電気電子基礎

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 電気電子基礎
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 わかりやすい 電気電子基礎 増田 英二 (著), 高橋 寛 (監修) /テスターキットM-830B
担当教員 山下 晃司

到達目標

1.抵抗の性質やオームの法則、キルヒホッフの法則を理解し、直流回路の計算に用いることができる。
2.磁気現象や電流が作る磁界、電磁誘導を理解し、コイルのインダクタンスを説明できる。
3.電荷に働く力や電界と電位の関係を理解し、コンデンサの静電容量について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1抵抗の性質やオームの法則、キルヒホッフの法則を理解し、直流回路の計算に用いることができる。抵抗の性質やオームの法則、キルヒホッフの法則を説明できる。抵抗の性質やオームの法則、キルヒホッフの法則を説明できない。
評価項目2磁気現象や電流が作る磁界、電磁誘導を理解し、コイルのインダクタンスを説明できる。磁気現象や電流が作る磁界、電磁誘導を説明できる。磁気現象や電流が作る磁界、電磁誘導を説明できない。
評価項目3電荷に働く力や電界と電位の関係を理解し、コンデンサの静電容量について説明できる。電荷に働く力や電界と電位の関係について説明できる。電荷に働く力や電界と電位の関係を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B2)技術者として必要な基礎知識 説明 閉じる
教育目標 (B3)技術者としての専門知識 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.電荷と電流、電圧の概念を理解し、説明できる。
2.抵抗の性質やオームの法則、キルヒホッフの法則を理解し、直流回路の計算に用いることができる。
3.磁気現象や電流が作る磁界、電磁誘導を理解し、コイルのインダクタンスを説明できる。
4.電荷に働く力や電界と電位の関係を理解し、コンデンサの静電容量について説明できる。
5.正弦波交流の基礎的な特徴と性質を理解し、複素数表示やフェーザ表示を説明できる。
6.抵抗、コイル、コンデンサを含む基礎的な交流回路の計算ができる。
授業の進め方・方法:
・ 授業は講義+演習(小テストを含む)、講義+実験・実習形式で行う。

