制御工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成23年度 (2011年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「やさしく学べる制御工学」: 今井,竹口,能勢 (森北出版)
担当教員 宮崎 孝

到達目標

1. ラプラス変換を用いて制御対象を伝達関数で表現し,1次遅れ要素等の代表的な伝達関数の時間応答について説明できる
2. 周波数伝達関数とは何かを説明でき,対象のボード線図を描いて周波数特性を説明できる
3. 設計時に注意すべき性能について説明でき,与えられた仕様を満たす設計について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1ラプラス変換を用いて制御対象を伝達関数で表現できるラプラス変換ができるラプラス変換ができない
到達目標2対象のボード線図を描いて周波数特性を説明できる対象のボード線図が描ける対象のボード線図が描けない
到達目標3与えられた仕様を満たす設計について説明できる設計時に注意すべき性能について説明できる設計時に注意すべき性能について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子制御化が進む多くの産業分野で必要となる制御工学について学ぶ.抽象的な理論に対してはできるだけ多くの例題に触れ,学んだ理論を実際に応用できる能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
・座学による講義が中心となる
・必要に応じてレポート・演習を課し,各自の理解の度合いを確認する
・MATLABによるコンピュータシミュレーションを行う
注意点:
【関連する科目】
数学:微分・積分,複素関数,ベクトル解析   物理:運動方程式
電気:基本的な電気回路   機械:機械力学
【学習上の助言】
講義で学ぶ抽象的な理論を,各自の様々な経験や身近な体験を通して説明できるように理解を深めることが重要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要,フィードバック制御の構成要素 フィードバック制御の定義と構成要素について説明できる
2週 ラプラス変換,ラプラス逆変換 定義に基づき,指数関数のラプラス変換が計算できる
3週 ラプラス変換の性質(微積分,線形性) ラプラス変換の性質をラプラス変換の計算に応用できる
4週 ラプラス変換応用(微分方程式の解法) ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる
5週 ヘビサイドの定理 ヘビサイドの定理を用いて部分分数展開を求めることができる
6週 静的・動的システム 静的・動的システムの違いについて説明できる
7週 制御対象のモデリング(機械系) 機械系の制御対象の伝達関数を求めることができる
8週 中間テスト
2ndQ
9週 試験返却・解説
制御対象のモデリング(電気系,線形化)
電気系の制御対象の伝達関数を求めることができる
10週 制御系の伝達関数とブロック線図,等価変換 伝達関数とブロック線図を相互に変換できる
11週 1次遅れ系のインパルス応答,ステップ応答 1次遅れ系のインパルス応答,ステップ応答を計算できる
12週 2次遅れ系のインパルス応答,ステップ応答 2次遅れ系のインパルス応答,ステップ応答を計算できる
13週 コンピュータによる時間応答の表示 コンピュータを使い,伝達関数の時間応答を表示できる
14週 周波数応答,ベクトル軌跡 周波数伝達関数について説明でき,1次遅れ系のベクトル軌跡を描くことができる
15週 期末試験
16週 試験返却・解説
ボード線図
基本的な伝達関数のボード線図を描くことができる
後期
3rdQ
1週 ボード線図の折れ線近似の求め方 高次の伝達関数のボード線図の折れ線近似を描くことができる
2週 コンピュータによる周波数応答の表示 コンピュータを使い伝達関数のベクトル軌跡とボード線図を表示できる
3週 フィードバック制御系の安定性,特性根 制御系の安定性の定義,特性根と関連を説明できる
4週 ラウス・フルビッツの安定判別法 ラウスの方法を用いて開ループ系の安定性を判定できる
5週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法により,閉ループ系の安定性を判別できる
6週 ゲイン余裕,位相余裕,ロバスト安定性 安定余裕の定義を説明でき,図示できる
7週 制御系の過渡特性・定常特性 制御系の過渡特性・定常特性の定義を説明でき,低次の伝達関数に対して計算できる
8週 中間テスト
4thQ
9週 試験返却・解説
制御系設計概要
制御系設計の流れの図示と,これまでの学習内容との関連が説明できる
10週 制御仕様の周波数領域での表現 周波数特性を使い制御系の仕様を表現できる
11週 補償要素 基本的な補償要素の制御特性への影響を説明できる
12週 サーボ系設計 サーボ系設計に必要な制御仕様を表現できる
13週 DCモータのモデリングと回転角P制御 DCモータの伝達関数を求め,比例制御の効果を説明できる
14週 DCモータ回転角のPID制御 制御仕様に従い,DCモータへのPID制御器のパラメータを決定できる
15週 期末試験
16週 試験返却・解説
コンピュータによる制御系の設計
コンピュータを使い,PID制御器の設計と制御特性の確認ができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力1000010020
専門的能力5000030080
分野横断的能力0000000