水路図誌の記載内容を把握し、各種地文航法の原理や算出方法を理解する。これらを実際の航海でどのように利用するのか説明できることを目的とする。
概要:
三級海技士(航海)第一種養成施設の航海に関する科目(二 航路標識、三 水路図誌、四 地文航法、五 地文航法、八 航海計画)の2.0単位を学ぶ。
授業の進め方・方法:
1.授業は講義および演習形式で行うので、講義中は集中して聴講し、演習は課題を題して解答の提出を求めます。
2.適宜レポートを課すので、期限に遅れず提出すること。
3.既習事項は理解しているものとして講義を行うので、履修した科目も含め受講前に復習しておくこと。
4.電卓、天測計算表は毎時間持参すること。
注意点:
1.予習復習を実施しなければ十分に理解しがたいため、既習事項の練習定着を受講者の責任でしっかり行うこと。
2.演習問題は必ず自分で解き、わからないところは質問し、しっかり理解しておくこと。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 地文航海学用語解説 |
関数電卓を用いて時間弧度換算ができる。 地文航海学で使用する用語を理解し、説明できる。
|
2週 |
航路標識 海図の取扱 海図の使用 |
各種航路標識の意味を理解できる。 海図の種類や海図図式を理解し、適切に海図を取り扱うことができる。 海図を用いて船位、針路および航程が求められる。
|
3週 |
基礎算法 基礎航海算法(1) |
風圧差や流圧差による針路改正、速力の計算ができる。 平面航法の計算を行える。
|
4週 |
基礎航海算法(2) 基礎航海算法(3) |
距等圏航法の計算を行える。 平均中分緯度航法の計算を行える。
|
5週 |
基礎航海算法(4) 基礎航海算法(5) |
漸長緯度航法の計算を行える。 連針路航法の計算を行える。
|
6週 |
基礎航海算法(6) 基礎航海算法(7) |
流潮航法の計算を行える。 日誌算法を行える。
|
7週 |
前期中間試験 |
達成度の確認
|
8週 |
試験の解答解説 大圏航法(1) |
中間試験までの学習内容の確認
|
2ndQ |
9週 |
大圏航法(2) 大圏航法(3) |
大圏航法図および大圏航法の説明ができる。 大圏航法の諸要素(大圏距離、起程・着達針路、頂点、通過点など)を計算できる。
|
10週 |
総合演習 |
船位、針路、航程、速力などを適切な航法計算により算出できる。
|
11週 |
沿岸航法(1) 沿岸航法(2) |
測位の種類、位置の線、測位方法(同時観測、隔時観測)について説明できる。 沿岸物標との離隔距離、被険線の利用法について説明できる。
|
12週 |
船位の誤差(1) 船位の誤差(2) |
地文航法における船位誤差の種類を説明できる。 船位誤差を算出できる。
|
13週 |
航路選定(1) 航路選定(2) |
航路選定上の注意、近海航路の選定、大洋航路の選定方法を説明できる。 TSSやVTS海域などを考慮した航海計画の立案手順を説明できる。
|
14週 |
航路選定(3) 航路選定(4) 海流 |
航海速力や燃料消費の計算ができる。 ウェザールーティングの概要を知る。 世界の主要海流の説明ができる。
|
15週 |
|
|
16週 |
試験の解答解説と授業の総括 |
学習内容の確認
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。 | 3 | |
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。 | 3 | |
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。 | 3 | |
一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | |
2点間の距離を求めることができる。 | 3 | |
内分点の座標を求めることができる。 | 3 | |
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | |
自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
人文・社会科学 | 英語 | 英語運用能力向上のための学習 | 関心のあるトピックや自分の専門分野に関する論文やマニュアルなどの概要を把握し、必要な情報を読み取ることができる。 | 3 | |
社会 | 地理歴史的分野 | 世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 商船系分野(航海) | 地文航法 | 海図に記載されている海図図式や航路標識を説明できる。 | 2 | 前2 |
水路書誌を利用して、航海に必要な情報を収集することができる。 | 3 | 前2 |
航路標識の種類と名称、意味を説明できる。 | 2 | 前2 |
船位測定に用いる方法の種類とその特徴を説明できる。 | 2 | 前11 |
交差方位法・レーダ等により船位を求めることができる。 | 2 | 前10 |
航程線航法及び大圏航法の特徴を説明できる。 | 2 | 前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10 |
各種航法による航法計算を行うことができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前10 |
出入港を含めた、一般的な状況における航行時において考慮すべき事項を説明できる。 | 2 | 前11,前13 |
特殊な状況における航行時において考慮すべき事項を説明できる。 | 2 | 前11,前13 |
本船のコンディションを考慮した航海計画を立案できる。 | 3 | 前13,前14 |
立案した航路計画からナビゲーションスケジュールを作成できる。 | 3 | 前13,前14 |
潮流及び潮汐が起こる仕組みを説明できる。 | 2 | 前14 |
海流の概要及び暖流・寒流の特徴を説明できる。 | 2 | 前14 |
世界各地の主要な海流について説明ができる。 | 2 | 前14 |