注意点:
・ 学習内容は、授業を聞いているだけでは習得できない。予習・復習、および演習を行うこと。
・ 実験・実習では、必ずレポートを作成し、期限内に提出する。丁寧に記述し、結果については必ず考察すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
・電荷および電流と電圧
・電荷、電圧、電流の概念をことばで説明できる
2週 ・オームの法則と抵抗の性質
・単位とSI単位の接頭語
・オームの法則を用いて抵抗を流れる電流や抵抗両端電圧を計算できる
・SI単位の基本7単位とピコからテラまでの接頭語を理解し、単位換算ができる。
3週 はんだ付けの実習 ・簡単なはんだ付けができる。
・ディジタル電圧計のキットを完成できる。
4週 ・抵抗の直列接続
・抵抗の並列接続
・抵抗の直列、並列接続回路において、合成抵抗を計算できる。
・抵抗の直列、並列接続回路において、各部の電圧および電流の計算ができる。
5週 ・抵抗の直並列接続
・分圧回路、分流回路
・抵抗の直並列接続回路において、合成抵抗や各部の電圧・電流を計算できる。
・分圧回路および分流回路を用いて、任意の電圧や電流を生じる抵抗の組み合わせを求めることができる。
6週 ・抵抗の性質の測定実験
・直流回路における電圧・電流の測定実験
・ディジタルマルチメータを用いて電圧、電流、抵抗を測定できる。
・測定結果を図に整理することができる。
7週 ・キルヒホッフの法則
・キルヒホッフの法則を用いた直流回路の電圧・電流の計算
・直流の回路網にキルヒホッフの法則を適用することができる。
・キルヒホッフの法則を利用して、複数の電源と抵抗から成る直流回路網の各部の電流を計算することができる。
8週 中間試験または演習・実験
2ndQ
9週 ・ブリッジ回路
・電流の各種作用
・ブリッジ回路で発生する電圧の計算をすることができる。
・電流の各種作用を説明できる。
10週 ・ジュールの法則
・電力と電力量
・ジュールの法則を用いて、抵抗体での発熱量を求めることができる。
・負荷で消費される電力と電力量を求めることができる。
11週 ・電流の化学作用と電池
・二次電池
・電池による起電力の発生原理の概略を説明できる。
・二次電池の種類と充電・放電の原理の概略を説明できる。
12週 電流の熱作用、電池に関する実験 ・測定結果と理論的な結果とを比較することができる。
13週 ・磁石と磁界、磁気に関するクーロンの法則
・電流が作る磁界
クーロンの法則を用いて磁極に働く力の大きさを計算できる。
・磁石による磁界と磁力線の状態を説明できる。
・電流が作る磁界の大きさと方向を求めることができる。
14週 ・磁化現象
・磁気回路
・磁化現象を説明できる
・磁気抵抗や磁気回路を説明できる。
15週 期末試験
16週 ・電磁力
・直流モータ
・電磁力の大きさと方向を求めることができる
・直流モータの動作の概略を説明できる
後期
3rdQ
1週 ・電磁誘導
・ファラデーの法則、レンツの法則
・電磁誘導について、言葉でと式を用いて説明できる。
・電磁誘導で発生する起電力の大きさと方向を求めることができる。
2週 電磁力と電磁誘導に関する実験 ・測定結果と理論的と比較して考察することができる。
3週 ・自己インダクタンスと相互インダクタンス ・自己インダクタンスと相互インダクタンスについて、式と言葉で説明できる。
4週 ・電荷に関するクーロンの法則
・電界と電位
・電荷に関するクーロンの法則を用いて磁極に働く力を計算できる。
・電界と電気力線、等電位面について説明できる。
5週 ・静電誘導と誘電分極 ・静電誘導の概略をことばで説明できる。
・誘電分極の概略を説明できる。
・誘電率と比誘電率の関係を説明できる。
6週 ・コンデンサの構造と静電容量 平行平板コンデンサの構造と電界および電束について説明できる。
・コンデンサの電荷と電圧、静電容量の関係を説明できる
7週 ・静電力と電位、コンデンサの構造と機能に関する実験 ・実験の実施と結果をレポートにまとめることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ・コンデンサの接続
・コンデンサの機能とその応用
・コンデンサの直列接続、並列接続、直並列接続の合成静電容量を計算できる。
・コンデンサの直列接続、並列接続、直並列接続の、各部の電圧と電荷量を計算できる
10週 ・正弦波交流の性質 ・正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。
・平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。
11週 ・正弦波交流起電力の発生
・正弦波交流のベクトル表示
・交流発電機の概略を説明できる
・正弦波交流のベクトル表示を説明できる。
12週 ・RLC各素子における交流起電力の発生 ・抵抗、コイル、コンデンサにおける正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
13週 R、L、Cを含む直列回路と並列回路 ・R、L、Cを含む直列回路および並列回路における各部の電圧と電流の関係を計算できる。
14週 ・交流回路の取り扱い方に関する実験 ・オシロスコープを用いて交流波形を観測できる。
15週 期末試験
16週 学年の総まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
インターネットの仕組みを理解し、実践的に使用できる。3
情報セキュリティの必要性、様々な脅威の実態とその対策について理解できる。3
個人情報とプライバシー保護の考え方について理解し、正しく実践できる。3
インターネットを用いた犯罪例などを知り、それに対する正しい対処法を実践できる。3
数値計算の基礎が理解できる3
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。3
データの型とデータ構造が理解できる3
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。1
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2
静電エネルギーを説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。2
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。2
磁気エネルギーを説明できる。1
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。1
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合5000103010100
基礎的能力0000000
専門的能力5000103010100
分野横断的能力0000000