建築学計測実験

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築学計測実験
科目番号 94033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻A 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:6
教科書/教材 特に指定しない/プリント等
担当教員 鈴木 健次,今岡 克也

到達目標

(ア)計測機器の役割や使い方を理解し,建物模型の振動台実験の補助ができる。
(イ)パソコンを用いて,計測された波形データからフーリエスペクトルを求めることができる。
(ウ)パソコンを用いて,計測された2つの波形データから伝達関数(振幅比と位相差関数)を求めることができる。
(エ)計測機器の役割や使い方を理解し,建物や地盤の常時微動測定の補助ができる。
(オ)スエーデン式サウンディング装置を用いて,地盤の支持力調査の補助ができる。
(カ)パソコンやデータロガーを用いた連続測定ができる。
(キ)パソコンを用いて,測定値に基づいた室内外の熱環境の評価ができる。
(ク)パソコンを用いて,人体の熱収支計算ができる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)振動実験などで得られた波形から建物の固有振動数を求めることができ、方向による差を説明できる振動実験などで得られた波形から建物の固有振動数を求めることができる振動実験などで得られた波形から建物の固有振動数を求めることができない
評価項目(イ)スエーデン式サウンディング試験の結果を表示することができ、支持力の説明ができるスエーデン式サウンディング試験の結果を表示することができるスエーデン式サウンディング試験の結果を表示することができない
評価項目(ウ)屋内外の温熱環境要素をオンラインで測定でき、人体に与える影響の評価ができる屋内外の温熱環境要素をオンラインで測定できる屋内外の温熱環境要素をオンラインで測定できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 建築分野の実社会に必要で役立つ知識や技術を応用して問題を解決する能力を修得する。
学習・教育到達度目標 C1 実験・実習を通して、計測技術やデータ分析法、報告書作成能力を修得する。
JABEE c 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE h 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
本校教育目標 ② 基礎学力
本校教育目標 ③ 問題解決能力

教育方法等

概要:
地震活動が高い地域に建物を設計する場合には、地震に対する安全性能を明確にして、施主や利用者に説明する義務が生じる。また、建物の設計や空気調和の設計では、身の回りの温熱環境のメカニズムを理解し、目的に合わせた快適空間に制御できることが重要である。この授業では、はじめに建物模型や実建物を対象として、水平振動台や水平起振機や常時微動などによる振動波形をセンサーにより計測して収録し、フーリエ解析などを用いて固有振動数や固有モード等を求め、振動理論等に基づいて実験結果を検証する。次に、居住者である人体の温熱による生理反応の計測方法を学ぶとともに、温熱環境が居住者に与える影響を確認する。
授業の進め方・方法:
はじめに、資料に基づいて実験の概要を説明し、次に実験器材の使用方法や注意点などを説明しながら担当者に使用してもらう。実験する場所に移動して、実験を行い、データをパソコン等に収録する。最後に、収録データを解析して結果をグラフや表に表示して、考察を行って、レポートにまとめる。
注意点:
本科の建築振動学で学習した内容は理解したものとして授業を進める

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 テーブルの常時微動測定     :加速度計,レコーダー,フーリエ解析,固有振動数,固有モード 加速度計やアンプ、レコーダーなどを操作することができ,フーリエ解析が説明できる
2週 テーブルの常時微動測定     :加速度計,レコーダー,フーリエ解析,固有振動数,固有モード 常時微動測定による波形をフーリエ解析して、テーブルの固有振動数を求めることができる
3週 4階建RC建物の常時微動測定 :常時微動計,伝達関数,固有振動数,固有モード 微動の測定波形から建物の固有振動数と固有モードを求めることができ、方向による差を説明できる
4週 4階建RC建物の常時微動測定 :常時微動計,伝達関数,固有振動数,固有モード 微動の測定波形から建物の固有振動数と固有モードを求めることができ、方向による差を説明できる
5週 1/50建物模型の水平振動台実験 :スイープ加振,ねじれ振動,伝達関数,固有振動数,固有モード スイープ加振実験の波形から固有振動数と固有モード求めることができ、方向による差を説明できる
6週 1/50建物模型の水平振動台実験 :スイープ加振,ねじれ振動,伝達関数,固有振動数,固有モード スイープ加振実験の波形から固有振動数と固有モード求めることができ、ねじれ振動を説明できる
7週 2層建物の水平起振実験   :スイープ加振,ねじれ振動,伝達関数,固有振動数,固有モード 2階建物の人力加振実験による振動の測定ができ、方向による固有振動数の差を説明ができる
8週 2層建物の水平起振実験   :スイープ加振,ねじれ振動,伝達関数,固有振動数,固有モード 2階建物の水平起振実験による振動の測定ができ、ねじれ振動による振幅の差を説明ができる
2ndQ
9週 表層地盤のスエーデン式サウンディング試験 :自沈重量,回転数,換算N値 スエーデン式サウンディング試験の結果を表示することができ、支持力の説明ができる
10週 表層地盤のスエーデン式サウンディング試験 :自沈重量,回転数,換算N値 採取した土の基本量を求めることができ、ふるい分け試験により土の呼び名を説明できる
11週 外界気象の測定・解析:気温,湿度,風向,風速,降雨量,日射量,日照時間(課題:温熱環境測定) 屋外環境、都市環境について説明でき、気象要素の測定ができる
12週 室内温熱環境変化の測定・解析:MRT,PMV,SET*(課題:温熱環境測定) 室内温熱環境の測定ができ、屋外環境との関係を説明できる
13週 室内温熱環境変化の測定・解析:MRT,PMV,SET*(課題:温熱環境測定) 室内温熱環境の測定ができ、屋外環境との関係を説明できる
14週 人体における熱収支の測定・解析:体温,代謝量,放熱量 蒸発熱量(課題:人体熱収支) 人体の体温および放熱量の測定ができ、室内温熱環境との関係を説明できる
15週 人体における熱収支の測定・解析:体温,代謝量,放熱量 蒸発熱量(課題:人体熱収支) 人体の体温および放熱量の測定ができ、室内温熱環境との関係を説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100