船舶通信論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 船舶通信論
科目番号 0092 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 船舶通信の基礎知識(改訂版)または2訂版 
担当教員 鈴木 治

到達目標

1海特の所持および半年間の乗船実習経験を元に、自ら船舶に搭載された通信機器を扱う。また、それらの機器に関するドキュメントを読みこなせること。また、それらの機器がなぜ搭載されているのか、どのように管理すべきなのか国際条約や法令ではどのように規定されているのか説明できること。 
船に関係する無線中心での技術とルールを学びながら、海上無線通信士の国家試験受験を目標にして、これまでの経験と知識の整理を行う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船舶に搭載されている通信機器がどのように法令で定められおり、実際の運用方法との違いを説明できる船舶に搭載される通信機器の名称と機能、通信方式、その構造の説明の他、それらを使った適切な運用方法を説明できる。 船舶に搭載される通信機器の名称と機能、通信方式、その構造を説明できない
評価項目2通信に関する国際的な取り決めと国内での法令との関係、および機器の構成の矛盾点問題点を説明できる通信に関する国際的な取り決めと国内での法令との関係で無線従事者と無線局を説明できる無線局と無線従事者の関係を説明できない。
評価項目3無線従事者国家試験の第3級海上無線通信士を取得できる無線従事者国家試験の第3級海上無線通信士の過去問を合格できる無線従事者国家試験の第1級海上特殊無線技士を合格できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
航海での分野の海技従事者として多くの職場で取得が望まれている第3級海上無線通信士の国家試験レベルを想定し、かつ、将来、兼務「通信長」として一人で業務に就けるようになるよう機器とそれらの成り立ち、法令を理解できるようにする。 
数多くある専門用語を自ら説明できるようにすることで、初級船舶職員としての通信に関する知識を習得し、第3級海上無線通信士の国家試験で出題される無線工学、法規の問題で利用される用語も解説することで、国家試験合格を目指す
授業の進め方・方法:
授業は講義の他、予習を必要とする、確認課題と前回の授業から出題する小テストを毎回行う。確認課題は、指示された予習箇所を読み、また課題として出されている問題を自ら解くことによって行われる必要がある。また、小テストは、講義の内容の他、講義で説明された箇所を良く読み自ら説明できるようにまでしておく必要がある。中間試験、定期試験の前後には確認課題および小テストから出題する中テストを実施するので、それまでの知識整理に用いること。
注意点:
受講までに第1級海上特殊無線技士の国家試験を受験し、合格していることが望ましい。
すべての試験や課題は海技試験を想定して記述式である。それぞれの事柄について自ら説明できるように工夫すること。
遠隔による場合、別に定める方法により成績とする。 

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 船舶用の通信手段 通信手段の名称と機器を説明できる
2週 気象観測と結果の通報 気象観測とそれに利用される装置について説明できる
3週 船位通報制度とVTS 位置を通報する目的と手段について説明できる
4週 GMDSS用の機器 GMDSSの仕組みと利用される機器説明できる
5週 アンテナおよびGMDSS用機器
電波を大気中に放出するアンテナとそれらの組み合わせからなるGMDSS用通信機器の概要について学ぶ
代表的なアンテナの特色と緊急時に利用される機器の原理、構成を説明できる
6週 無線局と無線従事者 無線局免許状と無線従事者免許証、船舶局無線従事者証明および海技士(電子通信)の違いを説明できる
7週 中間テスト それぞれ設定された場面に応じた解答を法令や技術的に正しい内容を記載できる
8週 中間テストの返却、SSASとLRIT 中間テストの返却から、自らができなかった項目について改めて解説できること。それぞれ位置を通報する機器の目的の違いを説明できる
2ndQ
9週 海上安全情報の入手 ナブテックスとEGCで得られる情報とその違いを説明できる
10週 VHF無線電話とAIS 関係する法規と利用マナー,AISの仕組み、欠点を説明できる。
11週 遭難通信
遭難通信の定義を中心に適切な発信方法の順序を理解する
遭難警報を受信した場合、船舶局の場合と、海岸局の場合との違いを説明できる
12週 送信機と受信機
振幅変調と周波数変調の違いについて理解する。
それぞれの変調方式がどの無線機に利用されているか、どんな調整機能があるかを説明できる。
13週 データ通信とインターネット インターネットと専用のデータ通信の違いを理解し、誤り検出と誤り訂正を説明できる
14週 天気図の入手 各種天気図の各種入手方法を説明できる
15週 期末試験 これまでの知識を整理し、自分の言葉で説明できる。
16週 テスト返却とまとめ これまでの知識で誤っていた場所を確認し、国家試験受験に向けて役に立てる。 

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2010000030
専門的能力3030000060
分野横断的能力100000010