電磁気学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 電気磁気学 (森北出版)
担当教員 古森 郁尊

到達目標

1. 静電界での様々な電気現象を理解し理論的に説明できる。
2.限定された磁界での磁気現象を理解し理論的に説明できる。
3.電気磁気現象の理解が工業的に有用性をもつことを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々の形状における電界と電位の計算ができる。球状帯電体の周囲の電界と電位の計算ができる。球状帯電体の周囲の電界と電位の計算ができない。
評価項目2種々の形状における磁界の大きさや磁束密度が計算できる。棒状導体に流れる電流による磁束密度の計算ができる。棒状導体に流れる電流による磁束密度の計算ができない。
評価項目3平面波の伝搬について定量的に解析できる。平面波の伝搬について定性的に説明できる。平面波の伝搬について定性的に説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気磁気現象について学び、物体の周囲の電界や磁界の大きさがどのように決められるかを学ぶ。
電気磁気現象と工業製品との結びつきについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
1. 授業方法は講義を中心とし、試験前には課題の提出を求めます。課題の評価は、授業態度の評価に含めます。

注意点:
1. 前年度までに履修した科目の中で、数学 では三角関数の取り扱いについて復習しておくこと。
2.必要に応じて線積分・面積積分・体積積分について説明を行うが、事前に予習を行っておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 概要説明(電気磁気現象を用いた工業製品の紹介など) 電磁気学の工学的な有用性を理解し、授業で学ぶ目的を説明できる。
2週 電気数学1 簡単な線積分・面積分・体積積分の計算ができる。
3週 電気数学2 2つのベクトルの内積と外積の計算ができる。
4週 電荷とクーロンの法則 電荷の概念とクーロンの法則の限界を説明できる。
5週 静電界1(電界と電位) 電界・電気力線・等電位面を説明できる。
球状帯電体の周囲の電位を計算できる。
6週 静電界2(ガウスの法則と電位) ガウスの法則を説明できる。
任意の形状の帯電体の周囲の電界と電位を計算できる。
7週 静電界に関する演習1 種々の帯電体の周囲の電界計算ができる。
8週 前期中間試験 種々の帯電体の周囲の電界と電位の計算ができる。
2ndQ
9週 静電界に関する演習2 電気二重層における電界と電位の計算ができる。
10週 静電容量 導体系の概念を把握し静電容量の計算ができる。
11週 静電容量の計算1 種々の電極系での静電容量が計算できる。
12週 静電容量とエネルギー コンデンサに蓄えられるエネルギーが電位の2乗で決まることをを説明できる。
13週 誘電体 工業製品における誘電体の必要性と、誘電体と導体の違い・誘電率を説明できる。
14週 誘電体中の分極 電極間に挿入された誘電体中で発生する分極を説明できる。誘電体を挿入することで、静電容量を増加させることができることを説明できる。
15週 前期定期試験
16週 復習
後期
3rdQ
1週 境界条件 誘電率が異なる媒質を電束が通過するとき、電界と電束がどのような振る舞いをするか説明できる。
2週 誘電体中に蓄えられるエネルギー 誘電体がエネルギーを蓄えられることを理解し、工学的な有用性を説明できる。
3週 定常電流 電流密度と伝導電流について説明できる。
4週 電気数学3と磁界 静電界での復習を行い、周回積分の計算ができる。
磁束密度について説明できる。
5週 真空中の磁界1 電流により発生する磁界について説明できる。
6週 真空中の磁界2 磁束密度を定量化するためのビオ・サバールの法則を説明できる。
7週 真空中の磁界3 対称性のある物体の周囲では、アンペアの周回積分の法則でも磁束密度を求められることを説明できる。
8週 後期中間試験 電流が流れている種々の形状の物体の周りの磁束密度の計算ができる。磁束密度と磁界との関係を説明できる。
4thQ
9週 磁性体 材料が持つ磁気的性質と磁気の起源を説明できる。
10週 磁気回路 磁気回路の計算ができる。
11週 電磁誘導1 ファラディの法則を理解できる。発電の原理を説明できる。
12週 電磁誘導2 渦電流・表皮効果を理解し有益性と有害性を説明できる。
13週 電磁波とマクセル方程式 変位電流と伝導電流の違いを説明できる。
マクセルの方程式の工学的な有用性を説明できる。
14週 ポインティングベクトル 電磁波がエネルギーを持つことを説明できる。
15週 後期定期試験
16週 復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。3
磁気エネルギーを説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000