海技実習

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 海技実習
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 端 艇 (本校作成) 船舶通信の基礎知識 (成山堂) 小型船舶操縦士実技教本 (財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会)
担当教員 片岡 高志,鎌田 功一,小島 智恵,鈴木 治,渡辺 幸夫,山野 武彦,北村 健一,広瀬 正尚,山田 智貴

到達目標

1. 端艇に関する船体構造やとう漕方法、操縦方法、各種号令を体得し、海上で必要な協調性や忍耐力を身につける。
2. 各種小艇を操縦することにより小型船舶の運用を体得する。また海技に関する一般的な知識、技能、技術を理解・習得する。
3. 船舶職員として要求される各種通信法について学習し習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1端艇の操船方法を理解し、他人を的確に指揮できる。端艇の操船方法を理解し、説明できる。端艇の操船方法を説明できない。
評価項目2ロープワークの基本的な結索方法を習得し、用途に合わせて使用ができる。基本的なロープワークが理解でき、実際に結索ができる。基本的なロープワークができない。
評価項目3通話表および国際信号旗を理解し、実際に活用ができる。通話表および国際信号旗について理解し、基本的な事項について説明できる。通話表および国際信号旗について覚えていない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (A2) 説明 閉じる
教育目標 (B2) 説明 閉じる
教育目標 (C2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業は実際に海に出て行うため、十分に安全に注意し実習に望むこと。
また、身だしなみや時間厳守については、厳しく注意するので留意すること。
実習中心ではあるが、必要に応じて筆記試験および実技試験を定期試験とは別に課す。
授業の進め方・方法:
1.授業内容については気象・海象の状態により変更することがあるので、教員の指示を適宜確認すること。
2.時間厳守(5分前行動)、服装の確認、心身の準備、実習に取り組む姿勢を怠らないこと。
注意点:
1.実習なので欠席はしないこと。(欠席者には卒業時に小型船舶の免許は与えられない場合があるので注意すること。)
2.筆記試験と実技試験の両方行う。各実技試験に合格しないと学年成績60点未満を付けることがある。
3.評価割合は学年成績のものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実習オリエンテーション 桟橋に来れる。
整列することができる。
実習中の安全を理解し、救命胴衣の確実な着用ができる。
2週 端艇の船体構造 端艇の各部名称を説明することができる。
3週 端艇のとう漕法(1) 端艇のとう漕ができる。
救命胴衣を1人で着用できる。
4週 端艇のとう漕法(2) 端艇のとう漕ができる。
5週 端艇のとう漕法(3) 端艇のとう漕ができる。
6週 端艇のとう漕法(4) 端艇のとう漕ができる。
7週 端艇のとう漕法(5) 端艇のとう漕ができる。
8週 端艇のとう漕法(6) 端艇のとう漕ができる。
2ndQ
9週 小型船舶の取扱い、基本操縦 小型船舶の基本操船(直進、変針、停止)ができる。
10週 小型船舶の応用操縦、2軸船の実技 2軸の小型船の操船ができる。
11週 端艇の帆走法(1) 端艇の帆走艤装ができる。
12週 端艇の帆走法(2) 端艇の帆走ができる。
13週 端艇の帆走法(3) 端艇の帆走ができる。
14週 端艇の帆走法(4) 端艇の帆走ができる。
15週 前期定期試験の返却及び解説
16週
後期
3rdQ
1週 端艇のとう漕法(7) 端艇のとう漕ができる。
2週 端艇のとう漕法(8) 端艇のとう漕ができる。
3週 端艇のとう漕法(9) 救命艇の操船について理解し、艇指揮および艇長として適切に行動できる。
4週 結索法 ロープを安全に取り扱うことができ、基本的な結索ができる。
5週 旗りゅう信号(1) 旗りゅう信号の文字と意味を説明することができる。
6週 旗りゅう信号(2) 旗りゅう信号の取扱いができる。
7週 無線のルール 無線使用時のルールを説明することができる。
8週 無線工学 電波の伝播を説明できる。
4thQ
9週 GMDSS (1) 鳥羽丸のGMDSS機器を説明できる。
10週 GMDSS(2) ナブッテックス電文の解釈ができる。
11週 重要通信 無線による重要通信方法および状況に応じた内容を送受信できる。
12週 通話表を用いた無線電話通信 1 通話表を用いた欧文送話・受話ができる。
13週 通話表を用いた無線電話通信 1 通話表を用いた和文送話・受話ができる。
14週 トランシーバ取り扱い トランシーバによる通信ができる。
15週 後期定期試験の返却及び解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の重ね合わせの原理について説明できる。1
波の独立性について説明できる。1
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。1
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。1
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。1
人文・社会科学国語国語常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。1
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。1
英語英語運用の基礎となる知識中学で既習の語彙の定着を図り、高等学校学習指導要領に準じた新出語彙、及び専門教育に必要となる英語専門用語を習得して適切な運用ができる。1
