電気電子回路

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子回路
科目番号 23204 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報機械システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 電気回路の基礎(森北出版)、よくわかる電子回路の基礎(電気書院)
担当教員 中井 一文,西山 延昌

到達目標

1.抵抗、コイル、コンデンサ素子の正弦波交流における電圧と電流の関係を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
2.電気回路における法則及び定理を理解し、共振回路や結合回路を含む正弦波交流回路の計算に用いることができる。
3.ダイオード、トランジスタの等価回路を説明できる。
4.増幅回路の基礎を理解し、動作量などを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1抵抗、コイル、コンデンサ素子の正弦波交流回路における電圧と電流の関係を理解し、電気回路の計算に用いることができる。抵抗、コイル、コンデンサ素子の正弦波交流回路における電圧と電流の関係を理解し、概要を説明できる。抵抗、コイル、コンデンサ素子の正弦波交流回路における電圧と電流の関係を説明できない。
評価項目2電気回路における法則および定理を理解し、共振回路や結合回路を含む一般的な正弦波交流回路の計算に用いることができる。電気回路における法則および定理を理解し、概要を説明できる。電気回路における法則および定理を正弦波交流回路の計算に用いることができない。
評価項目3ダイオード、トランジスタの等価回路を説明できる。ダイオード、トランジスタの概要を説明できる。ダイオード、トランジスタの等価回路を説明できない。
評価項目4 増幅回路の基礎を理解し、動作量などを計算できる。増幅回路の概要を説明できる。増幅回路の基礎や動作量などを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
交流回路網の解析、交流電力の理解と計算、共振回路・結合回路の理解と計算、トランジスタを用いた増幅回路の理解と計算ができる力を身に着ける。
授業の進め方・方法:
・授業は、講義を中心に演習も行う。
・学習内容の定着のために、章毎に演習問題として課題を課す。期限までに課題の解答を提出する。
・単元ごとに実験を行うので、実際の機器・素子の取り扱いを理解すること。及び、期限までに、理論値と実測結果の比較及び考察のレポートを提出すること。
注意点:
・回路計算を行う場合は、回路を流れる電流や電圧降下を把握しながら計算して行くことが重要である。具体的な回路の解析に必要な法則や定理を理解すること。
・解析計算では、計算手法として分数・連立方程式・三角関数・複素数・微分・積分を多用する。基礎数学の復習を行い計算手法に慣れること。
・演習問題がわからない場合はそのままにせず、毎回の内容をしっかりと理解することを心がけること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
正弦波交流のフェーザ表示と複素数
交流における回路要素の性質
複数表示、フェーザ表示の計算ができ、フェーザ図が描ける。
抵抗、コイル、コンデンサについて正弦波交流の電圧と電流を計算できる。
2週 回路要素の直列接続
回路要素の並列接続
インピーダンスの計算ができる。
直列回路の計算ができる。
アドミタンスの計算ができる。
並列回路の計算ができる。
3週 2端子回路の直並列接続 インピーダンスとアドミタンスの計算ができる。
これらを用いて直並列回路を計算できる。
4週 交流の電力 直並列回路の交流電力、力率の計算をすることができる。
5週 交流回路網の解析 交流回路網をキルヒホッフの法則で解析することができる。
重ね合わせの理、テブナンの定理を用いて、交流回路網の電圧と電流を計算することができる。
6週 電磁誘導結合回路と変圧器結合回路 相互誘導を説明でき、誘導結合回路の計算ができる。
変圧器結合回路の計算ができる。
7週 後期中間試験
8週 試験返却・解答
交流回路の周波数特性と共振回路
交流回路のインピーダンスやアドミタンスの周波数特性の計算ができる。
RLC直並列共振回路の共振特性を計算することができる。
2ndQ
9週 トランジスタ増幅回路 トランジスタの等価回路を説明できる。
トランジスタ増幅回路のバイアス供給方法を説明することができる。
エミッタ接地増幅回路の増幅度および遮断周波数を計算できる。
10週 FET増幅回路 FETの等価回路を説明できる。
FET増幅回路のバイアス供給方法を説明することができる。
ソース接地増幅回路の増幅度および遮断周波数を計算できる。
11週 各種増幅回路(1) 差動増幅回路や電圧ホロワ回路の説明ができ、設計のための素子値の計算ができる。
複数のトランジスタを接続したダーリントン回路やカレントミラー回路を説明できる。
12週 各種増幅回路(2) 電力増幅回路の説明ができる。
動作クラスと電力効率の関係を説明できる。
負帰還増幅回路の特徴を説明できる。
13週 電源回路 電源回路の特徴を説明できる。
14週 各種増幅回路(3) 増幅回路の設計のための素子値を計算することができる。
電源回路の設計のための素子値を計算することができる。
15週 後期期末試験
16週 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。2
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3
FETの特徴と等価回路を説明できる。3
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力6000030090
分野横断的能力000010010