工学数理基礎2

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工学数理基礎2
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 金原粲編著:これだけはおさえたい物理(実教出版),金原粲監修:これだけはおさえたい理工系の基礎数学(実教出版)
担当教員 溝口 卓哉

到達目標

1.仕事とエネルギーに関する物理法則を使って,力学現象を説明できる.
2.熱に関する物理法則を使って,熱現象を説明できる.
3.指数関数,対数関数,ベクトル,微分,積分を工学分野で活用できる。
4.偏微分,重積分を工学分野で活用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1仕事とエネルギーに関する物理法則を使って,複雑な力学現象を説明できる.仕事とエネルギーに関する物理法則を使って,簡単な力学現象を説明できる.仕事とエネルギーに関する物理法則を使って,簡単な力学現象を説明できない.
評価項目2熱に関する物理法則を使って,複雑な熱現象を説明できる.熱に関する物理法則を使って,簡単な熱現象を説明できる.熱に関する物理法則を使って,簡単な熱現象を説明できない.
評価項目3指数関数,対数関数,ベクトル,微分,積分の複雑な計算ができる。指数関数,対数関数,ベクトル,微分,積分の簡単な計算ができる。指数関数,対数関数,ベクトル,微分,積分の簡単な計算ができない。
評価項目4偏微分,重積分の複雑な計算ができる。偏微分,重積分の簡単な計算ができる。偏微分,重積分の簡単な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
後期:仕事とエネルギーに関する力学現象,熱現象の基礎を学ぶ。
前期:高専2~3年に学んだ数学の復習と偏微分,重積分を学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期:講義と自宅学習を含む演習を行う。各節ごとに担当者を決め、教科書を音読と教員からの質問に対応させる。
後期:途中まで演習が中心で、必要に応じて講義を行う。偏微分と重積分の部分は講義と演習を行う。
演習では、答案を自己採点し、それを学習記録シートに転記し、授業の最後または次回の授業の最初に提出させる。
注意点:
教科書の説明と例題の解答をよく理解した上で、問題を解くようにすること。
理解が不十分な演習問題は,試験までに再度解いて試験に臨むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 仕事とは 定義を使って仕事を計算できる。
2週 仕事率 仕事率を使って状態の変化を計算できる。
3週 力学的エネルギーとは 力学的エネルギーについて説明できる。
4週 運動エネルギー 運動エネルギーを使って,質量や速度等の物理量を計算できる。
5週 重力と弾性力による位置エネルギー 重力と弾性力による位置エネルギーが計算できる。
6週 力学的エネルギー保存の法則と適用例 力学的エネルギー保存の法則を使って速度等の物理量を計算できる。
7週 力学的エネルギーが保存しない場合の例 力学的エネルギー保存の法則が適用できる条件を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 温度とは 熱とは何かを説明できる。
10週 分子の平均運動エネルギー 分子の運動エネルギーと温度の関係を説明できる。
11週 熱とは 熱とは何かを説明できる。
12週 理想気体におよぼす仕事 体積変化による仕事を計算できる.
13週 ボイル・シャルルの法則 体積,温度,圧力の変化が計算できる.
14週 熱容量と比熱 熱サイクルの効率を求めることができる.
15週 前期前末試験
16週 熱量の保存 熱量の保存を使って,温度を計算できる。
後期
3rdQ
1週 指数関数と対数関数(1) 指数関数の計算ができ、グラフが書ける。
2週 指数関数と対数関数(2) 対数関数の計算ができ、グラフが書ける。
3週 ベクトル ベクトルの基本計算ができる。
4週 微分(1) 積・商の微分が計算できる。
5週 微分(2) 合成関数の微分の計算ができる.
6週 微分(3) 速度、加速度の計算ができる。
7週 積分(1) 置換積分と部分積分の計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 積分(2) 定積分の計算ができる。
10週 複素数 四則演算および複素数を極形式に変換できる。
11週 偏微分(1) 基本的な計算ができる。
12週 偏微分(2) 合成関数の偏微分の計算ができる。
13週 重積分(1) 簡単な2重積分の計算ができる。
14週 重積分(2) 剛体の重心と慣性モーメントを計算できる。
15週 後期期末試験
16週 テスト返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。2
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3
自然科学物理力学平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合600010300100
基礎的能力600010300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000