電磁気学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 93019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻M 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「演習電気磁気学(新装版)」 大貫繁雄・安達三郎 著(森北出版)ISBN:978-4-627-71132-7/教材用プリント
担当教員 塚本 武彦

到達目標

(ア)電荷に働く力や電界の強さを微積分等によって導出できる。
(イ)分布状電荷や電気二重層・電気双極子が作る電界の強さおよび電位を説明できる。
(ウ)誘電体の性質を理解し,球・円筒・板状の各種コンデンサの静電容量を計算できる。
(エ)電荷分布に特別な対称性が存在する場合や複雑な接地面がある場合の電界・電位の導出方法を概説できる。
(オ)有限長の電流が作る磁界を積分等によって計算できる。
(カ)無限長の直線電流やソレノイドに流れる電流が作る磁界の導出方法を概説できる。
(キ)磁束の変化によって生じる誘導起電力の大きさや電磁力を説明できる。
(ク)いろいろな形状のコイルのインダクタンスを計算できる。
(ケ)マクスウェルの電磁方程式の意味と電磁波の性質を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)分布状電荷や電気二重層・電気双極子が作る電界,電位を説明でき,また導体間の静電容量を計算できる。分布状電荷や電気二重層・電気双極子が作る電界の強さおよび電位を説明できる。分布状電荷や電気二重層・電気双極子が作る電界の強さおよび電位を説明できない。
評価項目(イ)円・直線電流やソレノイドに流れる電流が作る磁界を導出でき,また誘導起電力や電磁力を説明できる。有限長の電流,無限長の直線電流やソレノイドに流れる電流が作る磁界の導出方法を概説できる。有限長の電流,無限長の直線電流やソレノイドに流れる電流が作る磁界の導出方法を概説できない。
評価項目(ウ)マクスウェルの電磁方程式を説明でき,その式から平面電磁波の伝搬速度などを導出できる。マクスウェルの電磁方程式の意味と電磁波の性質を説明できる。マクスウェルの電磁方程式の意味と電磁波の性質を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
電磁気学は,力学と並んで工学・物理学の基本的な学問分野である。本講義では,まずクーロンの法則,ガウスの法則,および静電容量等を扱う。次に,ビオ・サバールの法則,アンペールの法則,インダクタンス,マクスウェルの電磁方程式,電磁誘導および電磁波を扱う。
授業の進め方・方法:
最初に本学科の内容の復習を兼ねて,静電現象および磁気現象の具体例から入り,これらの定量化,数式化を行い,その物理的意味の把握を通して抽象的な概念の理解を目指す。まず,クーロンの法則からガウスの法則に至り,電界・電位・誘電体・静電容量等について教授する。次に,ビオ・サバールの法則からマクスウェルの電磁方程式に至り,磁束・磁性体・インダクタンス・電磁誘導・電磁波等について教授する。
注意点:
本学科科目の電磁気学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの内容が修得されていることを前提として授業を進める。
(自学自習内容)授業内容に該当する項目について,教科書「演習電気磁気学」で予め調べてくること。特に予習が必要な項目は授業内容に記載してある。また,授業内容に関連する課題を毎回提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則:電荷を動かす仕事,電界の強さ(予習:クーロン力) 電荷に働く力や電界の強さを微積分等によって導出できる。
2週 ガウスの法則:球状電荷,円筒状電荷および面状電荷が作る電界の求め方(予習:電気力線と電界の関係) 分布状電荷や電気二重層・電気双極子が作る電界の強さおよび電位を説明できる。
3週 電気二重層(予習:電気双極子が作る電位と電界) 分布状電荷や電気二重層・電気双極子が作る電界の強さおよび電位を説明できる。
4週 静電容量:各種導体系のキャパシタンス,誘電体(予習:キャパシタンスの導出方法) 誘電体の性質を理解し,球・円筒・板状の各種コンデンサの静電容量を計算できる。
5週 静電容量:各種導体系のキャパシタンス,誘電体(予習:キャパシタンスの導出方法) 誘電体の性質を理解し,球・円筒・板状の各種コンデンサの静電容量を計算できる。
6週 ポアソンの方程式,影像法(鏡像法)(予習:接地面がある場合の電界の求め方) 電荷分布に特別な対称性が存在する場合や複雑な接地面がある場合の電界・電位の導出方法を概説できる。
7週 ポアソンの方程式,影像法(鏡像法)(予習:接地面がある場合の電界の求め方) 電荷分布に特別な対称性が存在する場合や複雑な接地面がある場合の電界・電位の導出方法を概説できる。
8週 電流の作る磁界(1):ビオ・サバールの法則,電磁力(予習:有限長直線電流の作る磁界) 有限長の電流が作る磁界を積分等によって計算できる。
4thQ
9週 電流の作る磁界(1):ビオ・サバールの法則,電磁力(予習:有限長直線電流の作る磁界) 有限長の電流が作る磁界を積分等によって計算できる。
10週 電流の作る磁界(2):アンペールの法則(予習:無限長直線電流の作る磁界) 無限長の直線電流やソレノイドに流れる電流が作る磁界の導出方法を概説できる。
11週 ファラデーの電磁誘導の法則:磁束の時間変化と誘導起電力の関係 磁束の変化によって生じる誘導起電力の大きさや電磁力を説明できる。
12週 インダクタンス:環状・無限長ソレノイド,その他のコイル,内部インダクタンス いろいろな形状のコイルのインダクタンスを計算できる。
13週 インダクタンス:環状・無限長ソレノイド,その他のコイル,内部インダクタンス いろいろな形状のコイルのインダクタンスを計算できる。
14週 マクスウェルの電磁方程式・電磁波(予習:ベクトル演算) マクスウェルの電磁方程式の意味と電磁波の性質を説明できる。
15週 マクスウェルの電磁方程式・電磁波(予習:ベクトル演算) マクスウェルの電磁方程式の意味と電磁波の性質を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
専門的能力502030100