航海システム論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 航海システム論
科目番号 0050 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 航海概論
担当教員 吉田 南穂子

到達目標

1.六分儀の原理と誤差及び使用法を理解している。
2.磁気コンパスを使用できる。
3.ジャイロコンパスの原理及び誤差について理解している。
4.各種ログの原理及びごさについて理解している。
5.操舵制御装置の原理と機能を理解している。
6.その他各種航海計器について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1六分儀の誤差を適切に修正できる六分儀の原理、誤差、使用法を説明できる六分儀の原理、誤差、使用法を説明できない
評価項目2自差測定ができ、自差修正が適当か判断できる自差及び偏差を説明でき、針路改正ができる自差及び偏差を説明でき、針路改正ができない
評価項目3誤差の原因及び修正法を説明できる指北原理が説明できる指北原理が説明できない
評価項目4各種ログの誤差を説明できる各種ログの測定原理が説明できる各種ログの測定原理を説明できない
評価項目5各種調整法を説明できるPDI制御及び適応オートパイロットの基本機能を説明できるPDI制御を説明できない
評価項目6衛星航法システムの誤差要因を説明できる衛星航法システムの測位原理を説明できる衛星航法システムの測位原理を説明できない
評価項目7各種航海計器について適切な情報を取得できる。各種航海計器について情報の取得方法を知っている。各種航海計器について情報を取得できない。
評価項目8AISの適切な使用方法を説明できる。AISの情報が取得できる。AISの使用方法が分からない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種航海計器の原理、精度を理解し説明できるように、必要な航海情報取得およびその利用について学ぶ。
また本授業は、三級海技士(航海)の国家試験レベルを最低限とし、二級海技士(航海)国家試験以上の内容も扱う。
授業の進め方・方法:
・ 授業は講義形式を基本として行う、講義中は集中して聴講し、講義ノートを取ること。
・ 配布される資料やプリントを使って、予習・復習を行い、講義ノートを補完した独自の自学自習ノートを作成すること。
注意点:
・確認プリントを都度実施するので、前回までの内容でわからない項目はできるだけなくしておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 航海システム序論 航海システムの意義について説明できる。
2週 ジャイロコンパスの特徴とジャイロスコープの特性・プレセッションと指北原理 ジャイロスコープの特性および指北原理について説明できる。
3週 ジャイロ軸の制振と静止点、ジャイロコンパスの誤差 ジャイロ軸の制振装置、ジャイロコンパスの各種誤差について説明できる。
4週 型式の異なるジャイロコンパスとコースレコーダー スペリー式やプラーツ式ジャイロコンパスの構造について説明できる。また、コースレコーダーの機能や役割について説明できる。
5週 操舵制御装置(自動操舵装置)の機能と構造および基本的制御 操舵制御装置の機能と構造について説明できる。
6週 自動操舵装置の各種操舵法および取り扱い・PID制御と各種調整 オートパイロットの各種操舵法について説明できる。オートパイロットの制御および各種調整について説明できる。
7週 ジャイロコンパスと自動操舵装置まとめ(中間試験) ジャイロコンパスやオートパイロットの三級海技試験問題レベルが解ける。
8週 磁気コンパスの各部名称、構造、取り扱い 磁気コンパスの各部名称、構造、取り扱いについて説明できる。
2ndQ
9週 磁石と地磁気の関係、偏差 地磁気および偏差、自差について説明できる。
10週 自差・自差測定法 自差修正方法について説明できる。
11週 自差係数とその原因、自差修正の概要 自差の原因、修正方法について説明できる。
12週 六分儀の構造と測角原理 六分儀の各部名称、測角原理について説明できる。
13週 六分儀の誤差と取扱い 六分儀の誤差の種類、取り扱い方法について説明できる。
14週 磁気コンパスと六分儀のまとめ(演習) 磁気コンパスや六分儀の三級海技試験問題レベルが解ける。
15週 期末試験
16週 前期講義内容まとめ ジャイロコンパス、オートパイロット・六分儀の三級や二級の海技試験レベルの問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 電磁ログの構造・原理 電磁ログの構造・電磁ログの原理について説明できる。
2週 電磁ログの各種誤差 電磁ログの各種誤差について説明できる。
3週 ドプラーソナーの原理と構造 ドップラーソナーの原理、構造について説明できる。
4週 ドプラーソナーの誤差と精度 ドップラーソナーの誤差、精度について説明できる。
5週 音響測深機の原理と構造 音響測深機の原理、構造について説明できる。
6週 音響測深機の誤差 音響測深偽の誤差について説明できる。
7週 電磁ログ・ドップラーソナー・音響測深機のまとめ(中間試験)
8週 AISの概要 AISの概要について説明できる
4thQ
9週 AISの作動・取り扱いおよびシステム構成 AISの作動、取り扱いおよびシステム構成について説明できる。
10週 AISの情報項目およびターゲットシンボル AISの情報項目、ターゲットシンボルについて説明できる。
11週 衛星航法システムの作動および取り扱い
衛星航法システムのシステム構成と測位原理
衛星航法システムの作動、取り扱いについて説明できる。
衛星航法システムのシステム構成、測位原理について説明できる。
12週 衛星航法システムの誤差と測位精度
衛星航法補強システムの概要
