電気電子基礎

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気電子基礎
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 はじめての電気工学 [臼田昭司・他]
担当教員 中井 一文

到達目標

1負荷抵抗における電圧と電流の関係を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
2電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要を説明できる。
3キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1負荷抵抗における電圧と電流の関係を理解でき回路計算ができる。負荷抵抗における電圧と電流の関係をおおよそ理解でき回路計算がだいたいできる。負荷抵抗における電圧と電流の関係を理解できず、回路計算もできない。
評価項目2電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要を説明できる。電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要をおおよそ説明できる。 電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要を説明できない。
評価項目3キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることがほぼできる。キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路に対する基本概念である直流回路で扱う種々の電気系量(電圧、電流、抵抗、コンダクタンス、静電容量、電力、電力量など)の定義、単位記号及びこれらの間に成立つ関係について学習する。その過程において、直流回路において生じる合成抵抗や電圧、電流を導出する方法や問題解答の基本的な記述法についても学ぶ。
さらに電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解するための学習を行う。
授業の進め方・方法:
・ 原則として、毎回演習を行う。そのためには授業時間外の自主学習は必須である。
・ 小テスト得点が指定水準未満の学生は、指定した課題を提出した場合、その不足している得点を挽回できる。
・ 小テスト累積得点に基準を設け、期末テスト受験の条件とする。
・ 教科書における重要な単語は赤字で、英語表記を添えて記入してあり、これらも学習対象とする。
授業中にマルチメータやICTツール(タブレット)を積極的に使い、電気電子システムの役割を理解する。
注意点:
・ 授業は30分講義+60分演習(小テスト)形式で行う。
・ 電気回路を理解するには基礎的な算数数学の知識が必要不可欠である。方程式や分数の計算、や三角関数など、数学系科目で履修した分野も含めた豊富な演習を、小テスト形式で行う。
・ 実技課題では6人程度のグループに分割して授業を行う。グループで課題に取り組み、お互いの理解を深めあう。教材としてマルチメータとELVISを使用し、直流回路における基礎を実技にて理解し、その成果を電子データで提出する。
・ 夏休み、冬休みには宿題を課すので、期限に遅れず提出する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の方針について理解できる。
2週 直流回路の基礎(1) 電荷、電圧、電流の概念をことばで説明できるオームの法則を用いて抵抗を流れる電流や抵抗両端電圧を計算できる
3週 直流回路の基礎(2) SI単位の基本7単位と10^-12から10^12の接頭語を理解し、単位換算ができる。
4週 直流回路の基礎(3) 電圧降下法を用いて、抵抗の測定ができる。
5週 直流回路の基礎(4) オームの法則を用いて抵抗を流れる電流や抵抗両端電圧を計算できる
6週 電気回路の基本法則(1) 分圧回路および分流回路を用いて、任意の電圧や電流を生じる抵抗の組み合わせを求めることができる
7週 中間試験
8週 電気回路の基本法則(2) 分圧回路および分流回路を用いて、任意の電圧や電流を生じる抵抗の組み合わせを求めることができる
電圧降下法を用いて、抵抗の測定ができる。
2ndQ
9週 電気回路の基本法則(3) 直流の回路網にキルヒホッフの法則を適用することができる。
10週 電気回路の基本法則(4) 直流の回路網にキルヒホッフの法則を適用することができる。
11週 電気のもつエネルギー(1) 電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
12週 電気のもつエネルギー(2) 電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
13週 電気抵抗とは(1) 抵抗の性質を理解でき、抵抗率と長さの関係を理解して計算できる。
14週 電気抵抗とは(2) 導電率・温度による抵抗値の変化について計算できる。
15週 期末試験
16週 試験返却・回答
後期
3rdQ
1週 磁界の強さ(1) 磁界の強さを計算できる。
ビオサバールの法則について計算できる。
2週 磁界の強さ(2) アンペールの周回路の法則について理解できる。
3週 モータを回転させる力(1) 磁界の強さと磁束密度の計算ができる。
4週 モータを回転させる力(2) 電磁力の大きさと方向を求めることができる
直流モータの動作の概略を説明できる
電磁誘導について、言葉でと式を用いて説明できる。
5週 磁束を通しやすい物質(1) 起磁力と磁気抵抗について計算できる。
6週 磁束を通しやすい物質(2) 磁気回路と電気回路の対応について理解できる。
7週 中間試験
8週 磁束を通しやすい物質(3) 電磁誘導で発生する起電力の大きさと方向を求めることができる。
自己インダクタンスと相互インダクタンスについて、式と言葉で説明できる。
4thQ
9週 コイルに発生する起電力(1) 電磁誘導と誘導起電力について理解できる。
10週 コイルに発生する起電力(2) 誘導起電力について理解し、種々の計算ができる。
11週 交流回路の基礎(1) 正弦波交流について理解し、種々の計算ができる。
12週 交流回路の基礎(2) フェーザ表示と複素数表示について理解できる。変圧器の構造について理解できる。
13週 コイルのはたらき(1) 自己誘導と自己インダクタンスについて理解できる。
14週 コンデンサのはたらき(1) 平行平板コンデンサの構造と電界および電束について説明できる。静電容量を求めることができ、電荷と電圧、静電容量の関係を説明できる。
コンデンサの直列接続、並列接続、直並列接続の合成静電容量を計算できる。
15週 期末試験
16週 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。1
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。1
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。1
FETの特徴と等価回路を説明できる。1
電子工学真性半導体と不純物半導体を説明できる。1
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。1
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。1
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。1
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。1
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。1
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。2
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力5000040090
分野横断的能力000010010