到達目標
到達目標(ア) ニューロンの構造・情報処理・基本的性質、および、ニューロンのアナログモデルを理解できる。
到達目標(イ) 現代パーセプトロンにおける誤差逆伝搬学習法を理解できる。
到達目標(ウ) 力学系による最小値探索法の数学的原理を理解できる。
到達目標(エ) 学習認識機械、および、最小値探索機械のアルゴリズムをコーディングして具体的な問題に対して適用できる。
到達目標(オ) 具体的な力学系の問題に対して安定性を解析できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目(ア) | 現代パーセプトロンにおける誤差逆伝搬学習法を種々のパーセプトロンに適用し、それらのアルゴリズムをコーディングできる。 | 現代パーセプトロンにおける誤差逆伝搬学習法を理解できる。 | 現代パーセプトロンにおける誤差逆伝搬学習法を理解できない。 |
評価項目(イ) | 力学系による最小値探索法の数学的原理を理解し、そのアルゴリズムをコーディングできる。 | 力学系による最小値探索法の数学的原理を理解できる。 | 力学系による最小値探索法の数学的原理を理解できない。 |
評価項目(ウ) | 具体的な力学系の問題に対して、安定性を解析できる。 | 力学系の安定性を理解できる。 | 力学系の安定性を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 C2-4 「情報と計測・制御」に関する専門知識の修得
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力
教育方法等
概要:
本講義では、ニューラルネットワークを利用した機械学習に関して数学的原理を講究する。具体的には、学習認識機械、および、最小値探索機械へニューラルネットワークを利用した古典的な話題を取り上げる。まず、学習認識機械では、多層パーセプトロンの学習に用いられる誤差逆伝搬学習法のアルゴリズムを導出する。次に、最小値探索機械では、組合せ最適化問題の解法へニューラルネットワークから導出されるエネルギー関数と力学系を用いた理論を講述する。
授業の進め方・方法:
対面形式。ニューラルネットワークを用いた、学習認識機械、および、最小値探索機械に関する数学的原理を丁寧に解説する。演習課題として、各テーマで学習したアルゴリズムのコーディングを行う。なお、受講人数が10人未満の場合はゼミ形式(輪講形式)を行い、議論を活発にすることでより深い探求を行う。講義の特性上、場合によっては、ニューロコンピューティングに関連した別の話題を学習する予定である。
注意点:
本科および専攻科で学んだ微分積分学や線形代数学、確率を習得していることが望ましい。また、課題演習に際し、使用言語は問わないがプログラミングの基礎知識を要求する。
選択必修の種別・旧カリ科目名
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ニューロンの数学的モデル1 ニューロンの構造、基本的性質 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
ニューロンの構造・情報処理・基本的性質を理解できる。
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2週 |
ニューロンの数学的モデル2 ニューロンのアナログモデル (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
ニューロンのアナログモデルを理解できる.
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3週 |
学習認識機械:現代パーセプトロン1 現代パーセプトロンの数学的定義 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
現代パーセプトロンの数学的定義とパターンの数学定義を理解できる。
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4週 |
学習認識機械:現代パーセプトロン2 誤差逆伝搬学習法 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
誤差逆伝搬学習法の手法を理解することができる。
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5週 |
学習認識機械:現代パーセプトロン3 誤差逆伝搬学習法の演習 (自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること) |
種々のパーセプトロンに誤差逆伝搬学習法の手法を応用することができる。
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6週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題1 巡回セールスマン問題に対する目的関数の構成 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
巡回セールスマン問題は目的関数の最小値問題として扱うことができることを理解できる。
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7週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題2 8クイーン問題に対する目的関数の構成 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
8クイーン問題は目的関数の最小値問題として扱うことができることを理解できる。
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8週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題3 組合せ的関数の定義と多重一次形式 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
組合せ的関数の定義を学び、組合せ的関数は常に多重一次形式であることを理解できる。
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4thQ |
9週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題4 組合せ的関数の極小値、組合せ的関数から導出されるエネルギーと力学系 (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
組合せ的関数の極小値、組合せ的関数から導出されるエネルギーと力学系の性質を理解できる。
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10週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題5 力学系の安定性入門 (自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること) |
力学系の平衡点の漸近安定性の定義を理解し、非線形力学系の平衡点の漸近安定性は、その平衡点まわり線形化近似によって得られる係数行列の固有値により決定されることを理解できる。
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11週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題6 力学系の安定性の演習 (自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること) |
具体的な力学系の安定性を解析できる。
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12週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題7 組合せ的関数から導出されるエネルギーと力学系、最小値探索と力学系の漸近安定点との関係 (自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること) |
組合せ的関数から導出されるエネルギーと力学系、組合せ的関数の最小値と力学系の漸近安定点との関係性を理解できる。
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13週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題8 組合せ的関数の最小値探索のアルゴリズムと常微分方程式の数値計算 (自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること) |
組合せ的関数の最小値探索のアルゴリズム、および、それに必要な常微分の数値計算法を理解できる。
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14週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題9 ニューラルネットが作る力学系とエネルギー (自学自習内容:授業内容の予習・復習を行うこと) |
二次目的関数の最小値問題をニューラルネットで近似的に扱えること理解できる。
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15週 |
最小探索機械:組み合わせ的最適化問題10 二次目的関数の最小値と力学系の漸近安定点との関係 (自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること) |
二次目的関数から導出される力学系の漸近安定性と二次目的関数の最小値との関係性を理解できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 60 | 100 |
専門的能力 | 40 | 60 | 100 |