計測工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 計測工学
科目番号 0118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 計測工学 前田良昭、木村一郎、押田至啓著 コロナ社/随時配布するプリント
担当教員 藤井 正光

到達目標

1.計測・測定の定義と計測方法の分類について説明できる。
2.国際単位(SI単位)系の構成を理解し、SI基本単位およびSI接頭語を説明できる。
3.測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、合成誤差を考慮し、測定誤差を低減できる。
4.各種物理量の計測原理と計測方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI基本単位を7つ挙げる事ができ、SI組立単位の次元を解析する事が出来るSI基本単位を挙げる事ができるSI基本単位を一つも挙げる事が出来ない
評価項目2測定誤差の原因や誤差の伝搬を踏まえ、発生する測定誤差の範囲を推定できる測定誤差の原因や種類を挙げ、それらについて説明する事が出来る測定誤差の原因や種類を挙げる事が出来ない
評価項目3いくつかの測定器の原理や使用法を説明でき、正しく使用できるいくつかの測定器の原理や使用法を説明できる測定器の原理や使用法を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・物理量を表すための標準単位系(SI単位系)について学習する
・物理量を数値化する上で重要な有効数字の取り扱いや、測定誤差を軽減する手法について学習する
・各種物理量を測定するための測定器の基本動作原理や使用法について学習する
授業の進め方・方法:
・ 授業は講義形式で行う。その他の評価は、随時出題される課題を積極的に回答・提出する事で加点される
・ 授業で学ぶセンサ類・測定機器を利用した実験を創造実験1で行うので、測定方法や原理などの理解を深めること
・ 定期試験テスト前後には、重要な箇所についてレポート課題を課すので、期限に遅れず提出すること
注意点:
・ 数列の総和や指数関数などの計算を多用するため、関数電卓を準備しておくこと
・ 情報リテラシーⅠ・Ⅱにおけるエクセルを用いた数値解析を習得していれば、線形補間などの数値解析に応用できる

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要の説明~計測とは 計測と測定の定義を説明できる
2週 SI基本単位の定義と標準1 SI単位の基本単位を7つ挙げる事が出来る
3週 SI基本単位の定義と標準2 SI接頭語を説明できる
SI組立単位を説明できる
4週 SI単位と次元、様々な量の次元の計算 SI組立単位の次元解析ができる
5週 目盛の読み取りと記録 直尺の目盛の読み取りができる
計測には必ず誤差が発生する事を説明できる
6週 数値の丸めと有効数字 有効数字と有効桁数について説明ができる
有効数字の含む数値範囲を示すことができる
7週 前期中間試験 前期中間試験
8週 試験返却・解答 試験返却・解答
2ndQ
9週 有効数字の演算 有効数字の四則演算ができる
有効数字の演算により有効桁数が変化する事を説明できる
10週 測定で生じる誤差の種類と原因 測定時に発生する誤差の種類を説明できる
誤差発生の原因と改善方法を説明できる
11週 不確かさ(誤差)の性質とその表現 誤差の3公理を説明できる
誤差、偏差、残差について説明できる
12週 測定値の統計的処理 標準偏差を導出する事が出来る
一定確率(68.3%, 95.4%)で含まれる誤差の範囲を推定できる
13週 測定結果の表し方 度数表とヒストグラムを用いて測定結果を整理できる
14週 測定精度の見積り
平均による偶然誤差の平坦化
正確度と精密度を説明できる
平均と移動平均を算出できる
15週 前期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答
後期
3rdQ
1週 誤差の伝搬 間接測定では、複数の測定誤差が影響する事を説明できる
2週 測定精度の推定 誤差の伝搬に基づいた間接測定の精度を推定できる
3週 測定精度の計画 誤差等分の原理に基づいた測定精度の計画ができる
4週 測定値の線形補間 線形補間を用いて、測定値間の数値を推定できる
5週 最小二乗法の原理 最小二乗法による数値補間の原理を説明できる
6週 最小二乗法の測定値への適用 最小二乗法を用いて、測定値間の数値を推定できる
7週 後期中間試験 後期中間試験
8週 試験返却・解答 試験返却・解答
4thQ
9週 長さなどの計測方法 主要な長さなどの測定方法を説明できる
10週 抵抗・インピーダンスなどの計測方法 主要な抵抗・インピーダンスなどの測定方法を説明できる
11週 有効電力、無効電力、力率などの計測方法 主要な有効電力、無効電力、力率などの測定方法を説明できる
12週 温度などの計測方法 主要な温度などの測定方法を説明できる
13週 圧力などの計測方法 主要な圧力などの測定方法を説明できる
14週 質量などの計測方法 主要な質量などの測定方法を説明できる
15週 後期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。3前5,前6,前10,前11,前14
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。3前2,前3,前4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14
電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。2前1,前10,後10,後11,後15
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3前5,前6,前7,前11,前12,前14
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3前2,前3,前4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。2前1
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。2後10
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2後10
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。2後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010300100
基礎的能力2000010030
専門的能力40001020070
分野横断的能力0000000