船舶通信概論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 船舶通信概論
科目番号 0077 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 成山堂「船舶通信の基礎知識(2訂版)」および情報通信振興会「特殊無線技士無線従事者国家試験問題解答集」
担当教員 鈴木 治

到達目標

この授業は、第1級海上特殊無線技士の国家資格未取得者向けです。
海技教育機構の長期練習船乗船実習までに4年生6月期の無線従事者国家試験で必要な無線の資格「第1級海上特殊無線技士」の合格を目標とします。
1.無線通信機の名称が説明できる。
2.無線通信の概要を運航場面においてどのように取り扱うのか説明できる
3.第1級海上特殊無線技士の取得
上記が達成できたら、さらに上位または別の種類の無線従事者の資格(例えば3海通、1陸特)を目指します。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1国際法と電波法との関係を説明出来る電波法の目的と船舶の運航を説明出来る。1海特相当の国家試験問題を解けない
評価項目2業務に関する通信機器の目的と利用手順を説明できる。業務に関する通信機器の利用方法が説明できる。業務に関する通信機器の利用方法が説明できない。
評価項目3船舶運航と通信機器の役割とその保守方法について説明できる。船舶運航と通信機器の役割が説明できる。船舶運航と通信機器の役割が説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
航海での分野の海技士として最低限の通信のライセンスである第1級海上特殊無線技士の国家試験レベルを最低限に設定し、合格に必要な知識と利用する機器とそれらの成り立ち、法令を理解できるようにする。
航海士として必須であり、プレジャーボート等の運航では最高レベルの無線従事者の資格である第1級海上特殊無線技士の国家試験で出題される無線工学、法規の問題を中心に解説し、国家試験合格を前提としている。
授業の進め方・方法:
この単位は、QUIZ(小テスト)、TEST(中テスト),EXAMINATION(中間・期末テスト)を解くことで海技試験のような記述試験に適用できるような実力をつけるように工夫されているQUIZは毎回実施する。
授業は講義の他、予習を必要とする課題と前回の授業から出題する小テストを毎回行う。課題は、指示された予習箇所を読み、また課題として出されている問題を自ら解くことによって行われる必要がある。また、小テストは、講義の内容の他、講義で説明された箇所を良く読み自ら説明できるようにまでしておく必要がある。
中間試験、定期試験の前後には確認課題および小テストから出題するTEST(中テスト)を実施することもあるので、それまでの知識整理に用いること。また、適宜出題されるレポート課題(小論文等)を作成すること。
なお、受講者の数によっては、上記によらず、毎回、受講者が課題を与えた内容についての説明を行うスタイル(ゼミ形式)で行うので、その場合は、毎回、説明のための準備を怠らないこと。
国家試験が通常であれば、6月に予定されているのでそれまでに実力を高めるために、授業変更をして前倒しにするので、忘れずに受講すること(1週につき1回とは限らない)
注意点:
受講したからといって国家試験が合格できる保証や、また、無線従事者の資格を持っているからといって単位が取得できる授業ではありません。
国家試験の合格には過去問の繰り返しの学習が不可欠です。
中間・期末試験は、国家試験を模擬した形式で行うので、国家試験の合格レベルに達していないと単位も修得できない可能性があります。
毎回、授業の始めに小テストを行うので、前回の講義または既に学んだことを復習しておくこと。
小テスト、レポート、その他(ノート提出)等がすべてなされていることを条件に評価するので忘れないこと。
最終的に中間試験・定期試験で6割、ポートフォリオ(課題等(小テストと中テスト、確認課題、レポート等)で4割となるように評価し、詳細については初回の授業のときに説明する。
受講までに1度は第1級海上特殊無線技士の国家試験を受験していることが望ましい。
関連する科目
海技実習、鳥羽丸実習、操船論、航海学実験、運用学実験、気象通論
遠隔による場合、別に定める方法により成績とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 船舶用の通信機器と電気通信術 通信手段の名称と機器を説明出来、電気通信術の送話と受話ができる。
2週 送信機 送信機の種類と電波型式がわかる
3週 受信機 受信機の特徴と電波型式の関係が説明出来る。
4週 電源・測定 無線機に利用する電源と測定技術について説明出来る。
5週 電波法 目的から運用のポリシーについて説明出来る。
6週 無線局運用規則 一般通信から遭難通信までの違いを説明出来る。
7週 中間試験
8週 国際条約と英語 国際条約と電波法の違いを説明出来る
2ndQ
9週 通信の秘密 通信に関する秘密に関する定義を説明できる
10週 無線従事者規則 無線従事者の定義について説明できる
11週 ITU 国際的な通信の成り立ち
12週 RR 無線局運用の基本的なルール
13週 NMEA 航海計器のための通信
14週 航海計器や機関との連携 機器間の通信
15週 期末試験 1海特の国家試験を模擬した試験で合格点を取れる
16週 テスト返却とまとめ テストの内容を理解できること。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2020000040
専門的能力3020000050
分野横断的能力100000010