概要:
電気回路に対する基本概念である直流回路で扱う種々の電気系量(電圧、電流、抵抗、コンダクタンス、静電容量、電力、電力量など)の定義、単位記号及びこれらの間に成立つ関係について学習する。その過程において、直流回路において生じる合成抵抗や電圧、電流を導出する方法や問題解答の基本的な記述法についても学ぶ。
さらに電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解するための学習を行う。
授業の進め方・方法:
・ 原則として、毎回演習を行う。そのためには授業時間外の自主学習は必須である。
・ 教科書における重要な単語は赤字で、英語表記を添えて記入してあり、これらも学習対象とする。
・授業中にマルチメータやICTツール(タブレット)を積極的に使い、電気電子システムの役割を理解する。
注意点:
・ 授業は30分講義+60分演習(小テスト)形式で行う。
・ 電気回路を理解するには基礎的な算数数学の知識が必要不可欠である。方程式や分数の計算、や三角関数など、数学系科目で履修した分野も含めた豊富な演習を行う。
・ 実技課題では6人程度のグループに分割して授業を行う。グループで課題に取り組み、お互いの理解を深めあう。教材としてマルチメータとELVISを使用し、直流回路における基礎を実技にて理解し、その成果を電子データで提出する。
・ 夏休み、冬休みには宿題を課すので、期限に遅れず提出する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の方針について理解できる。
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2週 |
直流回路の基礎(1) |
電荷、電圧、電流の概念をことばで説明できる。 SI単位の基本7単位と10^-12から10^12の接頭語を理解し、単位換算ができる。
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3週 |
直流回路の基礎(2) |
電圧降下法を用いて、抵抗の測定ができる。 オームの法則を用いて抵抗を流れる電流や抵抗両端電圧を計算できる。
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4週 |
電気回路の基本法則(1) |
分圧回路および分流回路を用いて、任意の電圧や電流を生じる抵抗の組み合わせを求めることができる。 電圧降下法を用いて、抵抗の測定ができる。
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5週 |
電気回路の基本法則(2) |
重ね合わせの理を用いて直流回路網の計算ができる。
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6週 |
電気回路の基本法則(3) |
キルヒホッフの法則を説明することができる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
電気回路の基本法則(4) |
直流の回路網にキルヒホッフの法則を適用することができる。
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2ndQ |
9週 |
電気回路の基本法則(5) |
テブナンの定理を説明することができる。
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10週 |
電気回路の基本法則(6) |
直流の回路網にテブナンの定理を適用することができる。
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11週 |
電気のもつエネルギー |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
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12週 |
電気抵抗とは |
抵抗の性質を理解でき、抵抗率と長さの関係を理解して計算できる。 導電率・温度による抵抗値の変化について計算できる。
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13週 |
磁界の強さ(1) |
磁界の強さを計算できる。 ビオサバールの法則について計算できる。
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14週 |
磁界の強さ(2) |
アンペールの周回路の法則について理解できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験返却・解答 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
モータを回転させる力(1) |
磁界の強さと磁束密度の計算ができる。 電磁力の大きさと方向を求めることができる。
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2週 |
モータを回転させる力(2) |
直流モータの動作の概略を説明できる。 電磁誘導について、言葉と式を用いて説明できる。
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3週 |
磁束を通しやすい物質(1) |
起磁力と磁気抵抗について計算できる。
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4週 |
磁束を通しやすい物質(2) |
磁気回路と電気回路の対応について理解できる。
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5週 |
磁束を通しやすい物質(3) |
電磁誘導で発生する起電力の大きさと方向を求めることができる。
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6週 |
コイルに発生する起電力(1) |
電磁誘導と誘導起電力について理解できる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
コイルに発生する起電力(2) |
誘導起電力について理解し、種々の計算ができる。
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4thQ |
9週 |
コイルのはたらき(1) |
自己誘導と自己インダクタンスについて理解できる。
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10週 |
コイルのはたらき(2) |
自己インダクタンスと相互インダクタンスについて、式と言葉で説明できる。
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11週 |
コイルのはたらき(3) |
変圧器の構造について理解できる。
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12週 |
コンデンサのはたらき(1) |
平行平板コンデンサの構造と電界および電束について説明できる。
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13週 |
コンデンサのはたらき(2) |
静電容量を求めることができ、電荷と電圧、静電容量の関係を説明できる。
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14週 |
コンデンサのはたらき(3) |
コンデンサの直列接続、並列接続、直並列接続の合成静電容量を計算できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験返却・解答 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | |
自然科学 | 物理 | 電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 3 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 3 | |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 3 | |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 3 | |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 1 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 1 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 1 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 1 | |
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。 | 1 | |
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。 | 1 | |
磁界中の電流に作用する力を説明できる。 | 1 | |
電子工学 | 真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 1 | |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 1 | |
計測 | 精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 3 | |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 3 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 3 | |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 3 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 3 | |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 3 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 3 | |
情報系分野 | その他の学習内容 | オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 4 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 4 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。 | 4 | |