物理学の学習を通じて、自然現象を系統的、論理的に考えていく能力を養い、広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方、考え方を身につけること。さらに、物理学は科学技術を学ぶための極めて重要な基礎であり、多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識すること。以上を基本目標とする。
物理2では、(1)物体の運動や波動に関する様々な現象を、物理法則と関連づけて考えることができる、(2)物体の運動に関する基礎的な計算をすることができる、(3)粒子性と波動性の違いを理解し、波動に関する基礎的な計算をすることができる、ことを目標とする。
概要:
物体の運動に関する単元の中で等速円運動、単振動、万有引力の法則、剛体の運動および熱、波動に関する単元について学ぶ。「単振動」、「音」、「光」など、自然現象を理解するだけでなく科学技術に応用する上で、極めて基礎的、かつ重要な内容が含まれている。物体の運動や波動に関する基礎的な計算ができるようになることが目標である。
授業の進め方・方法:
自学自習を柱として、授業は、講義と演習、実験・実習から成る。主に講義と演習により、自然への理解を深め、物理学に関する知識の習得を図る。授業ではグループ活動を積極的に取り入れる。
物理2の学習においては、演習への積極的な取り組みが推奨される。演習の成績は、単元の学習目標への到達度を、学習者が客観的に確認するための一つの目安となる。
注意点:
・授業で課せられる演習問題や課題への解答の提出が求められる。演習問題の解答は満点を取るまで再提出のこと。
・授業の内容はノ-トに書き留めておくこと。学んだことを確認するのに役立ちます。疑問があれば,自分で調べ,考えてみよう。解決できなければ、校友と討論したり、あるいは担当教員に質問してください。練習問題を数多く解くのも一つの学習方法です。日々の学習努力が求められます。
・評価割合の項目別に、以下の評価が行われる。
「試験」は年間に4回実施される定期試験の成績である。
「ポートフォリオ」は演習解答、自己評価報告、課題報告、実験報告、CBT等の成績で構成される。
・2021年度は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により,状況を鑑みて授業形態を遠隔授業等に適宜変更する。
また,試験の実施方法や評価項目,評価割合,等を変更する場合があるので,授業時の指示に従うこと。
※学年成績は前期成績・後期成績の平均とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 単振動・円運動(1) |
シラバスの内容を説明することができる。 等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。
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2週 |
単振動・円運動(2) |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。
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3週 |
単振動・円運動(3) |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。
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4週 |
単振動・円運動(4) |
ばね振り子、単振り子に関する計算ができる。
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5週 |
万有引力(1) |
万有引力の法則を説明し、物体間にはたらく万有引力を求めることができる。
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6週 |
万有引力(2) |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。
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7週 |
中間試験 |
既習領域の基礎問題を解くことができる。
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8週 |
中間試験返却・解答 演習(1) |
既習領域の応用問題を解くことができる。
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2ndQ |
9週 |
温度と熱(1) |
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。
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10週 |
温度と熱(2) |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。
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11週 |
仕事と熱(1) |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
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12週 |
実験(1) |
測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 安全を確保して、実験を行うことができる。 実験報告書を決められた形式で作成できる。 有効数字を考慮して、データを集計することができる。 熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
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13週 |
仕事と熱(2) |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。
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14週 |
エネルギー |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 熱機関について理解し、熱効率に関する計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
既習領域の基礎問題を解くことができる。
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16週 |
期末試験返却・解答 演習(2) |
既習領域の応用問題を解くことができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
波の伝わり方と種類 |
波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 横波と縦波の違いについて説明できる。
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2週 |
重ね合わせの原理と波の干渉(1) |
波の独立性について説明できる。 波の重ね合わせの原理について説明できる。 定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。
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3週 |
重ね合わせの原理と波の干渉(2) |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。
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4週 |
波の反射・屈折・回折 |
ホイヘンスの原理について説明できる。 波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。
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5週 |
音波・発音体(1) |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。
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6週 |
音波・発音体(2) |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。
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7週 |
中間試験 |
既習領域の基礎問題を解くことができる。
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8週 |
中間試験返却・解答 演習(3) |
既習領域の応用問題を解くことができる。
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4thQ |
9週 |
音波・発音体(3) |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。
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10週 |
光波 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 粒子性と波動性の違いを理解している。
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11週 |
実験(2) |
測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 安全を確保して、実験を行うことができる。 実験報告書を決められた形式で作成できる。 有効数字を考慮して、データを集計することができる。 波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。
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12週 |
運動の法則 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
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13週 |
角運動量 |
力のモーメントを求めることができる。 角運動量を求めることができる。 角運動量保存則について理解し、具体的な例を挙げて説明できる。
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14週 |
剛体 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。 一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
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15週 |
期末試験 |
既習領域の基礎問題を解くことができる。
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16週 |
中間試験返却・解答 演習(4) |
既習領域の応用問題を解くことができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 1 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 1 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 2 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 2 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 2 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 2 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 2 | |
角運動量を求めることができる。 | 2 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 2 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 2 | |
重心に関する計算ができる。 | 2 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 2 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 2 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 2 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 2 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 2 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 2 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 2 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 2 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 2 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 2 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 2 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 2 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 2 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 2 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 2 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 2 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 2 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 2 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 2 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 2 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 2 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 2 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 2 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 2 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 2 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 2 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 2 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 2 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |