計測工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0149 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 計測工学 前田良昭、木村一郎、押田至啓著 コロナ社/随時配布するプリント
担当教員 藤井 正光

到達目標

1.計測・測定の定義と計測方法の分類について説明できる。
2.国際単位(SI単位)系の構成を理解し、SI基本単位およびSI接頭語について説明できる。
3.測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、誤差の伝搬について説明できる。
4.各種物理量の計測原理と計測方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI基本単位を7つ挙げる事ができ、SI組立単位の次元を解析する事が出来るSI基本単位を挙げる事ができるSI基本単位を一つも挙げる事が出来ない
評価項目2測定誤差の原因や誤差の伝搬を踏まえ、発生する測定誤差の範囲を推定できる測定誤差の原因や種類を挙げ、それらについて説明する事が出来る測定誤差の原因や種類を挙げる事が出来ない
評価項目3いくつかの測定器の原理や使用法を説明でき、正しく使用できるいくつかの測定器の原理や使用法を説明できる測定器の原理や使用法を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・物理量を表すための標準単位系(SI単位系)について学習する
・物理量を数値化する上で重要な有効数字の取り扱いや、測定誤差を軽減する手法について学習する
・各種物理量を測定するための測定器の基本動作原理や使用法について学習する
授業の進め方・方法:
・ 授業は講義形式で行う。その他の評価は、随時出題される課題を積極的に回答・提出する事で加点される
・ 定期試験テスト前後には、重要な箇所についてレポート課題を課すので、期限に遅れず提出すること
注意点:
・ 数列の総和や指数関数などの計算を多用するため、関数電卓を準備しておくこと
・ エクセルを用いた数値計算手法を習得していれば、線形補間などの数値解析に応用できる

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要の説明~計測とは
SI基本単位の定義と標準1
・計測と測定の定義を説明できる
・SI単位の基本単位を7つ挙げる事が出来る
・SI接頭語を説明できる
2週 SI基本単位の定義と標準2 ・SI組立単位を説明できる
・計測標準とトレーサビリティについて説明できる
3週 計測の基礎
目盛の読み取りと記録
・計測方法の分類について説明できる
・直尺の目盛の読み取りができる
・計測には必ず誤差が発生する事を説明できる
4週 数値の丸めと有効数字 ・有効数字と有効桁数について説明ができる
・有効数字の含む数値範囲を示すことができる
5週 有効数字の演算 ・有効数字の四則演算ができる
・有効数字の演算により有効桁数が変化する事を説明できる
6週 測定で生じる誤差の種類と原因 ・測定時に発生する誤差と原因について説明できる
・有効数字を考慮して測定値の処理ができる
7週 前期中間試験 前期中間試験
8週 試験返却・解答
不確かさ(誤差)の性質とその表現
試験返却・解答
・誤差の3公理を説明できる
2ndQ
9週 測定値の統計的処理 ・標準偏差を導出する事が出来る
・一定確率(68.3%, 95.4%)で含まれる誤差の範囲を推定できる
10週 測定結果の表し方 ・度数表とヒストグラムを用いて測定結果を整理できる
11週 測定精度の見積り
平均による偶然誤差の平坦化
・正確度と精密度について説明できる
・平均と移動平均を算出できる
12週 誤差の伝搬 ・間接測定では、複数の測定誤差が影響する事を説明できる
13週 測定精度の推定 ・誤差の伝搬に基づいた間接測定の精度を推定できる
14週 測定精度の計画 誤差等分の原理に基づいた測定精度の計画ができる
15週 前期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答
後期
3rdQ
1週 測定値の線形補間 線形補間を用いて、測定値間の数値を推定できる
2週 最小二乗法の原理 最小二乗法による数値補間の原理を説明できる
3週 最小二乗法の測定値への適用 最小二乗法を用いて、測定値間の数値を推定できる
4週 電圧・電流の測定1 ・指示計器の動作原理について説明できる
・指示計器を使用して、電圧・電流を測定する方法について説明できる。
5週 電圧・電流の測定2 ・倍率器や分流器を利用した電圧、電流の測定範囲の拡大について説明できる。
6週 電圧・電流の測定3 ・A/D変換を利用した電圧測定の原理について説明できる。
7週 後期中間試験 後期中間試験
8週 試験返却・解答 試験返却・解答
4thQ
9週 抵抗・インピーダンスなどの測定 ・電圧降下法による抵抗値測定の原理を説明できる。
・ブリッジ回路を用いたインピーダンス測定の原理を説明できる。
10週 電力・電力量の測定1 ・有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法について説明できる
11週 電力・電力量の測定2 ・電力量の測定原理について説明できる
12週 波形観測 ・オシロスコープの動作原理について説明できる。
13週 長さ・温度などの測定 主要な長さや温度などの測定方法と測定機器について説明できる
14週 圧力・歪などの測定 主要な圧力や歪などの測定方法と測定機器について説明できる
15週 後期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。2前3
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。2前6,前8,前9,前11
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。2前1,前2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。2前1,前3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前4,前5,前6,前9,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2前1,前2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。2前2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2後4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。2後5
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2後6
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。2後9
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2後9
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。2後10
電力量の測定原理を説明できる。2後11
オシロスコープの動作原理を説明できる。2後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010300100
基礎的能力0000000
専門的能力600010300100
分野横断的能力0000000