ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 95012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報科学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「ディジタル信号処理システムの基礎」 渡部英二著(森北出版株式会社) ISBN: 978-4-627-78571-7/"Digital Signal Processing" Alan V. Oppenheim & Ronald W. Schafer (Prentice Hall International) ISBN: 978-0132146357
担当教員 安藤 浩哉

到達目標

(ア)アナログ信号のディジタル信号処理システムのブロック図の構成要素とその役割を説明できる。
(イ)伝達関数から、周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算できる。
(ウ)基本的なDSP の構成とその働きを説明できる。
(エ)インパルス関数等の基本的な関数のz変換を求めることができる.また、その逆z変換を求めることができる。
(オ)ディジタルフィルタを設計できる。
(カ)離散フーリエ変換あるいは高速フーリエ変換して信号のスペクトルを求めるアルゴリズムを理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安 (優)標準的な到達レベルの目安 (可)未到達レベルの目安 (不可)
評価項目1FIRフィルタやIIRフィルタの伝達関数を示して周波数特性を計算することができる。相加平均を利用した簡単なFIRフィルタの伝達関数を示して周波数特性を計算することができる。伝達関数から周波数特性を計算することすらできない。
評価項目2z変換や逆z変換を計算することができる。インパルス関数等の基本的な関数についてのz変換や逆z変換を計算することができる。インパルス関数等の基本的な関数についてのz変換すら計算することができない。
評価項目3離散フーリエ変換や高速フーリエ変換して信号のスペクトルを求める手順を説明できる。離散フーリエ変換して信号のスペクトルを求める手順を説明できる。離散フーリエ変換して信号のスペクトルを求める手順を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A3 コンピュータネットワークの動作を通信理論の観点から数理的に解析できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
コンピュータがネットワークで接続された情報化社会では、音声情報や映像信号などのほとんど全ての情報がディジタル化されており、その通信、加工、処理、蓄積が、コンピュータなどを使ってディジタル信号処理される。ディジタル信号処理では、プログラムでその処理内容を記述することができるため、システム機能の拡充や改良が容易であり、システムの汎用化やコストパフォーマンスの向上を達成できる。本講義では、このようなディジタル信号処理について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義では、離散時間システムを考える時に役立つz変換について学び、ディジタルフィルタの設計やDSP のプログラミングなどを通して、ディジタル信号処理の実践的な技術や知識を習得する。
注意点:
「情報科学」教育プログラムの必修科目である。講義や試験では関数電卓を使用する場合があるので持参すること。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。また、授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いた授業説明、ディジタル信号処理の概念、ディジタル信号処理の特徴(予習:ディジタル信号処理の特徴) ディジタル信号処理の概念、ディジタル信号処理の特徴を説明できる。
2週 LTI システム、連続時間関数の表現と離散時間関数の表現、デルタ関数、ステップ関数(予習:LTI システム、連続時間関数、離散時間関数) デルタ関数、ステップ関数、畳込みについて、連続時間関数表現と離散時間関数表現のそれぞれで説明できる。
3週 入力と出力とインパルス応答の関係、畳込み、DSP(予習:畳込み、DSP) 入力と出力とインパルス応答の関係が畳込みで表現できることを説明することができる。DSPについて簡単に説明できる。
4週 FIRシステムとIIRシステム(予習:FIR、IIR) FIRシステムとIIRシステムとの違いを説明することができる。
5週 FIRシステムとその周波数特性 FIRシステムの伝達関数から,周波数特性(振幅特性,位相特性)を計算できる。
6週 IIRシステムとその周波数特性 簡単なIIRシステムの周波数特性を計算で求めることができる。
7週 ディジタルフィルタ(FIRフィルタ)の設計(予習:FIRフィルタ) 簡単なディジタルフィルタ(FIRフィルタ)を設計することができる。
8週 z変換の定義、z変換の簡単な例、時間軸推移に関するz変換、畳込み和に関するz変換(予習:z変換) z変換の定義やその簡単な例を説明でき、時間軸推移に関するz変換や畳込み和に関するz変換について計算できる。
2ndQ
9週 sinやcosのz変換、減衰するsinやcosのz変換、z変換とブロック図との関連性 sinやcosのz変換、減衰するsinやcosのz変換、z変換とブロック図との関連性について説明をすることができる。
10週 システムの伝達関数とブロック図とインパルス応答 システムの伝達関数とブロック図とインパルス応答について説明できる。
11週 フーリエ級数展開や離散時間関数のフーリエ変換、連続時間信号の標本化、標本化信号のスペクトル、エイリアシング(予習:標本化、エイリアシング) フーリエ級数展開や離散時間関数のフーリエ変換について説明できる。
12週 伝達関数のインパルス応答とバタワース特性のローパスフィルタの伝達関数 伝達関数のインパルス応答とバタワース特性のローパスフィルタの伝達関数を説明できる。
13週 インパルス変換法によるディジタルフィルタ(IIRフィルタ)の設計(予習:IIRフィルタ) インパルス変換法を用いて簡単なディジタルフィルタ(IIRフィルタ)を設計することができる。
14週 DFT(離散フーリエ変換)の説明と計算結果の意味(予習:DFT) DFT(離散フーリエ変換)とその計算結果の意味を説明できる。
15週 周波数間引き型FFT(高速フーリエ変換)と時間間引き型FFTの説明(予習:FFT、周波数間引き、時間間引き) 周波数間引き型FFT(高速フーリエ変換)と時間間引き型FFTの説明をできる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100