト管理で用いられる開発工数の見積もり手法(標準タスク法およびファンクションポイント法)を理解できる。また,品質管理のための指針について理解できる。
4週 要求分析
(復習:要求分析の手法)
要求分析の手法について理解できる。
5週 構造化分析設計1:DFDによるシステム動的分析
(復習:DFDによる構造化分析設計)
構造化分析設計によるDFDによるシステムの動的分析を理解できる。
6週 オブジェクト指向分析によるシステム構造のモジュール化
オブジェクト指向の基本概念1:カプセル化とメッセージパッシング
(復習:オブジェクト指向の基本概念)
オブジェクト指向の基本概念と,その特徴であるカプセル化とメッセージパッシングを理解できる。
7週 オブジェクト指向の基本概念2:クラスとインスタンス、関連・継承・集約
(復習:オブジェクト指向の基本概念)
オブジェクト指向の基本概念であるクラスとインスタンス、および関連・継承・集約の違いを理解できる。
8週 オブジェクト指向開発方法論,および責任駆動型アプローチとユースケース
(復習:ユースケース図とユースケース記述)
オブジェクト指向開発方法論における,オブジェクト指向の利点と責任駆動型アプローチに基づきユースケース図とユースケース記述によりシステムの基本機能を表現できる。
4thQ
9週 責任駆動型アプローチによるクラスの同定および振る舞いの記述
(復習:アクティビティ図とシーケンス図)
オブジェクト指向開発方法論の責任駆動型アプローチにおいて,クラスを同定しアクティビティ図やシーケンス図による振る舞いを記述できる。
10週 アーキテクチャ設計
(復習:アーキテクチャ設計)
性能や変更容易性など非機能面からの要求分析を理解できる。
11週 モジュール設計1
(復習:モジュール構造の評価尺度)
モジュール構造の評価のために用いられる強度と結合度を理解できる。
12週 モジュール設計2:構造化システム設計とオブジェクト指向システム設計開発プロセスおよび,構造化分析のモジュール化手法
(復習:STS法およびTR法によるモジュール設計)
設計開発プロセスの違いについて理解し,構造化分析設計におけるシステムのモジュール化を理解できる。
13週 プログラミング:構造化プログラミングとデータ中心アプローチ
(復習:構造化プログラミングとデータ構造)
構造化プログラミングの技法およびデータ中心アプローチによるモジュール構造設計技法について理解できる。
14週 テストと検証
(復習:テスト工程とテスト技法)
ソフトウェアテストの工程や,用いられる技法について理解できる。
15週 保守と再利用
(復習:保守と再利用の技法)
ソフトウェア保守および再利用の意義と手法について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合6040100
分野横断的能力6040100