概要:
・物理量を表すための標準単位系(SI単位系)について学習する。
・物理量を数値化する上で重要な有効数字の取り扱いや、測定誤差を軽減する手法について学習する。
・各種物理量を測定するための測定器の基本動作原理や使用法について学習する。
※実務との関係
この科目は企業で医療機器の設計開発を担当していた教員が、その経験を活かし、計測工学に関わる基礎的事項から装置開発の実務に至る事項について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う。
・学習内容の定着のため、授業中に演習を行うとともに、予習復習のための課題を課す。
・内容理解度の確認のため、小テストを実施する。
注意点:
・講義内容は、工学実験や卒業研究における測定機器を使用する上で必須事項であることを念頭に、理解を深める必要がある。
・関数電卓を準備しておく必要が有る。
・実際に計測装置を使う場合は、教員の指示に従い、安全に十分注意する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。 | 3 | |
自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 2 | |
電場・電位について説明できる。 | 2 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 1 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 2 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 2 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 2 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 2 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 1 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 1 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 1 | |
電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 3 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 3 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 3 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 3 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 3 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 3 | |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 3 | |
静電エネルギーを説明できる。 | 3 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 3 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 1 | |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 2 | |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 1 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 1 | |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 1 | |
計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 3 | |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 2 | |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 2 | |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 2 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 2 | |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 2 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 2 | |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 2 | |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 2 | |
電力量の測定原理を説明できる。 | 2 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 2 | |
情報系分野 | その他の学習内容 | ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。 | 2 | |
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 2 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 2 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 2 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 2 | |