電気電子理論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子理論
科目番号 12201 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気・電子概論 (実教出版)/電気基礎 (上) トレーニングノート
担当教員 窪田 祥朗

到達目標

1.船舶において必要な電気工学、電子工学の基礎を築く。
2.関数電卓の基本的な使用方法を修得する。
3.オームの法則、キルヒホッフの法則を理解し、電気回路の回路解析の基礎を身につける。
4.電気回路解析で計算する際に関数電卓を活用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1キルヒホッフの法則により、回路解析ができる。オームの法則など、電気基礎理論を理解し、利用できる。オームの法則用いた計算ができない。
評価項目2交流回路のインピーダンス、電力計算ができる。交流回路と直流回路における計算方法法の違いを理解し、計算できる。交流回路と直流回路の違いを理解できない。
評価項目3電子回路を構成する半導体素子について、動作原理を理解し、説明できる。電子回路を構成する半導体素子について、理解できる。電子回路を構成する半導体素子について、理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気工学、電子工学の基礎となる理論を学習する。
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし、演習問題や課題を出して解答の提出を求める。
注意点:
・予習と既習事項の練習定着は基本的に受講者の責任である。
・授業には必ず関数電卓を持参。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスによる学修説明 この科目で学ぶべき内容を理解する
2週 電気の正体、関数電卓の使用法 電気の正体を知る。関数電卓を使用できる
3週 直流回路 1 直流回路の電圧と電流の意味を知る
4週 直流回路 2 オームの法則の計算ができる
5週 直流回路 3 抵抗の性質、直列回路と並列回路による違いを知る
6週 直流回路 4 キルヒホッフの法則を用いた計算ができる
7週 前期中間試験 前期中間試験
8週 直流回路 5 電力と熱エネルギーの計算ができる
2ndQ
9週 磁気回路 1 磁気に関するクーロンの法則を用いて計算できる
電流による磁界を理解する
10週 磁気回路 2 電磁力と直流電動機の関係を理解する
11週 磁気回路 3 電磁誘導と直流発電機の関係を理解する
12週 静電気 1 電界に関するクーロンの法則を用いて計算できる
13週 静電気 2 コンデンサの性質を理解できる
14週 静電気 3 合成容量、コンデンサの電流、電圧を計算できる
15週 前期定期試験 前期定期試験
16週 試験の解答解説 試験の解答を理解する
後期
3rdQ
1週 交流回路 1 交流の基礎を理解する
2週 交流回路 2 R,L,C交流回路の電圧と電流の関係を理解する
3週 交流回路 3 R,L,Cの簡単な交流回路を計算できる
4週 交流回路 4 R,L,Cの交流回路を計算できる
5週 交流回路 5 共振を理解し、共振周波数を計算できる
6週 交流回路 6 単相交流、三相交流の電力計算ができる
7週 後期中間試験 後期中間試験
8週 電子回路 1 半導体とは何か知る
4thQ
9週 電子回路 2 ダイオードと整流回路を知る
10週 電子回路 3 トランジスタを知る
11週 電子回路 4 半導体素子にいくつかの種類があることを知る
12週 電子回路 5 トランジスタの増幅作用を知る
13週 電子回路 6 論理回路を知る
14週 電気工学、電子工学のまとめ 現在までの習得事項の確認
15週 定期試験 定期試験
16週 試験の解答解説 試験の解答を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。2
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。2
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。2
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。2
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。2
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。2
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。2
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。2
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。2
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。2
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。2
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。2
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。2
合成関数の導関数を求めることができる。2
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。2
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。2
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。2
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。2
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。2
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。2
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。2
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。2
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。2
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。2
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。2
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。2
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。2
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。2
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。2
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。2
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。2
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。2
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。2
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。2
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。2
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。2
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。2
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。2
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
純物質と混合物の区別が説明できる。2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2
同位体について説明できる。1
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。2
価電子の働きについて説明できる。2
原子のイオン化について説明できる。2
代表的なイオンを化学式で表すことができる。1
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。1
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。1
イオン式とイオンの名称を説明できる。1
イオン結合について説明できる。1
イオン結合性物質の性質を説明できる。1
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。1
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。1
金属の性質を説明できる。2
原子の相対質量が説明できる。1
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。1
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。1
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。1
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。1
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。1
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。1
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。1
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。1
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。1
中和反応がどのような反応であるか説明できる。1
中和滴定の計算ができる。1
酸化還元反応について説明できる。2
イオン化傾向について説明できる。2
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。1
ダニエル電池についてその反応を説明できる。1
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。2
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2
ファラデーの法則による計算ができる。2
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)電気電子工学直列回路、並列回路に流れる電流の計算ができる。3
電流と磁気の関係について説明できる。3
磁気回路の計算ができる。3
LCRを用いた交流回路の計算ができる。3
三相交流について説明できる。3
電動機の構造、原理を説明できる。3
電動機の巻線について説明できる。3
電動機の操作方法を説明できる。3
PN半導体について説明できる。3
整流回路の働き、使用方法について説明できる。3
増幅回路の働きについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600001030100
基礎的能力1500010025
専門的能力450000045
分野横断的能力000003030