数理論理学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 数理論理学
科目番号 95024 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報科学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない.
担当教員 米澤 佳己

到達目標

(ア)数学における基本的記号の意味を理解する。
(イ)原始帰納的関数の定義を理解し,原始帰納的関数であることの判定ができる。
(ウ)アッカーマン関数の定義を理解し,帰納的関数の定義を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)数学における基本的記号の意味を理解し,簡単な応用ができる。数学における基本的記号の意味を理解できる。数学における基本的記号の意味を理解できない。
評価項目(イ)原始帰納的関数の定義を理解し,原始帰納的関数の判定ができる。原始帰納的関数の定義を理解できる。原始帰納的関数の定義を理解できない。
評価項目(ウ)帰納的関数の定義を理解でき,帰納的関数の簡単な性質を理解できる。帰納的関数の定義を理解できる。帰納的関数の定義を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
数学における計算の概念をより厳密に扱い,計算とは何をすることなのか,計算可能な関数とは何か等を考察する。 具体的な例を挙げながら計算可能の概念を理解し,その基本的性質を調べる。 また弱い意味での計算可能性の概念を定義し計算可能であるが弱い意味では計算可能でない関数の例を挙げる。最後に計算可能性に関する重要な定理を証明し,その結果として計算可能でない関数の例も与える。
授業の進め方・方法:
講義による概念や性質の説明と演習により授業を行う.
注意点:
(自学自習内容) 毎回授業内容に沿った問題を宿題として提出するので,必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数学の基本的な記号,概念の解説 数学の基本的な記号,概念を理解する。
2週 色々な計算の例 色々な計算の例を理解する。
3週 論理式の定義と基本的な扱い 論理式の定義と基本的な性質を理解する。
4週 数学的帰納法,累積帰納法について (課題: 帰納法による証明) 数学的帰納法,累積帰納法を理解し,簡単な証明ができる。
5週 原始帰納的関数の定義 (課題: 簡単な原始帰納的関数の計算) 原始帰納的関数の定義を理解する。
6週 原始帰納的関数の様々な例と性質 (課題: 原始帰納的関数の簡単な性質の確認) 原始帰納的関数の様々な例と性質を理解する。
7週 原始帰納述語,原始帰納的集合 (課題: 原始帰納的述語, 集合の性質の確認) 原始帰納述語,原始帰納的集合の定義を理解する。
8週 演習 論理式,原始帰納的関数などの簡単な問題を解けるようになる。
2ndQ
9週 アッカーマン関数の定義と性質 アッカーマン関数の定義と性質を理解する。
10週 アッカーマン関数が原始帰納的関数でないことの証明 (課題: アッカーマン関数の色々な性質の確認) アッカーマン関数が原始帰納的関数でないことの証明を理解する。
11週 一般帰納的関数の定義と性質 一般帰納的関数の定義と性質を理解する。
12週 部分関数,部分帰納的関数の定義と性質 (課題: 部分帰納的関数の計算) 部分関数,部分帰納的関数の定義と性質を理解する。
13週 簡易計算可能言語TPLの定義とTPLプログラムの例 (課題: TPL プログラムの例) 簡易計算可能言語TPLの定義を理解する。
14週 部分帰納的関数のTPL言語によるシュミレーション 部分帰納的関数のTPL言語によるシュミレーションを理解する。
15週 枚挙定理,帰納定理の証明,部分帰納的関数でない関数の例 (課題:枚挙定理, 帰納定理の簡単な応用) 枚挙定理,帰納定理の証明,部分帰納的関数でない関数の例を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合5050100
専門的能力5050100