社会政策論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 社会政策論
科目番号 0132 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 『社会政策 福祉と労働の経済学』(2015)有斐閣アルマ、駒村康平ほか著、定価(本体2,500円+税)、ISBN 978-4-641-22058-4
担当教員 深見 佳代

到達目標

1:実社会に関心を持ち、これからの社会を担っていく主権者としての自覚を養う。
2:社会科学の基本的な素養を身につけ、社会を見る目を養う。
3:現代社会において生じる様々な問題について、主体的に考察し、多角的な観点から捉える力を身につけると共に、自身の意見を論理的に記述できる能力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現代社会における諸問題に対し、当事者意識を持ち、きちんと自身の意見を持ち、また、行動しようとしている。現代社会における諸問題に対し、当事者意識を持っている。現代社会における諸問題に対し、当事者意識を持っていない。
評価項目2学習した事項について十分な知識を有している。学習した事項についてひととおりの知識を有している。学習した事項についての知識が不十分である。
評価項目3現代社会における諸問題に対する自身の意見を十分な根拠を挙げ、論理的に表現することができる。現代社会における諸問題に対する自身の意見を持ち、その理由を挙げることができる。現代現代社会における諸問題に対する自身の意見を持っていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
労働市場、労働政策、社会保障・社会福祉制度について経済学のアプローチから分析する。教科書として『社会政策 福祉と労働の経済学』を用い、ミクロ経済学の手法を使いながらそれぞれの制度・政策の基本的な仕組み、政策目標を分析し、その現状や抱える課題などを考えていく。
授業の進め方・方法:
・教科書の購入が必須である(中古可)。
・教科書を参加者で順に輪読していく形式の授業である。参加者は担当する章を授業中に報告すること。また、報告日でない場合は予習をして授業日に積極的に発言すること。
注意点:
・参加者の人数や理解度に応じて授業内容や進行速度は変更する。
・報告70点、試験30点

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
この授業の到達目標、履修上の注意点、評価方法などについて説明できる。現代社会がかかえる諸問題について概説できる。
2週 社会政策はなぜ必要か 社会政策の学問としての特徴、取り扱うテーマを理解し、社会政策の中心的テーマである社会保障制度、労働政策の役割を説明できる。
3週 社会保障の財政 政府が再分配政策を行う根拠について理解し、また再分配政策の手法としての現金給付と現物給付を用いる異議、再分配政策における国と地方自治体の位置づけを説明できる。
4週 貧困 現在日本では、ワーキングプアの増加、ホームレス、孤独死など貧困問題が深刻化している。貧困とは何か、どのように貧困測定するのかについて多様なアプローチを学び、セーフティ・ネットとしての生活保護の仕組みや現状と課題について説明できる。
5週 労働市場 長期雇用や年功賃金と呼ばれる日本の労働市場の特徴を国際比較から理解し、人的資本理論などの経済学理論や、ジョブ・ローテーションといった雇用慣行を説明できる。
6週 労働条件
最低賃金、労働時間規制、割増賃金、労働安全衛生法と労働者災害補償保険について説明できる。
7週 中間試験 これまでの授業内容を理解し、試験問題を解くことができる。
8週 答案返却 試験成績を振り返り、今後の目標を立てることができる。
4thQ
9週 失業 失業は労働市場が不完全な時に生じる。現実の労働市場では失業者が再就職するまでさまざまな摩擦があるため、失業と欠員が同時に存在する。こうした関係を理論的に示したベヴァリッジ曲線について理解し、説明できる。
10週 障害 全ての人にとって、病気や事故などによるケガにより、安定した暮らしや様々な社会参加ができなくなる可能性がある。心身の機能障害および社会的障壁によって、継続的に、日常生活や社会生活が相当な制限を受けることを意味することを理解し、必要な障害者政策について説明できる。
11週 育児 子育て支援の施策として、保育制度の仕組み、現金給付の仕組みと問題点、育児休業制度やワーク・ライフ・バランス施策などがある。仕事と子育てを両立するための支援策の仕組みや効果、問題点などについて理解し、説明できる。
12週 健康 民間医療保険は情報の非対称性のため逆選択が起こり、非効率となる可能性がある。また、供給者誘発需要が起きやすく、かつ効率性・公平性の評価、アクセス機械の保障に困難が伴う。医療サービスの効率性・公平性の概念を理解し、現行の日本の公的医療保険制度でこれらの問題をどのように軽減しているか理解し、説明できる。
13週 介護 高齢化率の高い日本では、多くの国民にとって介護は最大の不安事項である。家族介護による家事サービスの特殊性と問題点、公的な介護保険の必要性、介護サービス市場に政府が介入する理由について経済学的な視点から説明できる。
14週 老齢 老後の所得補償の柱である公的年金制度は、家計・企業から保険料を徴収し、年金を給付することを通じて労働供給、消費・貯蓄に影響を与える。しかし現在の年金制度は賦課方式であり、財政は不安定である。日本の年金制度の仕組みを理解し、現状、課題、改革の選択肢を説明できる。
15週 期末試験 これまでの授業内容を理解し、試験問題を解くことができる。
16週 答案返却 試験成績を振り返り、今後の目標を立てることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合30700000100
基礎的能力0000000
専門的能力300000030
分野横断的能力070000070