環境化学

科目基礎情報

学校 鳥羽商船高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 環境化学
科目番号 0100 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 役にたつ化学シリーズ9 地球環境の化学 村橋俊一・戸嶋直樹・安保正一編  (朝倉書房) ISBN-10 4254255993 ISBN-13 9784254255997
担当教員 山﨑 賢二

到達目標

 「環境化学」とは人間活動が生むさまざまな環境問題に立ち向かうサイエンスで対象は広いが,どのような学問かの定義は曖昧である。しかし人間が生きていくうえで最も大切な学問になりつつあることは確かである。環境問題を批判的に捉えるのではなく,問題を科学的にしっかりと把握し,環境問題に対する的確な判断と評価能力を身につけるための「環境化学」の基礎知識を得ることを目的とする。その結果として環境問題に対する最善の解決方法を考え,建設的に対応する基礎力を付けるとともに,社会に貢献し,日本の活力を生み出す人材へと成長することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
科学的概念について化学と人間生活の関わりについて,科学的概念や化学の法則などを用いて説明できる。用いて説明できる。 化学と人間生活の関わりについて,用語や概念の誘導をされると説明ができる。化学と人間生活の関わりについて,説明できない。
環境問題の科学的捕捉について環境問題を批判的に捉えるだけでなく科学的に把握するのに十分な環境化学の基礎知識を得ている。 科学的に把握するのに必要な,最低限の環境化学の基礎知識を得ている。 科学的に把握するのに必要な,環境化学の基礎知識を得ていない。
環境問題の解決について環境問題に対する最善の解決方法を考え,建設的に対応する基礎力を付けている。環境問題に対するいくつかの解決方法を考えるための基礎力を付けている。環境問題に対する解決方法を考えるための基礎力を付けていない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 A1 説明 閉じる
教育目標 B2 説明 閉じる
教育目標 C3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【 海事 平成28年 1年・2年 春、 生産 平成28年 1年・2年 前期 開講 】
指定教科書を用いて講義し,時間内に学んだ内容や問題についてまとめる。
授業の進め方・方法:
試験: 期末試験のみを実施する,中間試験は実施しない。
ポートフォリオ: 授業中に指示された宿題や課題の提出等で確認する。
注意点:
学習上の留意点
・自然の事物・現象に関することを題材にして,基本的な概念,原理,法則を理解するよう務めること。
・欠席や遅刻,従業への集中度が著しく低い場合は,総合点より大きく減点する。
・学習事項の練習問題・発展問題などを適宜課題とする。また,既習事項の確認のため小テストを課すことがある。
・提出物やその他課題についてはそれぞれの指示に従い,提出期限を厳守すること。
・授業中に他人に危害を加えたり,授業の妨害を行ったりした場合は単位を習得できない。
関連する科目
・高等専門学校本科課程の化学系,生物系科目全般を履修済みであることが望ましい。
学習上の助言
・教科書や副教材などを用いて,復習を中心とした自学自習を行なうこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 環境化学とは 科学的思考方法について理解している。
2週 1 地球大気環境問題
1.1 成層圏オゾン
1.2 地球温暖化
成層圏オゾンの生成機構を知っている。
地球温暖化の現象を科学的に説明できる。
温暖化防止の必要性について説明できる。
3週 1.3 オキシダント増加 光化学オキシダントの構成物質とその生成について知っている。
オゾン層が地球環境に与える影響を理解している。
4週 2 水圏の環境
2.1 水資源 
2.2 水の浄化 
地球上の水の分布量を環境問題に絡めて説明ができる。
水の浄化システムや技術について説明ができる。
5週 2.3 湖沼・湿地・河川・地下水 
2.4 水圏と地球温暖化 
各水圏の水資源の固有の問題を知っている。
温室効果を地球規模の水循環に関連させて説明することができる。
6週 3 土壌圏の環境
3.1 土壌圏の環境と汚染 
3.2 食料と肥料 
土壌の汚染にさまざまな化学物質が関係していることを知っている。
人間の食料生産・循環などの経済活動が地球環境に強く影響していることを説明できる。
7週 3.3 食料生産と農薬 
3.4 農薬の行方と安全性 
さまざまな農薬が土壌に与える影響を知っている。
農薬の毒性や安全性について科学的に説明することができる。
8週 4 生物圏の環境
4.1 環境分析と精度管理 
4.2 化学物質のヒトの健康への影響 
4.3 化学物質の環境生物への影響 
生物モニタリングをつかった化学物質による汚染を対象とした環境分析について知っている。
化学物質のヒトや生物に対する安全性の評価方法について説明ができる。
4thQ
9週 4.4 ダイオキシン類 
4.5 外因性内分泌撹乱物質 
4.6 化学物質のリスクアセスメント 
ダイオキシン類の問題点とその歴史を知っている。
いくつかの環境ホルモンについて,その影響の例を説明できる。
リスクアセスメントの実際について,具体例を知っている。
10週 5 化学物質総合管理
5.1 化学物質管理の社会的仕組み 
5.2 化学物質総合管理の基本的考え方と方法 
5.3 化学物質総合管理を支える法律体系 
化学物質総合管理について,リスク・ハザードの評価や情報管理の観点から説明することができる。
化学物質総合管理について,リスク管理・低減の方法やその法律体系を知っている。
11週 6 グリーンケミストリー
6.1 グリーンケミストリーとは何か 
6.2 グリーンケミストリーの基本的な考え方 
6.3 グリーンケミストリーの根幹をなす入り口処理とアトム・エコノミー 
グリーンケミストリーとは何かを,人間活動と環境の観点から説明ができる。
アトム・エコノミーの考え方を説明でき,クリーン度の評価方法やその反応例を知っている。
12週 6.4 化学合成に関するグリーンケミストリー 
6.5 化学製品および化学事故とグリーンケミストリー 
化学物質をめぐる環境問題で,人間や環境を守るために考えなければならない具体例をいくつかあげられる。
13週 7 廃棄物とリサイクル
7.1 廃棄物の処理・処分の状況と課題 
7.2 循環型社会形成のための法体系 
廃棄物の処理・処分の状況と課題について説明ができる。
廃棄物処理に関する法体系について説明ができる。
14週 7.3 プラスチック廃棄物 
7.4 プラスチック廃棄物のリサイクル技術 
7.5 生分解性プラスチック 
7.6 リサイクル技術の選択 
主なプラスチック廃棄物とその処理法やリサイクル技術について説明することができる。
いくつかのリサイクル技術について,それぞれの利点と問題点を知っている。
15週 定期試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力50000500100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000