計測工学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 計測工学
科目番号 23210 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報機械システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 計測工学入門 中村邦雄、石田武夫、冨井薫著 森北出版株式会社/随時配布するプリント
担当教員 古森 郁尊,山下 晃司

到達目標

1.計測・測定の定義と計測方法の分類について説明できる。
2.国際単位(SI単位)系の構成を理解し、SI基本単位およびSI接頭語について説明できる。
3.測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、誤差の伝搬について説明できる。
4.各種物理量の測定原理と測定方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI基本単位を7つ挙げる事ができ、SI組立単位の次元を解析する事が出来るSI基本単位を挙げる事ができるSI基本単位を一つも挙げる事が出来ない
評価項目2測定誤差の原因や誤差の伝搬を踏まえ、発生する測定誤差の範囲を推定できる測定誤差の原因や種類を挙げ、それらについて説明する事が出来る測定誤差の原因や種類を挙げる事が出来ない
評価項目3いくつかの測定器の原理や使用法を説明でき、正しく使用できるいくつかの測定器の原理や使用法を説明できる測定器の原理や使用法を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・物理量を表すための標準単位系(SI単位系)について学習する
・物理量を数値化する上で重要な有効数字の取り扱いや、測定誤差を軽減する手法について学習する
・各種物理量を測定するための測定器の基本動作原理や使用法について学習する
授業の進め方・方法:
・ 授業は講義形式を中心に単元ごとに演習を行う。
・単元ごとに演習問題を課題として課す。
・ 実際の現象を理解するため単元ごとに実験を行う。実験はレポートの提出が必要である。
注意点:
・ 数列の総和や指数関数などの計算を多用するため、関数電卓を準備しておくこと
・1,2年生で学んだ電気電子基礎、電気電子工学、情報工学基礎の知識を必要とする。
・課題、レポートの提出は遅れないよう、必ず提出すること。
・実験では、さまざまなセンサや機器を使用する。取扱いを方を身に着けること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義概要の説明~計測とは
SI基本単位の定義と標準
・計測と測定の定義を説明できる
・SI単位を説明できる
・計測標準とトレーサビリティについて説明できる
2週 測定で生じる誤差の種類と原因
誤差の伝搬と測定精度の計画
・測定時に発生する誤差と原因について説明できる
・間接測定では、複数の測定誤差が影響する事を説明できる
・誤差の伝搬に基づいた間接測定の精度を推定できる
3週 測定値の統計的処理と補完 ・離散値の標準偏差を導出できる
・線形補間や最小二乗法を用いて、測定値間の数値を推定できる
4週 様々な物理量(長さ・温度・光強度・力など)の測定原理1 ・ノギスのバーニア目盛による拡大原理を説明できる
・マイクロメータのネジ機構による拡大原理を説明できる。
・ダイアルゲージの歯車機構による拡大原理を説明できる。
・アッベの原理について説明できる。
5週 長さの測定実験 ・ノギス、マイクロメータを用いて、長さの測定ができる。
・測定結果から平均、分散、標準偏差を算出できる。
6週 電圧・電流の測定原理
抵抗・インピーダンスの測定原理
・指示計器の動作原理について説明できる
・倍率器や分流器を利用した電圧、電流の測定範囲の拡大について説明できる。
・A/D変換を利用した電圧測定の原理について説明できる。
・電圧降下法による抵抗値測定の原理を説明できる。
・ブリッジ回路を用いたインピーダンス測定の原理を説明できる。
7週 後期中間試験 後期中間試験
8週 試験返却・解答
電圧・電流(直流)の測定実験
・試験返却・解答
・分圧回路を構成し、電圧、及び、電流を測定できる。
・測定結果に対して最小二乗法を用いて直線近似ができる。
4thQ
9週 A/D・D/A変換の原理
オシロスコープを用いた測定方法
・A/D変換の過程を説明できる。
・サンプリング定理を説明できる。
・量子化誤差について説明できる。
・PWM制御について説明できる。
・オシロスコープを用いた交流電圧の測定方法を説明できる。
10週 A/D・D/A変換を用いた測定実験 ・Arduinoを用いてアナログ電圧をデジタル値へ変換できる。
・分解能とサンプリング周波数を変化させた際の影響を考察できる。
・PWM制御を用いたD/A変換ができる。
11週 時間波形(交流)の特性と測定実験 ・RC直列回路の正弦波入力に対する一次遅れについて説明できる
・RC直列回路の矩形波入力に対する過渡応答について説明ができる。
・RC直列回路を設計し、正弦波入力に対する一次遅れの測定ができる。
・RC直列回路を設計し、矩形波入力に対する過渡応答の測定ができる。
12週 様々な物理量(長さ・温度・光強度・力など)の測定原理2 ・熱電対(ゼーベック効果)、サーミスタ、白金測温抵抗体による温度測定の原理を説明できる。
・CdSセルを用いた光強度測定の原理を測定できる
・フォトダイオードやフォトトランジスタによる光強度測定の原理を説明できる。
・歪みゲージを利用した歪みの測定原理を説明できる。
・オリフィス機構を利用した圧力の測定原理を説明できる。
13週 温度の測定実験 ・サーミスタ、白金測温抵抗体を用いて温度測定ができる。
・温度変化を出力電圧の変化に変換する回路を設計できる
・半導体素子を用いた温度測定にて自己発熱の影響を考察できる。
14週 光の測定実験 ・CdSセルやフォトトランジスタを用いた光強度測定ができる
・CdSセルの特性測定ができる
・可視光フォトトランジスタと赤外光トランジスタの特性測定ができる
15週 後期期末試験
16週 試験返却・解答 試験返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。1
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010300100
基礎的能力000100010
専門的能力6000030090
分野横断的能力0000000