航海気象学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 航海気象学
科目番号 0074 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「百万人の天気教室」白木正規著、成山堂書店
担当教員 吉田 南穂子

到達目標

1.船舶における気象観測業務について説明することができる。
2.各種気象の現象、構造、原因について説明することができる。
3.各種天気図から必要な情報を入手できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船舶における各種気象観測ができ、気象情報を入手し適切に処理できる。各種気象観測ができ、気象情報を入手できる。気象情報を入手できない。
評価項目2各種気象現象の説明および原因の説明ができる。各種気象現象の説明ができる。各種気象現象の説明ができない。
評価項目3天気図から適切に情報を読み取り、簡単な気象予報ができる。天気図から情報を読み取れる。天気図から情報が読み取れない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
航海士として必要な気象の基礎知識について学ぶ。
特に各種気象現象についての構造や仕組みについて説明できるようになることを目標とする。
本授業は、三級海技士(航海)の国家試験レベルを最低限とし、二級海技士(航海)国家試験以上の内容も扱う。
授業の進め方・方法:
・前回の講義を踏まえて授業を進めていくので、前回の講義または既に学んだことを復習しておくこと。
・試験は、記述形式で行うので、学習内容を自ら文字にして説明できるように日頃から準備しておくこと。
注意点:
毎回、授業では内容の確認のために課題を課す。
学習内容について日頃から自分の言葉にしてまとめておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 航海気象学の概要
気象観測の意義(1)
船舶における気象観測の意義について説明できる。
2週 大気圏の構造 地球規模の大気の構成について説明できる。
3週 気圧と風 気圧差と風の関係について説明できる。
4週 放射と熱 地球規模の熱収支について説明できる。
5週 水蒸気と雲 水蒸気量と雲の関係について説明できる。
6週 気象観測 気象観測の方法や種類について説明できる。
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
2ndQ
9週 大気の大循環 大気の大循環の構造について説明できる。
10週 気団と前線 日本近海で発生する気団や気団と前線の関係について説明できる。
11週 温帯低気圧 温帯低気圧の構造について説明できる。
12週 高気圧 高気圧の構造や付近の風について説明できる。
13週 熱帯低気圧と台風 熱帯低気圧の発生要因や台風の種類、台風の構造や一生について説明できる。
14週 局地気象(1) 季節風や海陸風について説明できる。
15週 定期試験
16週 定期試験の解説
後期
3rdQ
1週 局地気象(2) フェーン現象やボラなど局地気象について説明できる。
2週 雷雨 積乱雲の構造と発達について説明できる。
3週 天気図の利用(1) 天気図の種類及び天気記号、天気図の利用方法について簡単に説明できる。
4週 四季の天気図 日本付近の特徴的な天気図型やその際の各地の天候について説明できる。
5週 予報・警報 予報・警報の定義や種類、記号について説明できる。
6週 霧と雲 海上における霧の種類や発生要因について説明できる。
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
4thQ
9週 地衡風と傾度風 地衡風と傾度風について説明できる。
10週 海洋波とうねり 海の波の種類による違いについて説明できる。
11週 霧の発生要因 霧の種類による発生要因を説明できる。
12週
13週 気象観測の意義(2) 洋上観測を行うことの意義について説明できる。
14週 天気図の利用(2) これまでの学習内容を踏まえ、天気図の必要な情報を読み取ることができる。
15週 定期試験
16週 定期試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前4,後1
自然科学物理時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前4
波動自然光と偏光の違いについて説明できる。3前4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3前4
化学(一般)化学(一般)水の状態変化が説明できる。3前5,後6
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前5,後2,後6
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。2前5,前6,後6
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。2前2
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。2前4
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。2前9
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。2後6,後10
人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後3,後4,後5,後6
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後3,後4,後5,後6
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後3,後4,後5,後6
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)海洋気象大気圏の構造と組成を説明できる。2前2
気圧、気温、及び湿度の定義と説明ができる。2前3
風について、その発生原因を説明できる。2前3
大気の安定・不安定状態の違いを説明できる。2前5
風の発生要因について説明できる。2前4
地衡風と傾度風について説明できる。2後9
中緯度地方などの第1次の大気循環及び季節風などの第2次の大気循環を説明できる。2前9
日本付近の気団を説明できる。2前10
前線の発生と消滅・前線の種類を説明できる。2前10
前線の移動・温帯低気圧の発生機構を説明できる。2前11
熱帯低気圧の発達、危険区域の回避及び日本近海の熱帯低気圧の動きをを説明できる。2前13
高気圧について、温暖型と寒冷型の違いを説明できる。2前12
高層天気図を利用価値を説明できる。2後3
日本付近の天気図の型を数種類、説明できる2後4
海の波の種類について、周期によりその特性が異なることを説明できる。2後10

評価割合

試験提出物合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030
分野横断的能力000