確率統計

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 確率統計
科目番号 新規 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新確率統計 改訂版」高遠節夫(大日本図書)
問題集:「新確率統計問題集 改訂版」高遠節夫(大日本図書)
担当教員 大貫 洋介

到達目標

確率・統計に関する基本的な考え方である資料の整理・統計的推定・検定に必要な知識を習得し,実験データ等の解析・分析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
資料の整理資料の特性を踏まえたうえでデータを整理し,統計量の意味・性質を理解した上で利用することができる.資料を整理し,基本的な統計量を求めることができる.資料を整理し,基本的な統計量を求めることができない.
確率確率の定義や条件付き確率,確率の乗法定理を理解し計算ができ,背後にある標本空間(確率空間)の構造についても説明ができる.確率の定義や条件付き確率,確率の乗法定理を理解し計算ができる.確率の計算ができない.
確率変数と様々な分布確率変数の概念を良く理解し,やや発展的な問題も解くことができる.確率変数に関する基本的な問題が解ける.確率変数に関する基本的な問題が解けない.
統計的推定・仮説検定統計学の数学的構造(概念の定式化の仕方や簡単な証明など)を理解した上で,統計的推定,検定の問題が解ける.統計的推定,検定の基本的な問題が解ける.統計的推定,検定の基本的な問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
確率・統計学は,情報化社会といわれる今日において各方面で意思決定のために用いられている学問である.本授業において,確率・統計学の基礎的な項目について学習するとともに,データの整理・分析に関する理論の理解と分析方法の習得をおこなう.
授業の進め方・方法:
・授業の内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<専門>,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・本授業は講義・演習形式で行う.情報処理センター演習室を利用した演習に関しては別途配布のルーブリックを活用し課題を作成すること。
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
 下記授業計画の「到達目標」1~11の理論の理解に関する確認を中間試験,期末試験で行う.1~11に関する重みはおおむね均等で合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
 データの取り扱い,分析方法の習得の確認は指定された形式でのレポートを提出することで行う.
<学業成績の評価方法および評価基準>
 中間試験と期末試験の平均点で60%,課題の評価点を40%として評価する.期末試験で60点に達していない場合に再試験を実施することがある.再試験を実施した場合,再試験の成績が期末試験の成績を上回った場合には,60点を上限として期末試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.中間試験の再試験は実施しない.
<単位修得要件>
 学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
 本教科は数学の学習が基礎となる教科である.数学の基礎は十分に理解している必要がある.なお,授業開始までに場合の数の範囲である順列・組合せに関しては習熟しておくこと.
<自己学習> 
 授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,期末試験のための学習も含む),課題の作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>  
 本教科は通して学習する内容は卒業研究で利用してもらうことを想定している.確率・統計で学習する用語の意味と性質を理解することが重要であるとともに実際の分析手法を身に着けることを目的とする.
 授業時間を有効に活用するために学習動画と確認小テストは事前に取り組んでおく必要がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス・確率(1章1) 1.  確率の加法定理,排反事象,余事象について理解し,確率の計算ができる.
2週 条件付き確率,事象の独立(1章2) 上記1
2.  条件付き確率,確率の乗法定理,独立事象について理解し,確率の計算ができる.
3週 1次元のデータ(2章1) 3.  1次元のデータを整理して,平均・分散・標準偏差を求めることができる.
4週 2次元のデータ(2章2) 4.  2次元のデータを整理して,散布図を作成し,相関係数・回帰直線を求めることができる.
5週 データの整理に関する演習 上記3.4.
5.コンピューターを利用してデータを整理することができる.
6週 確率変数と確率分布,二項分布,ポアソン分布(3章1) 6.確率変数の概念を理解し,確率分布から平均,分散,標準偏差を求めることができる.
7.二項分布と正規分布の性質や特徴を説明できる.
7週 連続型確率分布,正規分布(3章1) 上記6.7.
8週 中間試験 上記1.~7.
2ndQ
9週 統計量と標本分布(3章2) 上記7.
8.標本平均の分布について,その基本的な性質を理解している.
10週 母数の推定(4章1) 9.推定の考え方を理解し,実データを利用し推定を行うことができる.
11週 母数の推定2(4章1) 上記9.
12週 仮説検定1(4章2) 10.仮説検定の考え方を理解し,実データを利用し検定を行うことができる.
13週 仮説検定2(4章2) 上記10.
14週 実データを利用した分析1 11.実データを利用し,適切にデータ処理・分析を実施し,レポートとして報告することができる.
15週 実データを利用した分析2 上記11.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合6040100
配点6040100