計測工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0091 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高校数学でマスターする計測工学―基礎から応用まで
担当教員 坂牧 孝規

到達目標

1.計測・測定の定義と計測方法の分類について説明できる。
2.国際単位(SI単位)系の構成を理解し、SI基本単位およびSI接頭語を説明できる。
3.測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、合成誤差を考慮し、測定誤差を低減できる。
4.各種物理量の計測原理と計測方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI基本単位を7つ挙げる事ができ、SI組立単位の次元を解析する事が出来るSI基本単位を挙げる事ができるSI基本単位を一つも挙げる事が出来ない
評価項目2測定誤差の原因や誤差の伝搬を踏まえ、計算ができる測定誤差の原因や種類を挙げ、それらについて説明する事が出来る測定誤差の原因や種類を挙げる事が出来ない
評価項目3複数の計測装置の構造や、使用方法を説明できる計測装置の基本構造を説明できる計測装置の基本構造を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (B3) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標  (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・物理量を表すための標準単位系(SI単位系)について学習する。
・物理量を数値化する上で重要な有効数字の取り扱いや、測定誤差を軽減する手法について学習する。
・各種物理量を測定するための測定器の基本動作原理や使用法について学習する。
※実務との関係
 この科目は企業で医療機器の設計開発を担当していた教員が、その経験を活かし、計測工学に関わる基礎的事項から装置開発の実務に至る事項について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う。
・学習内容の定着のため、授業中に演習を行うとともに、予習復習のための課題を課す。
・内容理解度の確認のため、小テストを実施する。
注意点:
・講義内容は、工学実験や卒業研究における測定機器を使用する上で必須事項であることを念頭に、理解を深める必要がある。
・関数電卓を準備しておく必要が有る。
・実際に計測装置を使う場合は、教員の指示に従い、安全に十分注意する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測工学の基本概念 何を学ぶのか説明できる
2週 国際単位系1 SI単位の基本単位を7つ挙げる事が出来る
3週 国際単位系2 SI接頭語を説明できる
SI組立単位を説明できる
SI組立単位の次元解析ができる
4週 測定の誤差と精度 測定の種類を説明できる
誤差の種類を説明できる
5週 有効数字 有効数字と有効桁数を考慮した計算ができる
6週 計算誤差 桁落ち誤差、打切り誤差、情報落ち誤差、丸め誤差を考慮した、計算ができる
7週 誤差と統計 誤差の三公理を説明できる
正規分布、平均、標準偏差の関係を説明できる
8週 前期中間試験 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解答 試験返却・解答
10週 不偏推定量 母平均、母分散、標本平均、標本分散の計算ができる
11週 測定値の統計的処理 与えられたデータから度数表とヒストグラムを作成できる
12週 最小二乗法 最小二乗法の計算ができる
13週 アナログ測定器 アナログ測定器の構造をブロックダイアグラムで図示できる

14週 テスタ テスタの構造、機能について説明できる
15週 前期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答
後期
3rdQ
1週 デジタル測定器 デジタル測定器の構成をブロックダイアグラムで図示できる
2週 センサ センサの種類と機能を説明できる
3週 増幅器 オペアンプを用いた増幅回路の概要について説明ができる
4週 A/Dコンバータ A/Dコンバータの構造を説明できる
量子化誤差について説明できる
5週 デジタル量 サンプリング定理とエリアシングについて説明できる
6週 オシロスコープ オシロスコープの機能について、概要を説明できる
7週 後期中間試験 後期中間試験
8週 試験返却・解答 試験返却・解答
4thQ
9週 周波数解析 周波数解析の概要について説明できる
10週 ノイズ除去とフィルタ バンドパスフィルタとノッチフィルタにの機能について説明できる
11週 物理量の計測 質量、圧力、加速度、角加速度の計測方法について説明できる
12週 画像計測 画像計測の方法について説明できる
13週 生体計測 生体信号の計測方法について説明できる
14週 コンピュータを用いた計測 コンピュータと計測装置の接続方法について説明できる
15週 後期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
電場・電位について説明できる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。1
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。1
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。1
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。1
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。1
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。1
演算増幅器の特性を説明できる。1
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。1
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。2
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。2
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。2
電力量の測定原理を説明できる。2
オシロスコープの動作原理を説明できる。2
情報系分野その他の学習内容ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。2
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。2
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。2
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。2
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力2000010030
専門的能力4000020060
分野横断的能力000010010