計測工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0171 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高校数学でマスターする計測工学―基礎から応用まで
担当教員 坂牧 孝規

到達目標

1.計測・測定の定義と計測方法の分類について説明できる。
2.国際単位(SI単位)系の構成を理解し、SI基本単位およびSI接頭語を説明できる。
3.測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、合成誤差を考慮し、測定誤差を低減できる。
4.各種物理量の計測原理と計測方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI基本単位を7つ挙げる事ができ、SI組立単位の次元を解析する事が出来るSI基本単位を挙げる事ができるSI基本単位を一つも挙げる事が出来ない
評価項目2測定誤差の原因や誤差の伝搬を踏まえ、計算ができる測定誤差の原因や種類を挙げ、それらについて説明する事が出来る測定誤差の原因や種類を挙げる事が出来ない
評価項目3複数の計測装置の構造や、使用方法を説明できる計測装置の基本構造を説明できる計測装置の基本構造を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (B3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・物理量を表すための標準単位系(SI単位系)について学習する。
・物理量を数値化する上で重要な有効数字の取り扱いや、測定誤差を軽減する手法について学習する。
・各種物理量を測定するための測定器の基本動作原理や使用法について学習する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義形式で行う。
・学習内容の定着のため、授業中に演習を行うとともに、予習復習のための課題を課す。
・内容理解度の確認のため、小テストを実施する。
注意点:
・講義内容は、工学実験や卒業研究における測定機器を使用する上で必須事項であることを念頭に、理解を深める必要がある。
・関数電卓を準備しておく必要が有る。
・実際に計測装置を使う場合は、教員の指示に従い、安全に十分注意する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測工学の基本概念 何を学ぶのか説明できる
2週 国際単位系1 SI単位の基本単位を7つ挙げる事が出来る
3週 国際単位系2 SI接頭語を説明できる
SI組立単位を説明できる
SI組立単位の次元解析ができる
4週 測定の誤差と精度 測定の種類を説明できる
誤差の種類を説明できる
5週 有効数字 有効数字と有効桁数を考慮した計算ができる
6週 計算誤差 桁落ち誤差、打切り誤差、情報落ち誤差、丸め誤差を考慮した、計算ができる
7週 誤差と統計 誤差の三公理を説明できる
正規分布、平均、標準偏差の関係を説明できる
8週 前期中間試験 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解答 試験返却・解答
10週 不偏推定量 母平均、母分散、標本平均、標本分散の計算ができる
11週 測定値の統計的処理 与えられたデータから度数表とヒストグラムを作成できる
12週 最小二乗法 最小二乗法の計算ができる
13週 アナログ測定器 アナログ測定器の構造をブロックダイアグラムで図示できる

14週 テスタ テスタの構造、機能について説明できる
15週 前期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答
後期
3rdQ
1週 デジタル測定器 デジタル測定器の構成をブロックダイアグラムで図示できる
2週 センサ センサの種類と機能を説明できる
3週 増幅器 オペアンプを用いた増幅回路の概要について説明ができる
4週 A/Dコンバータ A/Dコンバータの構造を説明できる
量子化誤差について説明できる
5週 デジタル量 サンプリング定理とエリアシングについて説明できる
6週 オシロスコープ オシロスコープの機能について、概要を説明できる
7週 後期中間試験 後期中間試験
8週 試験返却・解答 試験返却・解答
4thQ
9週 周波数解析 周波数解析の概要について説明できる
10週 ノイズ除去とフィルタ バンドパスフィルタとノッチフィルタにの機能について説明できる
11週 物理量の計測 質量、圧力、加速度、角加速度の計測方法について説明できる
12週 画像計測 画像計測の方法について説明できる
13週 生体計測 生体信号の計測方法について説明できる
14週 コンピュータを用いた計測 コンピュータと計測装置の接続方法について説明できる
15週 後期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。2
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。2
分数式の加減乗除の計算ができる。2
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。2
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。2
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。2
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。2
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。2
簡単な連立方程式を解くことができる。2
無理方程式・分数方程式を解くことができる。2
1次不等式や2次不等式を解くことができる。2
1元連立1次不等式を解くことができる。2
基本的な2次不等式を解くことができる。2
恒等式と方程式の違いを区別できる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。2
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。2
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。2
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。1
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。1
角を弧度法で表現することができる。1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。1
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。1
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。1
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。1
導関数の定義を理解している。1
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。1
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。1
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。1
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。1
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。1
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。1
微積分の基本定理を理解している。1
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。1
2重積分を累次積分になおして計算することができる。1
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。1
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。1
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。1
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電子回路利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。1
演算増幅器の特性を説明できる。2
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。2
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。2
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。2
電力量の測定原理を説明できる。2
オシロスコープの動作原理を説明できる。2
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力2000010030
専門的能力4000030070
分野横断的能力0000000