電気電子基礎

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子基礎
科目番号 21205 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報機械システム工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての電気工学 [臼田昭司・他、森北出版]
担当教員 北原 司,西山 延昌

到達目標

1負荷抵抗における電圧と電流の関係を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
2電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要を説明できる。
3キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1負荷抵抗における電圧と電流の関係を理解でき回路計算ができる。負荷抵抗における電圧と電流の関係をおおよそ理解でき回路計算がだいたいできる。負荷抵抗における電圧と電流の関係を理解できず、回路計算もできない。
評価項目2電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要を説明できる。電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要をおおよそ説明できる。電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解し概要を説明できない。
評価項目3キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることがほぼできる。キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路に対する基本概念である直流回路で扱う種々の電気系量(電圧、電流、抵抗、コンダクタンス、静電容量、電力、電力量など)の定義、単位記号及びこれらの間に成立つ関係について学習する。その過程において、直流回路において生じる合成抵抗や電圧、電流を導出する方法や問題解答の基本的な記述法についても学ぶ。
さらに電気電子の基礎知識として、電気回路や素子、半導体等の専門用語を理解するための学習を行う。
授業の進め方・方法:
・ 原則として、毎回演習を行う。そのためには授業時間外の自主学習は必須である。
・授業中にマルチメータやICTツール(タブレット)を積極的に使い、電気電子システムの役割を理解する。
注意点:
・ 授業は講義+演習(小テスト)形式で行う。
・ 電気回路を理解するには基礎的な算数数学の知識が必要不可欠である。方程式や分数の計算、三角関数など、数学系科目で履修した分野も含めた豊富な演習を行う。
・ 実技課題では6人程度のグループに分割して授業を行う。グループで課題に取り組み、お互いの理解を深めあう。教材としてマルチメータとELVISを使用し、直流回路における基礎を実技にて理解し、その成果を電子データで提出する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
直流回路の基礎(1)
授業の方針について理解できる。
電荷、電圧、電流の概念をことばで説明できる。
2週 直流回路の基礎(2) SI単位の基本7単位と10^-12から10^12の接頭語を理解し、単位換算ができる。
3週 電気回路の基本法則(1) オームの法則を用いて抵抗を流れる電流や抵抗両端電圧を計算できる。
4週 電気回路の基本法則(2) 分圧回路および分流回路を用いて、任意の電圧や電流を生じる抵抗の組み合わせを求めることができる。
5週 電気回路の基本法則(3) 直流の回路網にキルヒホッフの法則を適用することができる。
6週 電気のもつエネルギー、電気抵抗 電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
抵抗の性質を理解でき、抵抗率と長さの関係を理解して計算できる。
導電率・温度による抵抗値の変化について計算できる。
7週 中間試験
8週 試験返却・解答
磁界に関する基本法則(1)
磁荷に関するクーロンの法則について計算できる。
電流による磁界の発生について説明できる。
4thQ
9週 磁界に関する基本法則(2) 磁界の強さを計算できる。
ビオサバールの法則について計算できる。
アンペールの周回路の法則について理解できる。
10週 電磁力とコイルに働くトルク 電磁力の大きさと方向を求めることができる。
方形コイルにおけるトルクの計算ができる。
11週 電気回路と磁気回路の対応 簡単な磁気回路における磁気抵抗の計算ができる。
磁界の強さと磁束密度の計算ができる
12週 電磁誘導 電磁誘導について、言葉と式を用いて説明できる。
電磁誘導で発生する起電力の大きさと方向を求めることができる。
電磁誘導と誘導起電力について、理解できる。
13週 電界に関する基本法則(1) 平行平板コンデンサの構造と電界および電束について説明できる。
静電容量を求めることができる。
電荷と電圧、静電容量の関係を説明できる。
14週 電界に関する基本法則(2) コンデンサの直列接続、並列接続、直並列接続の合成静電容量を計算できる。
15週 期末試験
16週 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2後2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。1
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。1
静電エネルギーを説明できる。1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。1
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。1
磁界中の電流に作用する力を説明できる。1
ローレンツ力を説明できる。1
磁気エネルギーを説明できる。1
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。1
自己誘導と相互誘導を説明できる。1
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力6000030090
分野横断的能力000010010