解析力学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 解析力学
科目番号 91011 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻C 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「理・工基礎 解析力学」 田辺 行人・品田 正樹 著(裳華房)
担当教員 榎本 貴志

到達目標

(ア)簡単な系について,仮想仕事の原理を用いて,系のつり合いの条件を調べることができる。
(イ)系の安定・不安定を調べることができる。
(ウ)ダランベールの原理を使って,運動力学から静力学の視点に移すことができる。
(エ)簡単な系の運動について,ラグランジュの運動方程式を立て,求めることができる。
(オ)連成振動をする質点系について,ラグランジュの運動方程式を立て,基準振動数を評価できる。
(カ)物理的な意味を理解した上で,オイラーの微分方程式を使うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)仮想仕事の原理,およびダランベールの原理を用いて,系のつり合いの条件に関する応用問題を解くことができる。仮想仕事の原理,およびダランベールの原理を用いて,系のつり合いの条件に関する基礎的な問題を解くことができる。仮想仕事の原理,およびダランベールの原理を用いて,系のつり合いの条件に関する基礎的な問題を解くことができない。
評価項目(イ)ラグランジュの運動方程式を用いて,振動する系についての応用問題を解くことができる。ラグランジュの運動方程式を用いて,振動する系についての基礎的な問題を解くことができる。ラグランジュの運動方程式を用いて,振動する系についての基礎的な問題を解くことができない。
評価項目(ウ)オイラーの微分方程式を使って,極値問題に関する応用問題を解くことができる。オイラーの微分方程式を使って,極値問題に関する基礎的な問題を解くことができる。オイラーの微分方程式を使って,極値問題に関する基礎的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B1 数学・自然科学・情報技術の基礎を身につける
JABEE c 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
本講義では,解析力学を学ぶ。力学の大きな流れから言うと,解析力学は,ニュートン力学(古典力学)と量子力学の掛け橋的な立場にある。解析力学の一番の特徴は,系の運動を,運動力学といった視点から静力学という視点に移し変えて議論する点にある。また,質点系の位置・速度・加速度や力といった観点ではなく,質点系のエネルギという観点から,系を取り扱うという特徴もある。これにより,より複雑な質点系の運動を取り扱うことができるのである。
授業の進め方・方法:
各項目における理論的概要を解説した後,その手法に特化した演習を行う。また,この理解度を確認するために課題を設定する。
注意点:
古典力学をある程度理解しているという前提の上で,講義を行う。
自学自習内容:講義の内容について,毎回復習を行うこと。また,項目の節目において,理解度の確認のための課題を出すので,必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 仮想仕事の原理:
束縛力と既知力,仮想変位,仮想仕事の原理
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
力の分類(束縛力・既知力)ができ,仮想仕事の概念が説明
2週 仮想仕事の原理:
束縛力と既知力,仮想変位,仮想仕事の原理
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
簡単な系で,仮想変位を調べ,仮想仕事を求めることができる。
3週 仮想仕事の原理:
束縛力と既知力,仮想変位,仮想仕事の原理
(自学自習内容)授業内容の復習を行い,課題をやってくること.
既知力が保存力であるような系について,位置エネルギから仮想仕事を求めることができる。また,系の平衡の安定性について判別できる。
4週 ダランベールの原理:
ダランベールの原理と慣性力
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
ダランベールの原理を使って,運動学的視点から静力学的視点に写すことができる。
5週 ダランベールの原理:
ダランベールの原理と慣性力
(自学自習内容)授業内容を復習し,課題をやってくること.
定常状態にある系について,ダランベールの原理,および仮想仕事の原理を用いて,仮想仕事を求めることができ。
6週 ラグランジュの第一種運動方程式:
未定乗数法,ラグランジュの第一種運動方程式
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
簡単な系について,ラグランジュの未定乗数法を適応することができる。
7週 ラグランジュの第一種運動方程式:
未定乗数法,ラグランジュの第一種運動方程式
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
ラグランジュの第一種運動方程式を用いて,具体的な運動方程式を求め,それを解くことができる。
8週 ラグランジュの第二種運動方程式:
一般座標と一般化された力,ラグランジアン,ラグランジュの運動方程式
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
座標の一般化と,それに伴う力の一般化の概念が理解できる。
2ndQ
9週 ラグランジュの第二種運動方程式:
一般座標と一般化された力,ラグランジアン,ラグランジュの運動方程式
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
座標の一般化に応じて,仮想仕事の原理の式を書き換えることができる。
10週 ラグランジュの第二種運動方程式:
一般座標と一般化された力,ラグランジアン,ラグランジュの運動方程式
(自学自習内容)授業内容を復習し,課題をやってくること.
1個の質点から成る振動系について,ラグランジュの第2種運動方程式を用いて運動方程式を立て,それを解くことができる。
11週 ラグランジュの運動方程式応用:
質点系の取扱い,連成振動,連成振り子
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
2個以上の質点が作用し合いながら振動する系について,第2種運動方程式を用いて運動方程式を立て,それを解くことができる。
12週 ラグランジュの運動方程式応用:
質点系の取扱い,連成振動,連成振り子
(自学自習内容)授業内容を復習し,課題をやってくること.
連成振動系の基準振動を求め,それぞれの振動モードに対する振動現象を理解することができる。
13週 変分法:
変分法,オイラーの微分方程式
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
物理量の極値を求めるに当たり,オイラーの微分方程式をどのように使うか説明できる。
14週 変分法:
変分法,オイラーの微分方程式
(自学自習内容)授業内容を復習し,課題をやってくること.
歴史上有名な諸問題(最速降下線など)について,オイラーの微分方程式がどのように使われているか説明することができる。
15週 ハミルトンの原理:
ラグランジュ関数,ハミルトンの原理
(自学自習内容)授業内容の復習を行うこと.
束縛条件の下での極値問題の取り扱いの仕方について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合5050100
分野横断的能力5050100