水文学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 水文学
科目番号 94015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻C 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない/適宜プリントを配布する。
担当教員 江端 一徳

到達目標

(ア)降水の発生原因と分布について説明できる。
(イ)蒸発と蒸散のメカニズムを理解し、代表的な推定式で計算できる。
(ウ)ホートン式、フィリップ式、コスティアコフ式、グリーンアンプ式を理解し、浸透量・率の計算ができる。
(エ)洪水の流出過程を理解し、流出成分の分離ができる。
(オ)キネマティックモデル、単位図法、タンクモデル法、貯留関数法を理解し、流出予測計算の基礎を身につける。
(カ)ポテンシャル流におけるラプラス方程式とデピューの準一様流、不飽和流におけるリチャーズ式を理解する。
(キ)確率紙を用いた降水量や洪水量の頻度解析ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安実到達レベルの目安
蒸発と蒸散蒸発と蒸散のメカニズムを理解し、代表的な推定式で計算できる。異なる水文条件下での蒸散推定式の適用ができる。蒸発と蒸散のメカニズムを理解し、代表的な推定式で計算できる。蒸発と蒸散のメカニズムを理解できない。
流出解析洪水の流出過程を理解し,単位図法,貯留関数法,タンクモデル法等代表的な流出推定法を理解し,各々について正確に流出計算ができる。洪水の流出過程を理解し,単位図法,貯留関数法,タンクモデル法等代表的な流出推定法を理解する洪水の流出過程は理解しているが,等代表的な流出推定法を理解できない。
統計水文統計水文の基礎を理解し,正規分布と対数正規分布を異なる水文条件下で適用できる。頻度解析に習熟する。統計水文の基礎を理解し,正規分布と対数正規分布の適用ができる。頻度解析ができる。統計水文の基礎である代表的な確立密度関数が理解できず,水文流出計算への適用が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
水文学は、地球上の水の発生、循環、分布および物理的・化学的特性に至る地球の水循環に関するあらゆる現象を包括した学問である。本講義を通じて、地球と流域・地域の水循環メカニズムを科学的に理解し、人間生活に必要な水資源管理や水工学の技術的な手法を修得する。この科目は、民間企業で上下水道施設の設計に携わっていた者が担当する。
授業の進め方・方法:
授業は配布プリントを使用して行う。
注意点:
毎回、関数電卓を用意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水文学的水循環:グローバル水循環とメソスケール水循環,さまざまな水文量(自学自習内容:住んでいる地域の水文量を調べる) 降水の発生原因と分布について説明できる。
2週 蒸発散:水収支と熱収支,蒸発散推定モデル(自学自習内容:蒸発散のメカニズムについてまとめる) 蒸発と蒸散のメカニズムを理解し、代表的な推定式で計算できる。
3週 蒸発散:水収支と熱収支,蒸発散推定モデル(自学自習内容:蒸発散の推定式の導出を復習する) 蒸発と蒸散のメカニズムを理解し、代表的な推定式で計算できる。
4週 蒸発散:水収支と熱収支,蒸発散推定モデル(自学自習内容:蒸発散の推定式を用いた演習課題を解く) 蒸発と蒸散のメカニズムを理解し、代表的な推定式で計算できる。
5週 降水:降雨発生過程と降水量の観測(自学自習内容:降水の発生過程と観測方法についてまとめる) 降水の発生原因と分布について説明できる。
6週 地表流の基礎:ハイドログラフと流量の観測(自学自習内容:流出成分分離の演習課題を解く) 洪水の流出過程を理解し、流出成分の分離ができる。
7週 流出モデル:合理式,単位図法,貯留関数,タンクモデル,キネマティックウエイブモデル(自学自習内容:各流出モデルについてまとめる) キネマティックモデル、単位図法、タンクモデル法、貯留関数法を理解し、流出予測計算の基礎を身につける。
8週 流出モデル:合理式,単位図法,貯留関数,タンクモデル,キネマティックウエイブモデル(自学自習内容:流出モデルを用いた流出計算問題を解く) キネマティックモデル、単位図法、タンクモデル法、貯留関数法を理解し、流出予測計算の基礎を身につける。
2ndQ
9週 流出モデル:合理式,単位図法,貯留関数,タンクモデル,キネマティックウエイブモデル(自学自習内容:流出モデルを用いた流出計算問題を解く) キネマティックモデル、単位図法、タンクモデル法、貯留関数法を理解し、流出予測計算の基礎を身につける。
10週 地中流出:飽和流と不飽和流,ポテンシャル流,リチャーズ式,浸透,地中流観測(自学自習内容:ポテンシャル流におけるラプラス方程式について復習する) ポテンシャル流におけるラプラス方程式とデピューの準一様流、不飽和流におけるリチャーズ式を理解する。
11週 地中流出:飽和流と不飽和流,ポテンシャル流,リチャーズ式,浸透,地中流観測(自学自習内容:不飽和流におけるリチャーズ式について復習する) ポテンシャル流におけるラプラス方程式とデピューの準一様流、不飽和流におけるリチャーズ式を理解する。
12週 地中流出:飽和流と不飽和流,ポテンシャル流,リチャーズ式,浸透,地中流観測(自学自習内容:浸透式についての計算課題を解く) ホートン式、フィリップ式、コスティアコフ式、グリーンアンプ式を理解し、浸透量・率の計算ができる。
13週 河道洪水追跡計算:水文学的手法(自学自習内容:マスキンガム法について復習する) マスキンガム法による河道流追跡計算ができる。
14週 水文量の確率統計解析:リターンピリオド,水文頻度解析,時系列解析(自学自習内容:リターンピリオドについて復習する) 統計水文の基礎を理解し,正規分布と対数正規分布の適用ができる。
15週 水文量の確率統計解析:リターンピリオド,水文頻度解析,時系列解析(自学自習内容:確率紙を用いた水文頻度解析の演習課題を解く) 確率紙を用いた降水量や洪水量の頻度解析ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テスト課題合計
総合評価割合503020100
専門的能力503020100