到達目標
(ア)知識共有化のモデルであるSECIプロセスを通して,情報技術から見た「知識情報処理」について理解し,その応用の可能性および問題点について説明できる。
(イ)ヒトの「知識情報処理」をコンピュータで取り扱う場合の問題点について,簡単なモデルを通して理解することで,工学的応用の立場から考察できる。
(ウ)集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
ルーブリック
| 最低限の到達レベルの目安(可) |
評価項目(ア) | 知識共有化のモデルであるSECIプロセスを通して,情報技術から見た「知識情報処理」について理解し,その応用の可能性および問題点について説明できる。 |
評価項目(イ) | ヒトの「知識情報処理」をコンピュータで取り扱う場合の問題点について,簡単なモデルを通して理解することで,工学的応用の立場から考察できる。 |
評価項目(ウ) | 集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
ヒトが行っている知識処理を工学的に実現することは,情報処理工学の目的の一つであり,コンピュータシステムの構築において,構成要素およびインターフェースを実現する上で重要な役割を果たしていると言えるが,極めて困難な問題でもある。本講義ではまず,ヒトの知識処理メカニズムのコンピュータ上への実現可能性について考察する。また,最近注目されているナレッジマネジメントを中心に,社会における知識の活用・共有化に向けての取り組み事例について考える。さらに,「集合知プログラミング」と呼ばれるインターネット上の多様な情報を集約するための各種アルゴリズムについて学び,実際にプログラムとして知識処理を実現する演習を行う。
授業の進め方・方法:
注意点:
継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。授業内容について、決められた期日までの課題提出を求める。「情報科学」教育プログラムの必修科目である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
「知識情報工学」とは何か?(シラバス説明,「情報」および「知識」の定義,知識情報処理の定式化) |
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2週 |
知識の共有化・体系化(暗黙知と形式知,SECIプロセス,オントロジー) |
知識共有化のモデルであるSECIプロセスを通して,情報技術から見た「知識情報処理」について理解し,その応用の可能性および問題点について説明できる。
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3週 |
ナレッジマネジメント(SECIプロセスとの関係,情報技術による発想支援,アウェアネス支援) |
知識共有化のモデルであるSECIプロセスを通して,情報技術から見た「知識情報処理」について理解し,その応用の可能性および問題点について説明できる。
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4週 |
ナレッジマネジメントの応用(グループウェア,技術経営,テクノストックモデル) |
知識共有化のモデルであるSECIプロセスを通して,情報技術から見た「知識情報処理」について理解し,その応用の可能性および問題点について説明できる。
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5週 |
情報と人間の関わりの認知心理学1(認知心理学とコンピュータ,記憶,基準/スキーマ) |
ヒトの「知識情報処理」をコンピュータで取り扱う場合の問題点について,簡単なモデルを通して理解することで,工学的応用の立場から考察できる。
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6週 |
情報と人間の関わりの認知心理学2(ヒューマンエラー,人工知能とヒトの知能) |
ヒトの「知識情報処理」をコンピュータで取り扱う場合の問題点について,簡単なモデルを通して理解することで,工学的応用の立場から考察できる。
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7週 |
データマイニングと機械学習(パースの知識発見モデル,遺伝的アルゴリズム,ファジイ論理) |
ヒトの「知識情報処理」をコンピュータで取り扱う場合の問題点について,簡単なモデルを通して理解することで,工学的応用の立場から考察できる。
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8週 |
集合知プログラミング(1):多次元情報を可視化する(1) ― 基本統計量とグラフ |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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4thQ |
9週 |
集合知プログラミング(2):多次元情報を可視化する(2) ― 主成分分析,多次元尺度法 |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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10週 |
集合知プログラミング(3):多次元情報を可視化する(3) ― 自己組織化マップ(SOM) |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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11週 |
集合知プログラミング(4):類似したもの同士をグループとしてまとめる(クラスタリング) ― デンドログラム,k-平均法 |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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12週 |
集合知プログラミング(5):あらかじめわかっているクラスに分類する(1) ― 線形判別,マハラノビスの距離,k-最近傍法 |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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13週 |
集合知プログラミング(6):あらかじめわかっているクラスに分類する(2) ― ベイズ判別,サポートベクタマシン(SVM) |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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14週 |
集合知プログラミング(7):頻出するパターンを見つける(相関ルール) ― アプリオリ・アルゴリズム |
集合知プログラミングにおける各手法を理解し,プログラムとして実現できる。
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15週 |
まとめ(情報技術と知識) |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | プログラミング演習 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 20 | 30 | 100 |
専門的能力 | 50 | 20 | 30 | 100 |