情報工学1

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 情報工学1
科目番号 22201 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報機械システム工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 講義資料をオンラインで配布する/みんなのArduino入門:基本キット
担当教員 脇坂 賢

到達目標

整数や小数のデータの基数変換を行う手法について学び、それらのデータをディジタル表現する原理について理解する。また、コンピュータのハードウェアの原理(五大要素とそれぞれの役割、プロセッサ・メモリシステム・入出力などを実現するための技術)や、実際のコンピュータに利用されているハードウェア要素について学習する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータの基本的な構成要素とその役割について説明できるコンピュータの基本的な構成要素とその役割を知っているコンピュータの基本的な構成要素とその役割がわからない
評価項目2プログラムの基本制御構造を踏まえて、マイコンボードでスイッチ入力に応じてLED点灯などの振る舞いを行う装置を実装できるプログラムの基本制御構造を踏まえて、ひな形のプログラムの穴埋め等によりプログラムを実装できるプログラムの基本制御構造を踏まえたマイコンプログラミングができない
評価項目3マイコンボードと、センサやアクチュエータをつないだシステムについて設計と実装できるマイコンボードと、センサやアクチュエータをつないで動くものを組み立てることができるマイコンボードと、センサやアクチュエータを連携して動かすことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
整数や小数のデータの基数変換を行う手法について学び、それらのデータをディジタル表現する原理について理解する。また、コンピュータのハードウェアの原理(五大要素とそれぞれの役割、プロセッサ・メモリシステム・入出力などを実現するための技術)や、実際のコンピュータに利用されているハードウェア要素について学習する。
授業の進め方・方法:
各自のノートPCと、教材として購入する各自所有のArduinoを接続し、演習を行う。
なお、PBL2でデバイスの実装等において本科目の知識が必要となる。
そのため、本科目の前半は、Arduinoを用いた開発をメインで取り組み、後半はArduinoの動作を踏まえて、その仕組みを解説するという順序で講義を展開する。
注意点:
講義資料はすべてOnenote上で配布する。紙媒体でのプリントは原則として配布しない予定である。
毎回、各自のノートPCと教材(Arduinoのキット)を持参すること。
Arduinoのキットについては、各自で適切に管理すること。
PBL2の進捗にあわせて、演習等の進度が多少変更になることがあるのでご容赦いただきたい。

≪令和2年度の新型コロナウイルス関連に関する成績評価について≫
評価割合に記載の割合は年度当初のものとなり,令和2年度は以下の評価項目・評価割合で評価する。
ポートフォリオ(課題提出)60点満点+ポートフォリオ(課題内容)20点満点+前期期末試験20点満点=100点満点

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・Arduino演習環境の構築
Arduino開発環境を構築できる
2週 基本制御構造の復習
Arduinoのプログラム(1)
逐次・分岐・繰り返しの基本制御構造を説明できる
ArduinoのサンプルプログラムをArduinoに書き込んで動作させることができる
3週 LEDの点灯、出力制御
Arduinoのプログラム(2)
LED点灯回路を構成できる(適切な抵抗を選べる)・個別のピンごとにLED点灯を制御できる
連接順次処理とループでLEDを点灯点滅させるプログラムを作成できる
4週 スイッチの入力・入力制御
論理(AND/OR/NOT)
Arduinoのプログラム(3)
タクトスイッチによる入力回路を構成できる(適切な抵抗を選べる)・個別のピンごとに入力を制御できる
スイッチ入力を端とする分岐処理のプログラムを作成できる
複数のスイッチによる、AND、OR、NOTを用いた条件でLED点灯制御できる
5週 スイッチの入力・入力制御
論理(AND/OR/NOT)
Arduinoのプログラム(4)
タクトスイッチによる入力回路を構成できる(適切な抵抗を選べる)・個別のピンごとに入力を制御できる
スイッチ入力を端とする分岐処理のプログラムを作成できる
複数のスイッチによる、AND、OR、NOTを用いた条件でLED点灯制御できる
6週 アナログ入力・量子化と閾値
Arduinoのプログラム(5)
量子化と閾値を説明できる
アナログセンサを入力としたシステムを構築できる
7週 中間試験
8週 コンピュータの構成(2進数・16進数)
Arduinoのプログラム(6)
基数変換ができる
2進数や16進数で複数ピンを一括制御するプログラムを構築できる
2ndQ
9週 入力回路とチャタリング
Arduinoのプログラム(7)
チャタリングとは何かを説明できる
チャタリングに配慮したプログラムを組める
10週 コンピュータの5要素 コンピュータの五要素(演算、制御、記憶、入力、出力)の各項目とその大まかな意味を答えられる。
11週 状態記憶、メモリ
Arduinoのプログラム(8)
変数とメモリについて説明できる
カウンタを構成できる
12週 PWM
Arduinoのプログラム(9)
PWM、デューティー比、について説明できる
明るさ制御もしくはモーターの速度制御を行うことができる
13週 サーボモーター
Arduinoのプログラム(10)
サーボモーターを任意角(45度刻み程度)に動かすことができる
14週 システムのテスト
総合開発課題
Arduinoのプログラム(11)
システムが正しく動作するかのテスト方法について説明できる(ホワイトボックステスト、ブラックボックステスト)
15週 期末試験
16週 期末試験フォロー

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。2
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。2
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。2
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。2
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。2
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。2
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。2
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。2
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。2
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。2
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。2
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。2
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。1
基本的な論理演算を行うことができる。1
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。1
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。1
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。1
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。1
その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。1
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。1
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。1
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010300100
基礎的能力000010010
専門的能力6000520085
分野横断的能力0005005