衛星航法補強システムの概要について説明できる。衛星航法システム誤差、測位精度について説明できる。
13週 その他航海計器(1) NBWAS、VDRについて説明できる。
14週 その他航海計器(2) ECDISなどその他航海計器について説明できる。
15週 期末試験
16週 各種航海計器のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前2,前5,後8
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3前2,前5
簡単な連立方程式を解くことができる。3前5,後8
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3前5
角を弧度法で表現することができる。3前8,前9
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前2
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前4,後1
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前14
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前14
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前8,前9
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前14
物体に作用する力を図示することができる。3前8
力の合成と分解をすることができる。3前9
慣性の法則について説明できる。3前9
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前9
運動方程式を用いた計算ができる。3前9,前12
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前9
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前9
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前9
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前9
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前9
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前14,後3,後5,後6,後8,後9
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3前2
人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前1
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前1
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前1,後14
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前1
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前1
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前1,後14
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)航海計器磁気コンパスのバウル、ビナクルの各部名称、構造、取扱いについて説明できる。2前4
地磁気、偏差及び自差について説明できる。2前5
自差の原因と修正法について説明できる。2前5,前6
ジャイロスコープの特性について説明できる。2前8
指北原理(指北作用、制振作用)について説明できる。2前9,前10,前11
オートパイロットの構造について説明できる。2前12
各種操舵法及び、取扱い(故障時の対応を含む)について説明できる。2前13
PID制御について説明できる。2前14
各種調整について説明できる。2前14
電磁ログの各部名称及び構造について説明できる。2前16,後1
電磁ログの原理について説明できる。2後1,後2
ドップラーログ及びソナーの構造、取扱いについて説明できる。2後3
ドップラーログ及びソナーの原理について説明できる。2後4
音響測深器の構造、取扱いについて説明できる。2後5
音響測深器の原理について説明できる。2後5,後6
電波航法レーダ/TTの作動、取扱いについて説明できる。1後8,後9
レーダの各機能について説明できる。1後8,後9
TT機能の目標補足について説明できる。1後8,後9
ターゲットシンボルについて説明できる。1後8,後10
作動、取扱いについて説明できる。2後14
航路計画、航行監視について説明できる。2後14
レーダー映像及びAIS情報の統合表示について説明できる。2後14
作動、取扱いについて説明できる。2後11
システム構成について説明できる。2後11
測位原理について説明できる。2後11,後12
衛星航法補強システムの概要について説明できる。2後12
作動、取扱いについて説明できる。2後12
構成について説明できる。2後12
情報の項目について説明できる。2後13
レーダ映像に表示した場合のターゲットシンボルについて説明できる。2後13

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合8020100
基礎的能力402060
専門的能力40040
分野横断的能力000