物理2

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物理2
科目番号 0032 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教育 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大日本図書 柴田、勝山、他著 初歩から学ぶ基礎物理学 力学Ⅰ / 大日本図書 柴田、勝山、他著 初歩から学ぶ基礎物理学 熱・波動 / 数研出版 数研出版編集部編 改訂版 リードα物理基礎・物理 / 東京書籍編集部 レッツトライノート物理基礎 力学編
担当教員 冨澤 明

到達目標

 物理学の学習を通じて、自然現象を系統的、論理的に考えていく能力を養い、広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方、考え方を身につけること。さらに、物理学は科学技術を学ぶための極めて重要な基礎であり、多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識すること。以上を基本目標とする。
 物理2では、(1)物体の運動や波動に関する様々な現象を、物理法則と関連づけて考えることができる、(2)物体の運動に関する基礎的な計算をすることができる、(3)粒子性と波動性の違いを理解し、波動に関する基礎的な計算をすることができる、ことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理学の理論に沿って自然現象を説明できる。物理学の理論に沿って自然現象を考えることができる。物理学の理論に沿って自然現象を考えることができない。
評価項目2数式の意味を説明できる。数式の意味を知っている。数式の意味を知らない。
評価項目3物理に関する応用的な問題を解くことができる。物理に関する基礎的な問題を解くことができる。物理に関する問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 物体の運動に関する単元の中で力学的エネルギー保存則、等速円運動、単振動、万有引力の法則、および波動に関する単元について学ぶ。「力学的エネルギー保存則」や「単振動」、「音」、「光」など、自然現象を理解するだけでなく科学技術に応用する上で、極めて基礎的、かつ重要な内容が含まれている。物体の運動や波動に関する基礎的な計算ができるようになることが目標である。
授業の進め方・方法:
 自学自習を柱として、授業は、講義と演習、実験・実習から成る。主に講義と演習により、自然への理解を深め、物理学に関する知識の習得を図る。
 物理2の学習においては、演習への積極的な取り組みが推奨される。演習の成績は、単元の学習目標への到達度を、学習者が客観的に確認するための一つの目安となる。
注意点:
・授業で課せられる演習問題や課題への解答の提出が求められる。演習問題の解答は満点を取るまで再提出のこと。
・授業の内容はノ-トに書き留めておくこと。学んだことを確認するのに役立ちます。疑問があれば,自分で調べ,考えてみよう。解決できなければ、校友と討論したり、あるいは担当教員に質問してください。練習問題を数多く解くのも一つの学習方法です。日々の学習努力が求められます。

・評価割合の項目別に、以下の評価が行われる。
「試験」は年間に4回実施される定期試験の成績である。
「ポートフォリオ」は演習解答、自己評価報告、課題報告、実験報告、CBTトライアル試験等の成績で構成される。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
力学的エネルギー(1)
シラバスの内容を説明することができる。
仕事と仕事率に関する計算ができる。
2週 力学的エネルギー(2) 物体の運動エネルギーに関する計算ができる。
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。
3週 力学的エネルギー(3) 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
4週 実験(1) 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。
安全を確保して、実験を行うことができる。
実験報告書を決められた形式で作成できる。
有効数字を考慮して、データを集計することができる。
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
5週 単振動・円運動(1) 等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。
6週 角運動量・剛体 力のモーメントを求めることができる。
角運動量を求めることができる。
角運動量保存則について理解し、具体的な例を挙げて説明できる。
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
7週 中間試験 既習領域の基礎問題を解くことができる。
8週 中間試験返却・解答
運動の法則
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
2ndQ
9週 単振動・円運動(2) 周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。
10週 単振動・円運動(3) 単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。
11週 実験(2) 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。
安全を確保して、実験を行うことができる。
実験報告書を決められた形式で作成できる。
有効数字を考慮して、データを集計することができる。
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
12週 万有引力(1) 万有引力の法則を説明し、物体間にはたらく万有引力を求めることができる。
13週 万有引力(2) 万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。
14週 温度と熱 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。
15週 期末試験 既習領域の基礎問題を解くことができる。
16週 期末試験返却・解答
演習(1)
既習領域の応用問題を解くことができる。
後期
3rdQ
1週 波の伝わり方と種類 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。
横波と縦波の違いについて説明できる。
2週 重ね合わせの原理と波の干渉(1) 波の独立性について説明できる。
波の重ね合わせの原理について説明できる。
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。
3週 重ね合わせの原理と波の干渉(2) 2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。
4週 実験(3) 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。
安全を確保して、実験を行うことができる。
実験報告書を決められた形式で作成できる。
有効数字を考慮して、データを集計することができる。
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
5週 波の反射・屈折・回折 ホイヘンスの原理について説明できる。
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。
6週 仕事と熱 動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。
ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
気体の内部エネルギーについて説明できる。
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。
7週 中間試験 既習領域の基礎問題を解くことができる。
8週 中間試験返却・解答
演習(2)
既習領域の応用問題を解くことができる。
4thQ
9週 音波・発音体(1) 共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。
10週 音波・発音体(2) 気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。
11週 音波・発音体(3) 一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。
12週 実験(4) 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。
安全を確保して、実験を行うことができる。
実験報告書を決められた形式で作成できる。
有効数字を考慮して、データを集計することができる。
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
13週 光波 自然光と偏光の違いについて説明できる。
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。
粒子性と波動性の違いを理解している。
14週 エネルギー エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。
熱機関について理解し、熱効率に関する計算ができる。
15週 期末試験 既習領域の基礎問題を解くことができる。
16週 中間試験返却・解答
演習(3)
既習領域の応用問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。1
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。1
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。1
角運動量を求めることができる。1
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。1
重心に関する計算ができる。1
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。1
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。1
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。1
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。1
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。1
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。1
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。1
気体の内部エネルギーについて説明できる。1
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。1
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。1
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。1
熱機関の熱効率に関する計算ができる。1
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。2
安全を確保して、実験を行うことができる。2
実験報告書を決められた形式で作成できる。2
有効数字を考慮して、データを集計することができる。2
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000