電気電子工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気電子工学
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書 テキストブック 電気回路 (日本理工出版会)
担当教員 古森 郁尊,増山 裕之

到達目標

起電力、電圧降下、電流の分流、電圧の分圧を理解し、キルヒホッフの法則を用いて、回路方程式を作成することができる。
回路方程式をもとに、実際の電気回路を製作し、説明することができる。
回路方程式を解き、電気抵抗やインピーダンスで消費される電力を計算でき、また電圧と電流の位相差などを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1回路方程式を作成することができる。回路方程式を作成するための、分流、分圧の法則を説明できる。回路方程式を作成するための、分流、分圧の法則を説明できない。
評価項目2回路方程式をもとに実際に回路を作成することができる。様々な回路方程式の説明ができる。様々な回路方程式の説明ができない。
評価項目3回路方程式を解いた結果と実際の回路で得られた結果の比較検討ができる。回路方程式を解き、電圧と電流の位相差や各電気素子での消費電力などを計算でlきる。回路方程式を解き、電圧と電流の位相差や各電気素子での消費電力を計算でlきない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
直流回路の基礎理論に重点を置き、電気に関する基礎を正しく理解する。
磁気と静電気に関する基礎知識を修得し、電流によって磁界が発生すること、電磁力について理解する。
単相交流の取り扱いについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学と簡単な実験を組み合わせて授業を進める。
授業内容は、直流回路を中心に行う。後半では、交流回路を取り扱うので、簡単な三角関数の取り扱いを説明する。
簡単な実験を行った後で、レポートの提出を求めます。
注意点:
関数電卓を準備すること。
欠席

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電流と電圧
オームの法則とキルヒホッフの法則1
電荷について知り、電流の定義を説明できる。
オームの法則を説明できる。
2週 電流と電圧の測定
複数の抵抗の直列接続による電圧降下を測定する。
テスターで電流と電圧を測定できる。
テスターで抵抗各部の電圧を測定し、合計が起電力と同じにになることを測定できる。
3週 電位と電位差と電流
オームの法則とキルヒホッフの法則2

種々の回路での回路方程式をたてらる。
4週 複数の抵抗による並列接続による各部の電流を測定する。 テスターで抵抗各部の電流を測定し、合計が起電力から流れ出る電流と同じにになることを測定できる。
5週 キルヒホッフの法則3
抵抗の直列・並列接続が含まれる回路での回路方程式を作成できる。
6週 様々な回路での、電圧・電流を測定する。ジュールの法則
電力と電力量
様々な回路での回路方程式を解き、実験結果との比較を行うことができる。
電力の計算ができる。
7週 前期中間試験 行列や2時間数を用いて問題を解くことができる。
8週 電流が流れることで物体が発熱することを確認する。 電球に電流を流した時、発熱が発生することを赤外線温度計にて確認する。
2ndQ
9週 電気抵抗・コンデンサ・コイル・電磁誘導 物理的な電気抵抗の定義を理解し説明できる。
物理的なコンデンサの定義を説明できる。
コイルの物理的な定義を説明できる。
10週 抵抗率と導電率の測定 既知の抵抗値を基に、材料の断面積と長さを測定し、物質の抵抗率と導電率を求めることができる。
11週 正弦波交流1 正弦波交流の大小を比較するための実効値その他の定義を説明できる。
12週 正弦波交流の測定 発振器から出力される正弦波をオシロスコープで測定し、実効値と周波数を測定できる。
13週 インピーダンス(コンデンサとコイルの電気抵抗) 交流回路では、コンデンサやコイルも抵抗を持つことを説明できる。
14週 交流回路の回路方程式の作成と電圧・電流の位相差 コンデンサやコイルを持ちいた簡単な回路を作成し、電圧と電流に発生する位相差をオシロスコープにて測定できる。
15週 前期期末試験 技術者倫理、エネルギーと環境を理解して問題を解くことができる。
16週 復習と発電方式 大電力を生み出す発電方式(火力・水力・原子力)について長所・短所を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。2
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。2
分数式の加減乗除の計算ができる。2
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。2
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。2
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。2
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。2
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。2
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。2
1次不等式や2次不等式を解くことができる。2
恒等式と方程式の違いを区別できる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。2
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。1
角を弧度法で表現することができる。2
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。2
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。2
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。2
一般角の三角関数の値を求めることができる。2
2点間の距離を求めることができる。1
内分点の座標を求めることができる。1
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。2
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。1
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
電場・電位について説明できる。2
クーロンの法則が説明できる。2
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
化学(一般)化学(一般)原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。1
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。1
価電子の働きについて説明できる。1
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。2
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2前5
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2前5
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。2
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。1
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。1
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。1
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。1
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。2
網目電流法を用いて回路の計算ができる。2
節点電位法を用いて回路の計算ができる。2
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。2
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2
静電エネルギーを説明できる。1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。1前14
自己誘導と相互誘導を説明できる。1
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。1
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2前6
原子の構造を説明できる。2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。2前7
電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。2前10
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。2前11
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。2前12
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。2前13
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。2
オシロスコープの動作原理を説明できる。2前8
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。1前2
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。2前2
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。2前2
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。2
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。2
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。2
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。2
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。2
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。2
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。2
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。2
共振について、実験結果を考察できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70200550100
基礎的能力4010055060
専門的能力2010000030
分野横断的能力100000010