内燃機関学1

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 内燃機関学1
科目番号 0061 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 長谷川静音「舶用ディーゼル機関教範」成山堂、商船高専キャリア教育研究会編「舶用ディーゼル推進プラント入門」海文堂
担当教員 今井 康之

到達目標

1.内燃機関について機関単体だけなく、船舶推進システムとして概要が説明できる。
2.他の熱機関と比較し、内燃機関について説明でき、内燃機関の種類が比較できる。
3.内燃機関の主要固定部が説明できる。
4.内燃機関の主要運動部が説明でき、関連する計算式を導き算出することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1内燃機関について、他の熱機関と比較し説明ができる。内燃機関の種類が比較説明できる。内燃機関の基礎原理、種類がわからない。
評価項目2内燃機関の主要固定部に関わる現象について説明出来る。内燃機関の主要固定部について説明出来る。構造部品がわからない。
評価項目3内燃機関の主要運動部に関わる現象について説明出来る。内燃機関の主要運動部について説明出来る。構造部品がわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・機関学概論やこれまで学んだ内燃機関だけでなく、関連機器との関係についても学習していきます。知識を積み重ね、総合的に考察できるように、復習しておくこと。
授業の進め方・方法:
・第3級海技士(機関)の内容理解を促進するため、5級程度の内容から1級の範囲も取り扱うことがあります。基本的事項をしっかりおさえ、授業で習う項目は文章で説明できるように整理すること。
・課題は期限を厳守すること。
・授業は積極的に参加し、傍聴者とならないよう努力すること。出席とともに評価します。
・定期的にノートを確認します。黒板だけでなく、コメントもノートにとること。
※新型コロナウィルスの影響を鑑み、試験方法など状況に応じて変更します。
注意点:
計算や燃料に関する事項も取り扱うため、数学、化学の内容をしっかり復習し、わからないところは自ら解決しておくこと。また、再試験は行わないことがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱機関及び内燃機関の概要 エネルギ、仕事など基本概念が説明でき、熱機関が比較できる
2週 ディーゼル機関の付属装置 船内プラントの概要が説明できる
3週 ディーゼル機関の付属装置 関連機器と機関の関係が説明できる
4週 内燃機関の分類と特徴 外燃機関との違い、内燃機関の種類、作動流体について説明できる
5週 内燃機関の種類と作動原理 ガソリン機関とディーゼル機関が見分けられる
6週 内燃機関の種類と作動原理 2サイクル機関と4サイクル機関の作動原理が図示できる
7週 前期中間試験 6週までの説明ができる
8週 試験返却、出力 図示・制動・軸・プロペラ・推力・正味馬力が説明できる
2ndQ
9週 内燃機関の熱サイクル基礎 熱勘定図、低位発熱量、オットー・ディーゼル・サバテサイクルが説明でき、該当機関と関連づけられる
10週 シリンダ 種類、特徴、変形、腐食について説明できる
11週 シリンダ 冷却、潤滑、取扱い、故障について説明できる
12週 シリンダヘッド、シリンダボルト シリンダヘッド、シリンダボルト
13週 フレーム、クランクケース 種類、特徴が説明でき、事故要因が関連づけられる
14週 ベッド、機関台、タイロッド 機関にかかる力と機関を支える仕組みが説明できる
15週 定期試験 14週までの説明ができる
16週 試験返却、解説 期末試験までの内容が説明出来る
後期
3rdQ
1週 主軸受、軸受メタル 特徴と種類が説明できる
2週 引張りボルト 構造材料の特徴と関連づけ説明できる
3週 ピストン 種類、特徴、変形について説明できる
4週 ピストン 冷却、取扱い、故障について説明できる
5週 ピストンピン、ピストンリング 種類構造、特徴とともに、関連異常現象が説明でき、異常現象に伴う現象より、原因が推測できる
6週 連接棒、クロスヘッド、ピストン棒 構造が理解でき、違いが比較できる
7週 後期中間試験 6週までの説明ができる
8週 内燃機関の機械力学 ピストンの運動力学を理解し、クランク角よりピストン位置や図示出力が計算できる
4thQ
9週 試験返却、クランク軸 構造を理解し図示できるとともに、ディフレクション、潤滑、クランク軸に働く応力、破損について説明できる
10週 ねじり振動、危険回転数 現象を理解し、説明できる
11週 バランスウェイト、フライホイール 役割が説明でき、力学的観点から比較できる
12週 弁連動装置、吸排気装置 各部名称、連動機構が説明でき、吸排気装置が比較できるとともに、取扱や故障について説明できる
13週 内燃機関の掃気 2サイクル機関、4サイクル機関の掃気方法が説明できる
14週 内燃機関の掃気 ジャンプ式、ループ式、ユニフロー式を比較し図示できる
15週 後期期末試験 14週までの説明ができる
16週 試験返却、解説 主要運動部が説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3後8
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3後8
分数式の加減乗除の計算ができる。3後8
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3後8
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3後8
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後8
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後8
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後8
角を弧度法で表現することができる。3後8
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後8
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後8
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3後8
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後8
2点間の距離を求めることができる。3後8
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3後8
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3後8
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後8
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後8
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後8
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後8
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3後8
物体に作用する力を図示することができる。3後8
力の合成と分解をすることができる。3後8
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2後8
慣性の法則について説明できる。2後11
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後8
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2前1
化学(一般)化学(一般)水の状態変化が説明できる。2前4
物質の三態とその状態変化を説明できる。2前4
原子のイオン化について説明できる。2前11
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前11
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2前11
人文・社会科学国語国語常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前7,前15,後7,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前7,前15,後7,後15
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前11
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前11
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)内燃機関学内燃機関と外燃機関の違いについて認識し、それらの種類および分類について説明できる。2前1
2サイクル機関および4サイクル機関の作動原理および特徴について説明できる。2前4,前5,前6,前12,前13,前14
内燃機関の各機器の構造および役割、故障の要因を説明できる。4前10,前11
内燃機関の基本熱サイクルの種類および特徴を説明できる。2前9
効率、出力(馬力)、燃料消費率などを計算し、機関性能を評価できる。3前8
4サイクル機関および2サイクル機関のガス交換過程について、説明できる。2前4,後13,後14
燃焼に必要な条件、燃焼反応、燃焼過程について説明できる。2前5
発熱量、理論空気量、空気過剰率など、燃焼性能に関する諸因子の計算ができる。3前8
内燃機関に付属する装置の種類、特徴、取り扱いについて説明できる。2前2,前3
内燃機関に付属する装置の故障およびその原因、対策について認識し、説明できる。2前10,前11,前12,前13,前14,後1,後3,後4,後5,後10,後12
材料力学振動系についての、固有円振動数、共振、振動モードについて認識している。3後9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70505200100
基礎的能力2000010030
専門的能力5000010060
分野横断的能力05050010