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。1
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。1
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。1
社会における技術者の役割と責任を説明できる。1
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。1
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。1
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。1
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。1
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。1
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。1
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。1
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。1
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。1
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。1
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)航海計器磁気コンパスのバウル、ビナクルの各部名称、構造、取扱いについて説明できる。1
ジャイロスコープの特性について説明できる。1
各種操舵法及び、取扱い(故障時の対応を含む)について説明できる。1
電磁ログの原理について説明できる。1
ドップラーログ及びソナーの原理について説明できる。1
音響測深器の原理について説明できる。1
船舶工学船の種類、主要目、船型、主要寸法について説明できる。1
船体に作用する応力について説明できる。1
船体の構造について説明できる。1
操船論船の速力、抵抗について説明できる。1
惰力と停止性能について、発動惰力と停止惰力の違いを説明できる。1
船舶が受ける風及び波浪の影響について説明できる。1
分野別の工学実験・実習能力商船系分野(航海)【実験・実習能力】練習船実習船内生活の特殊性を理解し、仲間と協力し、指示を受けた作業を安全に行うことができる。1
船舶儀礼(満船飾、船飾、船の儀礼式)について説明できる。1
航海計器等を運用し、航海に必要な情報を活用することができる。1
航海における気象観測の必要性を理解し、観測を行うことができる。1
入出港部署について理解し、実施できる。1
実験実習実験・実習の目標と取り組むに当たっての心構えについて説明できる。1
実験・実習する際の災害防止と安全確保のためにすべきことを説明できる。1
実験で行った内容をレポートにまとめることができる。1
整列及び人員確認、敬礼方法等、集団行動の基本を理解し、実践できる。4
端艇の各部名称及び漕艇号令を理解し、号令に従った操作をすることができる。4
基本的なロープワークを習得し、実際に結ぶことができる。4
レーダを操作して各種調整を行い、適切に表示することができる。1
船舶遭難時の生存維持の条件について説明できる。1
船舶に備え付けられている救命設備の使用方法について説明できる。1
非常事態を想定した船外への離脱を実践することができる。1
心肺停止者の発見からAEDを使用した心肺の蘇生を実施することができる。1
商船系分野(機関)【実験・実習能力】実験実習実験・実習の目標と、取り組むに当たっての心構えがわかる。1
実験・実習する際の災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。1
船舶に備わっている各種機器の構造と機能を説明できる。1
船舶を安全運航するにあたって注意すべき事項および心構えについて認識し、作業ができる。2
整列及び人員確認、敬礼方法等、集団行動の基本を理解し、実践できる。4
端艇の各部名称及び漕艇号令を理解し、号令に従った操作をすることができる。4
基本的なロープワークを習得し、実際に結ぶことができる。4
船舶遭難時の生存維持の条件について説明できる。1
船舶に備え付けられている救命設備の使用方法について説明できる。1
非常事態を想定した船外への離脱を実践することができる。1
心肺停止者の発見からAEDを使用した心肺の蘇生を実施することができる。1
内燃機関実験、蒸気工学実験、補助機械工学実験、電気工学実験、制御工学実験、材料力学実験、機械力学実験、設計工学実験などを行い、実験装置の操作、実験結果の整理・考察ができる。1
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2
法令やルールを遵守した行動をとれる。1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。1
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。1
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。1
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。1
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。1

評価割合

筆記試験発表相互評価態度・出席ポートフォリオ実技試験合計
総合評価割合40000060100
基礎的能力40000060100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000