社会科学特論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 社会科学特論
科目番号 0104 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海事システム学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 『原因と結果の経済学-データから真実を見抜く思考法-』(中室政子・津川友介、ダイヤモンド社、2017、1600円+税)
担当教員 深見 佳代

到達目標

1:現代社会において生じる様々な問題について社会科学的に考察する目を養う。
2:上記目標を達成するため、経済学のツールの一つであるデータ分析の基礎を身に着ける。
3:因果関係と相関関係の違いについて様々な社会科学的事象を通じて理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現代社会における諸問題に対し、当事者意識を持ち、きちんと自身の意見を持ち、また、行動しようとしている。現代社会における諸問題に対し、当事者意識を持っている。現代社会における諸問題に対し、当事者意識を持っていない。
評価項目2学習した事項について十分な知識を有している。学習した事項についてひととおりの知識を有している。学習した事項についての知識が不十分である。
評価項目3現代社会における諸問題に対する客観的なデータ分析の能力を十分身に着けている。現代社会における諸問題に対してある程度のデータ分析能力を身に着けている。現代社会における諸問題に対して分析能力を持たない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・世の中には社会問題について因果関係のはっきりしない曖昧な解釈があふれている。これらは単に知識不足が原因であるだけでなく、しばしば偏見なども手伝って、あたかも根拠のある言説であるかのように流布していることが少なくない。そして自分が社会問題について誤った理解をしていることに気づくことはとても難しい。本授業では社会問題の事例を通じて、客観的なデータ解釈の訓練を行う。授業を通じて基本的なものの見方を身に着ければ、今後社会問題についてより冷静な判断が可能になり、自らの主体的な意見を作る助けになるだろう。
授業の進め方・方法:
・教科書を参加者で順に輪読していく形式の授業である。参加者は担当する章についてレジュメでまとめ、報告すること。また、報告日に当たっていない場合は予習をして授業日に質問等積極的に発言すること。
・教科書の購入が必須である。

注意点:
【授業日程】
・試験のない授業であるため、試験期間中の授業(7週目と15週目)は通常とは異なる日程で行われる。

【成績評価】
・報告:60点
・態度:20点
・レポート:20点(10点×2=40点、レポートの提出が遅れた場合などは減点する。)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ガイダンス:この授業の到達目標、履修上の注意点、評価方法などについて説明できる。
授業:すべての学習は模倣から始まる。一方で模倣は他者が積み上げてきた学習に対する冒とくにもなりえる。近年科学技術の発達によって模倣の形式は変化しており、その結果模倣の持つ社会的意味も変わりつつある。本講義では模倣の中でもコピペに注目し、現代的な意味と不正となりえる根拠はあるか考察することを目標とする。
2週 1章 根拠のない通説に騙されないために-「因果推論」の根底にある考え方(1) 因果関係と相関関係の違いを説明きる。
3週 1章 根拠のない通説に騙されないために-「因果推論」の根底にある考え方(2) 反事実の必要性について説明できる。
4週 2章 メタボ健診を受けていれば長生きできるのか-因果推論の理想形「ランダム化比較試験」(1) ランダム化比較実験について説明できる。
5週 2章 メタボ健診を受けていれば長生きできるのか-因果推論の理想形「ランダム化比較試験」(2) 統計的な有意差について説明できる。
6週 3章 男性医師は女性医師より優れているのかーたまたま起きた実験のような状況を利用する「自然実験」 自然実験とデータの利用について説明できる。
7週 4章 認可保育所を増やせば母親は就業するのか-「トレンド」を取り除く「差の差分析」(1) 疑似実験について説明できる。
8週 4章 認可保育所を増やせば母親は就業するのか-「トレンド」を取り除く「差の差分析」(2) 差の差分析について説明できる。
2ndQ
9週 5章 テレビを見せると子どもの学力は下がるのか-第3の変数を利用する「操作変数法」(1) 操作変数法について説明できる。
10週 5章 テレビを見せると子どもの学力は下がるのか-第3の変数を利用する「操作変数法」(2) 上に同じ。
11週 6章 勉強ができる友人と付き合うと学力は上がるのか-「ジャンプ」に注目する「回帰不連続デザイン」(1) 回帰不連続デザインについて説明できる。
12週 6章 勉強ができる友人と付き合うと学力は上がるのか-「ジャンプ」に注目する「回帰不連続デザイン」(2) 上に同じ。
13週 7章 偏差値の高い大学に行けば収入は上がるのか-似た者同士の組み合わせをつくる「マッチング法」(1) マッチング法について説明できる。
14週 7章 偏差値の高い大学に行けば収入は上がるのか-似た者同士の組み合わせをつくる「マッチング法」(2) 上に同じ。
15週 8章 ありもののデータを分析しやすい「回帰分析」 回帰分析、重回帰分析について説明できる。
16週 なし なし

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験報告レポート態度その他その他合計
総合評価割合060202000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力060202000100