航海気象学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 航海気象学
科目番号 0053 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「気象の図鑑」岩槻秀明・今井明子著、技術評論社
担当教員 山田 智貴

到達目標

1.船舶における気象観測業務について説明することができる。
2.各種気象の現象、構造、原因について説明することができる。
3.各種天気図から必要な情報を入手できる。
4.教科書の図が自分の言葉で説明できる。
なお評価の方法は、授業の形態(面接、遠隔)によって変わるのでその都度、説明を受け理解し、その内容に応じて十分に学習しておくことが求めらられる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船舶における各種気象観測ができ、気象情報を入手し適切に処理できる。各種気象観測ができ、気象情報を入手できる。気象情報を入手できない。
評価項目2各種気象現象の説明および原因の説明ができる。各種気象現象の説明ができる。各種気象現象の説明ができない。
評価項目3天気図から適切に情報を読み取り、簡単な気象予報ができる。天気図から情報を読み取れる。天気図から情報が読み取れない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
航海士として必要な気象の基礎知識について学ぶ。
特に各種気象現象についての構造や仕組みについて説明できるようになることを目標とする。
本授業は、三級海技士(航海)の国家試験レベルを最低限とし、二級海技士(航海)国家試験以上の内容も扱う。
授業の進め方・方法:
・前回の講義を踏まえてQUIZ(小テスト)と授業を進めていくので、前回の講義または既に学んだことを復習しておくこと。
・試験は、記述形式で行うので、学習内容を自ら文字にして説明できるように日頃から準備しておくこと。
・内容を整理するため、B5判のノートを利用するので、準備すること。(「操船」の授業で利用している「天気図ノート」
も用意すること))
注意点:
毎回、授業では内容の確認のために課題を課す。
学習内容について日頃から自分の言葉にして説明できるようにまとめておくこと。
提示するシラバスは、通年のものとなっている。半期で行う場合は、適宜内容を説明したのち変更して行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 航海気象学の概要
気象観測の意義(1)
船舶における気象観測の意義について説明できる。
2週 大気圏の構造 地球規模の大気の構成について説明できる。
3週 気圧と風 気圧差と風の関係について説明できる。
4週 放射と熱 地球規模の熱収支について説明できる。
5週 水蒸気と雲 水蒸気量と雲の関係について説明できる。
6週 気象観測 気象観測の方法や種類について説明できる。
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
2ndQ
9週 大気の大循環 大気の大循環の構造について説明できる。
10週 気団と前線 日本近海で発生する気団や気団と前線の関係について説明できる。
11週 温帯低気圧 温帯低気圧の構造について説明できる。
12週 高気圧 高気圧の構造や付近の風について説明できる。
13週 熱帯低気圧と台風 熱帯低気圧の発生要因や台風の種類、台風の構造や一生について説明できる。
14週 局地気象(1) 季節風や海陸風について説明できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解説
後期
3rdQ
1週 局地気象(2) フェーン現象やボラなど局地気象について説明できる。
2週 雷雨 積乱雲の構造と発達について説明できる。
3週 天気図の利用(1) 天気図の種類及び天気記号、天気図の利用方法について簡単に説明できる。
4週 四季の天気図 日本付近の特徴的な天気図型やその際の各地の天候について説明できる。
5週 予報・警報 予報・警報の定義や種類、記号について説明できる。
6週 霧と雲 海上における霧の種類や発生要因について説明できる。
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
4thQ
9週 地衡風と傾度風 地衡風と傾度風について説明できる。
10週 海洋波とうねり 海の波の種類による違いについて説明できる。
11週 霧の発生要因 霧の種類による発生要因を説明できる。
12週 雲と霧の要因 雲と霧の条件を説明できる。
13週 気象観測の意義(2) 洋上観測を行うことの意義について説明できる。
14週 天気図の利用(2) これまでの学習内容を踏まえ、天気図の必要な情報を読み取ることができる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前4,後1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動の法則について説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
化学(一般)化学(一般)洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。2
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。2
社会における技術者の役割と責任を説明できる。2
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。2
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。2
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。2
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。2
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。2
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)船舶工学静定はりについて、せん断力の計算方法及びSFDの作図方法を説明できる。3
静定はりについて、曲げモーメントの計算方法及びBMDの作図方法を説明できる。3
船体に作用する応力について説明できる。3
載貨復原性と船の安全性の関係について説明できる。3
船の重心、浮心、傾心等の専門用語の意味を説明できる。3
貨物の移動・積み降ろしによる重心移動について、その移動距離を計算により求めることができる。3
重心、浮心、傾心それぞれの位置関係から、船体の安定・不安定を評価できる。3
復原力について、包括的に説明できる。3
喫水標から船の喫水を測読する方法を説明できる。3
測読した喫水について、各種修正方法を説明できる。3
液体の比重差により喫水が変化することを説明できる。3
Dead Weight Scaleを用いて必要な値を求める方法を説明できる。3
貨物の移動・積み降ろしによるトリム及び喫水の変化について計算できる。3
船舶の載貨能力、貨物の種類について説明できる。3
燃焼の三要素について説明できる。3
引火点、発火点、爆発限界などの用語について説明できる。3
危険物を輸送する際に取られる様々な安全対策について説明できる。3
貨物を管理する上での様々な危険項目について説明できる。3

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力201535
分野横断的能力10515