海技実務Ⅰ

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 海技実務Ⅰ
科目番号 1080 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「第1・2・3級海上無線通信士 問題解答集」、 「RFワールドNo.21 船舶と無線システム」、「 船舶通信の基礎知識」
担当教員 鈴木 治,窪田 祥朗

到達目標

1海特の所持および半年間の乗船実習経験を元に、自ら船舶に搭載された通信機器を扱いまた、それらの機器に関するドキュメントを読みこなせること。また、それらの機器がなぜ搭載されているのか、どのように管理すべきなのか国際条約や法令ではどのように規定されているのか説明できること。

船に関係する無線工学と法規を学ぶ。講義では海上無線通信士の国家試験受験を目標にして、知識の整理、資料整理を行う。法規に関しては鈴木が、無線工学に関しては窪田が授業を行い、専門的な解説 を中心に理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船舶に搭載されている通信機器がどのように法令で定められおり、実際の運用方法との違いを説明できる。船舶に搭載される通信機器の名称と機能、通信方式、その構造の説明の他、それらを使った適切な運用方法を説明できる。船舶に搭載される通信機器の名称と機能、通信方式、その構造を説明できない。
評価項目2通信に関する国際的な取り決めと国内での法令との関係、および機器の構成の矛盾点問題点を説明できる。通信に関する国際的な取り決めと国内での法令との関係、および機器の構成を説明できる。通信に関する国際的な取り決めを説明できない。
評価項目3無線従事者国家試験の第3級海上無線通信士を取得できる。無線従事者国家試験の第3級海上無線通信士の過去問を合格できる。無線従事者国家試験の第1級海上特殊無線技士を合格できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3)海事技術者としての専門知識 説明 閉じる

教育方法等

概要:
航海での分野の海技従事者として多くの職場で取得が望まれている第3級海上無線通信士の国家試験レベルを最低限に設定し、通信長として一人で業務に就けるようになるまで機器とそれらの成り立ち、法令を理解できるようにする。
無線工学の分野は窪田教員が、英語および法規の分野については鈴木教員が行う。
数多くある専門用語を自ら説明できるようにすることで、初級船舶職員としての通信に関する知識を 習得し、第3級海上無線通信士の国家試験で出題される無線工学、法規の問題を中心に解説し、国家試 験合格を目指す。
授業の進め方・方法:
授業は参加人数によって異なる。少人数の場合は、ゼミ形式とする。毎回、各自に割り当てた問題を学生が解説、教員が補足を行う。多数の場合は、講義の他、予習を必要とする確認課題と前回の授業から出題する小テストを毎回行う。確認課題は、指示された予習箇所を読み、また課題として出されている問題を自ら解くことによって行われる必要がある。
また、小テストは、講義の内容の他、講義で説明された箇所を良く読み自ら説明できるようにまでしておく必要がある。
期末試験の前後には確認課題および小テストから出題する中テストを実施することがあるので、それまでの知識整理に用いること。
注意点:
受講までに第1級海上特殊無線技士の国家試験を受験し、合格していることが望ましい。
すべての試験や課題は国家試験を想定して作成する。それぞれの事柄について自ら説明できるように工夫すること。
また無線工学の分野は窪田教員が、英語および法規の分野については鈴木教員が行う。
成績はそれぞれを加算後2で除したものを評価とする。ただし、いずれかが60点以下である場合は、60点以下のものを評価点とする。
学修単位の場合は、期末試験を除き8回。(通常授業が8回、期末試験が1回)
最短ならば、通常講義が6回,テストが1回,テスト日は1限目が授業,2限目がテスト実施、返却日は1時間目が返却、2時間目が解説まとめなら8回


授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 無線従事者
無線従事者にかかわる手続きを電波法を中心に学ぶ。
船舶局無線従事者証明の説明ができること。
2週 無線局
無線局の開設にかかわる手続きを電波法を中心に学ぶ。
総務大臣と検査との関わり、臨時に電波の発射の停止を命じられる場合について説明ができる。
3週 遭難通信
遭難通信の定義を中心に適切な発信方法の順序を理解する
遭難警報を受信した場合、船舶局の場合と、海岸局の場合との違いを説明できる。
4週 業務書類
法定書類の取扱方法、定義、記載方法について学ぶ
業務に利用する書類のうち、法定書類の種類および記入内容、保管期間を説明できること。
5週 送信機
トランシーバーから電波が発射できる仕組みについて、回路構成を中心に学ぶ。
周波数変調と振幅変調の違いを説明でき、どのような回路となるか理解できること。
6週 受信機
トランシーバーで電波が受信できる仕組みについて、回路構成を中心に学ぶ。
周波数変調方式の受信機と特色と、振幅変調受信機のうち、側波帯を用いる受信機にのみ搭載されている機能を説明できること。
7週 電源および測定
交流を直流に変える仕組みとそれを計測する仕組みについて学ぶ。
2次電池への充電方式と回路構成および電圧と電流の測定方法を説明できる。
8週 期末試験 それぞれ設定された場面に応じた解答を法令や技術的に正しい内容を記載できること。
2ndQ
9週 試験の返却、解説 試験の結果から、自らができなかった項目について改めて解説できること。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力2000020040
専門的能力3000020050
分野横断的能力100000010