蒸気機関学1

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 蒸気機関学1
科目番号 0084 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書・舶用ボイラの基礎【成山堂】、蒸気タービン要論【成山堂】、教材・自作プリント
担当教員 渡辺 幸夫

到達目標

・各種ボイラ、蒸気タービンの特徴、概要についての説明ができる
・ボイラでの燃焼、蒸気の状態変化の基礎理論について理解し、説明ができる
・蒸気サイクルの基礎を理解し効率の計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種ボイラ、蒸気タービンの特徴、概要についての詳細な説明ができる各種ボイラ、蒸気タービンの特徴、概要についての説明ができる各種ボイラ、蒸気タービンの特徴、概要についての説明ができない
評価項目2ボイラにおける燃焼、蒸気の状態変化の基礎理論について理解し、発展した説明ができるボイラでの燃焼、蒸気の状態変化の基礎理論について理解し、説明ができるボイラでの燃焼、蒸気の状態変化の基礎理論について理解し、説明ができない
評価項目3蒸気サイクルの基礎を理解し効率計算ができ、改善方法を立案できる蒸気サイクルの基礎を理解し効率の計算ができる蒸気サイクルの基礎を理解し効率の計算ができない

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業は、三級海技士(機関)として船舶運航に必要な知識である「出力装置、プロペラ装置」に関する、ボイラ、蒸気タービン及びこれらの付属装置について教授するものであるのである
授業の進め方・方法:
講義をベースとし、適宜学内の実物を見学することで理解を進める
注意点:
・二級及び一級海技士(機関)国家試験にも対応可能な範囲まで講義するので、国家試験合格にむけて積極的に取り組むこと
・適宜、演習やレポート、小テストを行ない知識の定着度合について確認するので、学習の参考とすること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・蒸気ボイラの概要 蒸気ボイラの定義や歴史的変遷について説明ができる
2週 蒸気ボイラの構造、特徴および比較(1) 水管ボイラと丸ボイラの特徴と違いについて説明ができる
3週 蒸気ボイラの構造、特徴および比較(2) 大型水管ボイラの構造や構成要素について説明ができる
4週 蒸気の性質(1) 水と蒸気の状態変化について理解し説明ができる
5週 蒸気の性質(2) 蒸気表を使って湿り蒸気の状態量を計算できる
6週 蒸気の性質(3) 湿り蒸気と過熱蒸気の違いについて説明ができ,h-s線図を用いて過熱蒸気の状態量を計算できる
7週 中間試験 中間試験の内容について説明できる
8週 試験返却・解答、ボイラの性能(1) ボイラの性能の概要を説明できる
2ndQ
9週 ボイラの性能(2) ボイラの性能に関する諸量について理解し説明できる
10週 ボイラの性能(3) ボイラの性能について計算ができる
11週 ボイラにおける燃料と燃焼(1) 燃料の概要と燃焼反応式について理解し説明できる
12週 ボイラにおける燃料と燃焼(2) 燃焼に関する計算ができ,ガス分析装置の説明ができる
13週 蒸気ボイラにおける伝熱(1) ボイラの伝熱量に関する作用を理解し伝熱量が計算できる
14週 蒸気ボイラにおける伝熱(1) ボイラの熱通過について作用を理解し熱通過量を計算できる
15週 前期期末試験 期末試験までの内容を説明できる
16週 試験返却・解答 試験の解答解説を理解できる
後期
3rdQ
1週 蒸気タービンの概要(1) タービンの定義、各種タービンについて説明ができ,蒸気タービンの作動原理について理解し説明できる
2週 蒸気タービンの概要(2) 蒸気タービンの構成要素に関する概要,各種蒸気タービンについて,その違いを説明できる
3週 蒸気サイクル(1) ランキンサイクルの構成要素と役割について説明ができる
4週 蒸気サイクル(2) ランキンサイクルの特徴について理解し,ランキンサイクルの熱効率が計算できる
5週 再生サイクルと再熱サイクル(1) 再生サイクルの特徴について説明ができる
6週 再生サイクルと再熱サイクル(2) 再熱サイクルの特徴について説明ができる
7週 中間試験 中間試験までの内容を説明できる
8週 試験返却・解答,再生サイクルと再熱サイクル(3) 試験の解答解説を理解できる、再生再熱サイクルの概要を理解し説明ができる
4thQ
9週 反動段と衝動段(1) 反動段と衝動段の違い,作動原理の違いについて説明ができる
10週 ノズル理論 ノズルにおけるエネルギー変換,臨界圧力,超過膨張,不足膨張について理解し計算できる
11週 速度線図と線図仕事 回転羽根における速度線図を作成し,線図仕事を計算できる
12週 蒸気タービンの諸損失 蒸気タービンの内部損失,外部損失について理解し説明できる
13週 蒸気タービンの諸効率(1) 蒸気タービンの内部効率,外部効率,プラント効率について理解し説明できる
14週 蒸気タービンの諸効率(2) h-s線図などを用いて,蒸気タービンの諸効率について計算できる
15週 後期期末試験 期末試験までの内容を説明できる
16週 試験返却・解答 試験の解答解説を理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)水の状態変化が説明できる。3前4
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前4
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)蒸気工学蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。2前1,後1,後2
蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。2後1,後2
蒸気タービンの種類、構成要素および作動原理について、説明できる。2後1,後2
ノズル、羽根、ロータ、気密装置、車室などの各部の構造および作用について説明できる。2後1,後2,後9
タービン内部で発生する諸因子(臨界圧力、超過膨張、不足膨張など)について説明できる。2後10
タービン内部を通過する蒸気の断熱膨張とそれによる熱落差について説明できる。2後3
回転羽根内部で発生する諸速度について認識し、速度線図(速度三角形)を描くことができる。4後11
蒸気タービンで発生する内部損失および外部損失の種類および特徴について説明できる。2後12
ランキンサイクル、再生サイクル、再熱サイクル、再熱再生サイクルの特徴について説明できる。2後3,後5,後6,後8
蒸気タービンに関する諸性能(熱効率、蒸気消費量、熱消費率など)について認識し、計算ができる。4後13,後14
タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。2後1,後2
伝熱工学熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。2前4,前5,前6
水の等圧蒸発過程について説明できる。2前4
蒸気の状態量を、蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4前5,前6
伝熱の基本形態を理解し、各形態における熱移動過程について説明できる。2前13,前14
ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。2前1,前2,前3
ボイラに関する諸性能(ボイラ効率など)について認識し、それらを用いた計算ができる。4前8,前9,前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ出席合計
総合評価割合600003010100
基礎的能力0000000
専門的能力600003010100
分野横断的能力0000000