制御工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0129 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「やさしく学べる制御工学」: 今井,竹口,能勢 (森北出版)
担当教員 宮崎 孝

到達目標

1. ラプラス変換を用いて制御対象を伝達関数で表現し,1次遅れ要素等の代表的な伝達関数の時間応答について説明できる
2. 周波数伝達関数とは何かを説明でき,対象のボード線図を描いて周波数特性を説明できる
3. 制御系の設計時に注意すべき性能について説明でき,与えられた仕様を満たす設計ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1ラプラス変換を用いて制御対象を伝達関数で表現できるラプラス変換ができるラプラス変換ができない
到達目標2対象のボード線図を描いて周波数特性を説明できる対象のボード線図が描ける対象のボード線図が描けない
到達目標3与えられた仕様を満たす制御系の設計ができる与えられた仕様を満たす制御系の設計について説明できる制御系の設計時に注意すべき性能について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子制御化が進む多くの産業分野で必要となる制御工学について学ぶ.抽象的な理論に対してはできるだけ多くの例題に触れ,学んだ理論を実際に応用できる能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
・座学による講義が中心となる
・必要に応じてレポート・演習を課し,各自の理解の度合いを確認する
・MATLABによるコンピュータシミュレーションを行う
注意点:
【関連する科目】
数学:微分・積分,複素関数,ベクトル解析   物理:運動方程式
電気:基本的な電気回路   機械:機械力学
【学習上の助言】
講義で学ぶ抽象的な理論を,各自の様々な経験や身近な体験を通して説明できるように理解を深めることが重要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要,フィードバック制御の構成要素,ラプラス変換 フィードバック制御の定義と構成要素について説明できる
2週 ラプラス変換の計算 ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる
3週 制御対象のモデリング 制御対象の伝達関数を求めることができる
4週 制御系の伝達関数とブロック線図,等価変換 伝達関数とブロック線図を相互に変換できる
5週 インパルス応答,ステップ応答 伝達関数のインパルス応答,ステップ応答を計算できる
6週 周波数応答,ベクトル軌跡,ボード線図 周波数伝達関数について説明でき,1ベクトル軌跡やボード線図を描くことができる
7週 中間テスト
8週 試験返却・解説
コンピュータによる応答の表示
コンピュータを使い伝達関数の時間応答や周波数応答を表示できる
2ndQ
9週 ラウス・フルビッツの安定判別法 ラウスの方法を用いて開ループ系の安定性を判定できる
10週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法により,閉ループ系の安定性を判別できる
11週 制御仕様の周波数領域での表現 周波数特性を使い制御系の仕様を表現できる
12週 補償要素 補償要素の制御特性への影響を説明できる
13週 サーボ系設計 制御仕様を満たすサーボ系の設計ができる
14週 コンピュータによる制御系のPIDコントローラの設計 コンピュータを使い,PID制御器の設計と制御特性の確認ができる
15週 期末試験
16週 試験返却・解説
間違えた部分を訂正できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後5,後6
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後5,後6
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後8,後9,後10
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後11,後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力1000010020
専門的能力6000020080
分野横断的能力0000000