日本文化論

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 日本文化論
科目番号 0031 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 特に指定のものはない。プリントで対応する。
担当教員 豊田 尚子

到達目標

1.古来の日本文化に関する知見を深めることができる。
2.文化の消長や変遷に気付くことができる。
3.資料の扱い方や特性を知り、文化的教養を高めることができる。
4.資料の特性を生かし、アプローチの方法を提示することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1資料を適切に扱い、文化的価値やその特性を理解できる。資料を適切に扱い、文化的価値がわかる。資料を適切に扱うことができず、その価値を認識できない。
評価項目2与えられた課題について、独創的な私見を提示できる。与えられた課題について、正しい認識をもとに意見を提示できる。与えられた課題を完成させることができない。
評価項目3資料を正しく観察し、積極的に意見交換できる。資料を観察し、簡単な質疑や応答ができる。資料を正しく観察できず、私見を持つこともできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
専攻科の授業では、日本文化の史的な特徴を、さまざまなジャンルの資料を用いて知見を深めることを目指す。この分野での「資料」とは、研究対象となりうる文献一般を指す。特に専攻科の授業では、活字化された現代の書籍より、原本に近いレプリカや影印本を資料として用いることが多い。手に取れる資料はなるべく実際に触って、その扱い方を学び、資料の構造を観察できる。自分の専門以外の分野でも、対象物を的確にとらえ、私見を持つことを目指している。
授業の進め方・方法:
1.古典の分野は、高校卒業程度の一般的な知識で対応できる。
2.授業は、実際にレプリカに触ったり、資料を題材にして作業することもある。積極的かつ丁寧に取り組むこと。
3.2で説明したように、実際にレプリカを手に取ることが重要な授業であるため、オンラインには対応しない。もし、オンラインになった場合は、オンラインに対応した内容に変更する。
4.授業内に課題が作成できなければ、宿題として後日の提出を認めることもある。
注意点:
1.評価はすべて課題作成によることとする。計9回の課題と態度とで評価する。
2.課題の基準は、その課題内容により、着眼点、観察力、丁寧さ、類推力、情報収集力、分量などで評価する。
3.貴重な資料を取り扱うこともある。対象とする資料を正しく扱えるかを「態度」の項目で評価する。
4.オンライン対応ではないので、出席に関しては成績に反映する。授業に参加できていないので、「態度」以外の部分からも減点となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ・授業の取り組み方、諸注意などの説明を受ける。
・日本文化論の学術的位置づけを確認することができる。
2週 研究方法の提示・1 ・研究方法について、アプローチの仕方を提示し、ディスカッションすることができる。
3週 研究方法の提示・2 ・研究方法について、アプローチの仕方を提示し、ディスカッションすることができる。
・課題①に取り組む。
4週 資料別各論・1概論
(1)装丁の種類と史的変遷
・装丁の種類と史的変遷を知る。
・レプリカを扱って装丁の特性を正しく認識することができる。
5週 資料別各論・1概論
(2)料紙の種類と資料との関係
・料紙の種類と資料との関係を学ぶ。
・実際に、継色紙のサンプルを手に取って、その構成を観察し、図示することができる(課題②)。
6週 資料別各論・2絵巻物
(1)絵巻物の種類と資料的価値
・絵巻物の種類と、資料的価値、研究対象としての諸問題を認識することができる。
7週 資料別各論・2絵巻物
(2)絵巻物を対象とした研究の可能性
・絵巻物を研究対象とした場合のアプローチの可能性を提示することができる(課題③)。
8週 資料別各論・3古辞書
(1)漢字字典類の概要
・漢字字典に属する古辞書の特徴を学び、解読することができる。
・次週の課題の準備をする。漢和辞典を用いて、任意の文字を検索することができる。
2ndQ
9週 資料別各論・3古辞書
(2)漢字字典類の解読
・観知院本類聚名義抄を用いて、課題④に取り組む。古辞書を解読することができる。
10週 資料別各論・3古辞書
(3)国語辞典類
・国語辞典に属する古辞書の特徴を学び、解読することができる。
11週 資料別各論・3古辞書
(4)百科事典ほか
・百科辞典に属する古辞書の特徴を学び、解読することができる。
・辞書の特性と語彙の配列に注目し、課題⑤に取り組む。
・次回の予習として、百人一首を題材に事前の学習の準備を行う。
12週 資料別各論・4歌集、歌合、歌論
(1)歌論の資料的価値と研究の可能性
・歌集、歌合、歌論の関係を学び、代表的な歌合の具体例を知る。
・課題⑥として、百人一首に関する発表を行い、レポートにまとめることができる。
13週 資料別各論・4歌集、歌合、歌論
(2)歌集の資料的価値
・前回に引き続き、課題⑥を発表し、レポートにまとめることができる。
・藤原俊成・定家父子の功績を知る。
・課題⑦の準備として、評価される歌語の組み合わせを考える。
14週 資料別各論・4歌集、歌合、歌論
(3)歌論と評価される和歌との関係
・課題⑦として、評価される歌語の組み合わせを発表し、相互評価することができる。
15週 資料別各論・5角筆文献
資料の扱い方と調査の方法
・課題⑧として、和装本の調書を作成する。
・最終課題として、これまでの知見と成果をレポートにまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00010900100
基礎的能力00010900100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000